環境・建設工学実験2

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 環境・建設工学実験2
科目番号 0042 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境・建設工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 教科書:土質試験 基本と手引き[第一回改訂版](地盤工学会)参考書:土質試験の方法と解説 [第一回改訂版](地盤工学会)図書館の教員選定棚
担当教員 河原 荘一郎,小川 芳也

到達目標

(1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
(2)実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。
(3)実験結果の解釈や利用の方法(考察の行い方)を理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1土質実験の目的および方法について体得し,正しく理解できる。土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。土質実験の目的および方法について体得し,理解できない。
評価項目2実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを正しく作成できる。実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できない。
評価項目3実験結果の解釈や利用の方法(考察の行い方)を理解し,正しく説明できる。実験結果の解釈や利用の方法(考察の行い方)を理解し,説明できる。実験結果の解釈や利用の方法(考察の行い方)を理解し,説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
土木や建築工事の計画や設計・施工を安全で経済的に行うには,地盤や材料として用いる土について,材料土としての適性や土の工学的性質を調べる必要がある。そのため,原位置で採取した土試料を室内で調べる「土質実験」を行う。
① 物理試験:含水比試験,土粒子の密度試験,粒度試験,液性限界・塑性限界試験
② 力学試験:一軸圧縮試験,透水試験,締固め試験,圧密試験
※②の実験は,クラスの半分を4つの班に分けてローテーションで行う。
授業の進め方・方法:
1) 実験結果の正確さ 30% 各実験で3段階評価(A:3,B:2,C:1の割合)
2) 結果整理の達成度 30% 各実験で評価項目を指定して成否評価
3) 考 察      30% 各実験で3段階評価(A:3,B:2,C:1の割合)
4) 反省・感想    10% 3段階評価(A:3,B:2,C:1の割合)
【減点】測定忘れ2点,サンダル履き3点,遅刻(10分以内)最大3点減点,欠席8点(会社説明会等で事前に届けた場合のみ)を減点する。また,指示に従わない場合は相応減点する。
提出期限を1日(休日を除く)遅れる毎に各レポート満点の2%減点 ただし,最終期限有。
レポート(1) は40%,レポート(2)~(5) は各15%の割合で評価する。レポートは手渡しで提出すること。未完成のレポートは受理できない。他人(先輩も含む)のものを写した場合,写させた者も含め,原則として不合格となる。全実験テーマの遂行,および全レポートの提出を合格の要件とする。 特別な理由(忌引き,出席停止等)で欠席の場合は,実験の再実施を行う。
60点以上(100点満点)を合格とする。
注意点:
土は直ぐ近くの場所でも工学的性質が異なるため,土質試験は実社会でもしばしば行われます。また,土質試験はJIS規格,地盤工学会規格等で詳細に決められており,実社会でも同じ実験器具・装置を使用します。結果の整理を行うデータシートも規格で定められています。
高専卒業生は,大学卒業生に比べ実験に時間を多くかけており,実践的であると実社会から高く評価されています。実験の目的および方法について理解するためには,まず予習が必要です。データシート記入法も含め,実験方法を体得しましょう。
データ整理は実験が終了後,すぐにしてもらいます。電卓持参のこと。レポートは採点後,確認のため一旦返却しますが,保管資料とするため再度提出してもらいます。試験,課題レポート等の実施予定(授業の進行状況などによって変わる可能性があります)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,試料土調整
2週 土の粒度試験(1) 沈降分析 【実験単位】2名 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
3週 土の粒度試験(2) ふるい分析 【実験単位】2名 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
4週 土の液性限界試験 【実験単位】1名 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
5週 土の塑性限界試験,土粒子の密度試験【実験単位】1名 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
6週 データ整理およびレポート作成(1) 土の物理的性質,分類 (2)実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。
7週 土の一軸圧縮試験 【実験単位】5名 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
8週 データ整理およびレポート作成(2) 土の一軸圧縮試験 (2)実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。
4thQ
9週 土の透水試験 【実験単位】5名 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
10週 データ整理およびレポート作成(3) 土の透水試験 (2)実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。
11週 土の圧密試験 【実験単位】2~3名 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
12週 データ整理およびレポート作成(4) 土の圧密試験 (2)実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。
13週 突固めによる土の締固め試験  【実験単位】2~3名 (1)土質実験の目的および方法について体得し,理解できる。
14週 データ整理およびレポート作成(5) 突固めによる土の締固め試験 (2)実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。
15週 レポート作成・ビデオ鑑賞 (2)実験結果の整理方法,データシートの記入方法を理解し,レポートを作成できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。3
土の粒径・粒度分布やコンシステンシーを理解し、地盤材料の工学的分類に適用できる。3
土の締固め特性を説明できる。3
ダルシーの法則を説明できる。3
透水係数と透水試験について、説明できる。3
土のせん断試験を説明できる。3
土のせん断特性を説明できる。3
土の破壊規準を説明できる。3
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。3
圧密沈下の計算を説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4後12
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4後4,後5
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4後2,後3
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4後9
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4後13
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4後7

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力00
専門的能力100100
分野横断的能力00