法と倫理

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 法と倫理
科目番号 0015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専門共通 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 テキスト:担当教員が作成したものを配布
担当教員 朝田 良作,細田 直樹,山根 清美

到達目標

【法学】
(1) 私たちと法の関りと法の重要性を理解でき、他の者に説明ができる。
(2) 新聞等マスコミで取り上げられている法律問題の基礎的な内容が理解できる。
(3) 基礎的な法律問題について他の者と議論でき、基礎的な対応ができる。

【倫理】
(1) 技術者倫理の重要性を理解し、自分の言葉で説明できる。
(2) 技術者の責務を理解し、他者に説明できる。
(3) 倫理問題に遭遇した際、自らが取るべき対応方法を考えることができる。
(4) 技術者のキャリア開発について自分事として考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
法学:評価項目1私たちと法の関りと法の重要性を理解でき、他の者に説明ができる。 私たちと法の関りと法の重要性を理解できる。 私たちと法の関りと法の重要性を理解できず、他の者に説明ができない。
法学:評価項目2マスコミで取り上げられている法律問題の内容が理解できる。 マスコミで取り上げられている法律問題の基礎的な内容が理解できる。 マスコミで取り上げられている法律問題の基礎的な内容が理解できない。
法学:評価項目3基本的な法律問題であれば、他の者と議論ができ、基礎的な対応ができる。 基本的な法律問題であれば、他の者と基礎的な議論ができる。 基本的な法律問題であっても、他の者と基礎的な議論がでず、また基礎的な対応もできない。
倫理:評価項目1基本的な技術者倫理について理解し、事例を用いた文章で説明できる。基本的な技術者倫理について理解し、文章で説明できる。基本的な技術者倫理について理解できず、文章で説明できない。
倫理:評価項目2技術者の責務を理解し、自分の言葉の文章で説明できる。 技術者の責務を理解し、文章で説明できる。 技術者倫理の概要を理解できず、文章で説明できない。
倫理:評価項目3技術者が遭遇する可能性のある倫理問題について深く考察、検討できる。 技術者が遭遇する可能性のある倫理問題について考察、検討できる。 技術者が遭遇する可能性のある倫理問題について考察、検討できない。
倫理:評価項目4技術者のキャリア開発について主体的に考え、具体的な文章で説明できる。 技術者のキャリア開発について主体的に考え、文章で説明できる。 技術者のキャリア開発について文章で説明できない。

学科の到達目標項目との関係

全学科共通 G5 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【 法学 】
 コンビニで缶コーヒーを買うのも売買契約という法的な制度ですが、私たちは学生であっても社会人であっても法(法律)に取り囲まれて暮らしています。そのような法(法律)は私たちの暮らしにおいてどのように関わっているのでしょうか、また、どのような仕組みになっているのでしょうか。それらのことについて知っているのと知らないのでは、私たちにとって有利(得)にもなったり、不利(損)にもなったりします。私たちの利益や権利を自ら守り、しあわせに暮らしていけるようになるための基礎的な法知識を、具体的なケールを取り上げながら学んでいきます。

【 倫理 】
 科学技術は、「諸刃の剣」に例えられるように凶器となり得る一面を持っている。技術者はこのことを十分理解しておかなければならない。技術者が携わる業務では、ジレンマや葛藤を感じる場面に遭遇することもある。そのようなとき、頭で倫理を分かっていても使えなければ「0点」である。本講義では、講師の体験に基づいて技術者が携わる業務や課題などを解説すると共に、歴史的に重要な技術者倫理問題の事例などを題材に演習を行いながら、技術者が遭遇する可能性のある倫理問題について考察し、当事者意識で対処方法を考える力を涵養する。また、技術者のキャリア開発と技術者倫理との関係性についても学ぶ。


授業の進め方・方法:

1.配点
【法学】50点,【倫理】50点の配点とし,合計60点以上を合格とする。
 出席要件は全体の2/3以上の出席とする。

2.【法学】の評価法
 到達目標(1)~(3)の達成度は小テスト30点満点と平常点20点満点の合計50点で評価します。平常点評価については、毎回「学習チェック票」を提出していただき、その記載内容を評価して点数化します。なお、授業は、配付レジュメなどに基づき具体的なケースを取り上げ議論しながら進めますので、授業中の発言内容等も平常点評価に加味し採点します。

3.【倫理】の評価法
 到達目標 (1)~(4) の達成度は、最終回(第16週)のテストの50点満点にて評価する。ただし、出席点(出欠レポート)、および以下3-3項に示す平常点などを含めて総合的に評価する。

3-1.出欠レポート(毎回):出欠レポートは、講義終了後に本人が提出しなければならない。なお、筆跡や内容が同じと見なされるレポ―トが確認された場合は、双方に確認の上、不正と見なされた場合には、厳正に対処する。
3-2.テスト(最終回)
3-3.平常点
3-3ー1.加点基準:授業中の発言内容や行動などが特に優れていると講師が判断した学生には加点する。
3-3ー2.減点基準:以下「注意点2項【倫理】担当より」記載の不適切な行為を行った学生には減点する。

注意点:
1.【法学】担当より
 講義中のおしゃべり、飲食は禁止する。

2.【倫理】担当より
 講義中のおしゃべり、飲食、授業と無関係なスマホなど通信機器の操作(例えば、ラインやゲーム等)は厳禁とする。なお、発見した場合は、その場で注意し、減点とする。
その他、講義の録画、録音、写真撮影等は厳禁とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 私たちの暮らしと法の世界
私たちと法(法律)との関わりを考え、法(法律)の重要性を理解します。
2週 法(法律)の親分
日本国憲法は法(法律)の親分ですが、なぜ親分なのか学びます。
3週 法(法律)に違反した場合の法的責任
法的な責任とは、一体、どのような責任なのか学びます。
4週 契約とは何か
私たちの社会・経済活動にとって重要な契約について学びます。
5週 家族と法の関り
法(法律)がどのように家族に関わるのでしょうか、これらの問題を学びます。
6週 私たちの暮らしと犯罪
どのような行為が犯罪になるのかについて考えます。
7週 労働と法
人間の重要な営みである労働と法(法律)の関係と役割をについて考えます。
8週 小テスト

2ndQ
9週 製造企業のしくみと課題
企業を取り巻く環境の変化と製造企業の課題、活動の概要を解説し、そこで働く技術者が直面している課題について考える。
10週 技術者倫理とは
技術者倫理とは何か等について解説し、技術者が関係した歴史上重要な倫理問題について考える。
11週 技術者倫理ケーススタディ(演習)
仮想事例について、どのように対処すべきかを、個人・グループで考える。
12週 技術者倫理ケーススタディ(発表前半)
第11週について、グループ毎に発表し、議論することで、技術者倫理問題に対する対処方法について考える力を涵養する。
13週 技術者倫理ケーススタディ(発表後半)
第11週について、グループ毎に発表し、議論することで、技術者倫理問題に対する対処方法について考える力を涵養する。
14週 技術者の良い仕事ケーススタディ
「良い仕事」の5つのパラメーター(佐藤国仁氏)を解説し、「良い仕事」の側面から技術者倫理を考える。
15週 技術者倫理の実践に必要な素養と能力
技術者が身につけるべき知識や能力、技術者倫理を実践するために必要な素養などについて考える。
16週 テスト・【倫理】のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3

評価割合

小テスト・課題等レポートなど合計
総合評価割合1000100
基礎的能力(法)000
専門的能力(法)50050
分野横断的能力(法)000
基礎的能力(倫理)50050
専門的能力(倫理)000
分野横断的能力(倫理)000