法と倫理

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 法と倫理
科目番号 0030 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専門共通 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 齊藤,坂下,はじめての工学倫理 第3版, 昭和堂
担当教員 山根 清美,久間 英樹,田邊 喜一,河原 荘一郎,居石 正和

到達目標

【法学】
(1) 法の世界を理解する。
(2) 近代社会と立憲主義との関わりを理解する。
(3) 権利義務関係で社会を捉えられるようになる。
【倫理】
(1) 技術者とは何かを理解し、文章で説明できる。
(2) 技術者倫理の概要を理解し、文章で説明できる。
(3) ネットワーク上における倫理について理解できる
(4) 技術者として遭遇する可能性のある問題点について考察、検討できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
法学:評価項目1法の世界が正しく理解できる法の世界が理解できる法の世界が理解できない
法学:評価項目2近代社会と立憲主義との関わりが正しく理解できる近代社会と立憲主義との関わりが理解できる近代社会と立憲主義との関わりが理解できない
法学:評価項目3権利義務関係で社会を正確に捉えられるようになる権利義務関係で社会を捉えられるようになる権利義務関係で社会を捉えられない
倫理:評価項目1 技術者とは何かを正確に理解し、文章で説明できる技術者とは何かを理解し、文章で説明できる技術者とは何かを理解し、文章で説明できない
倫理:評価項目2技術者倫理の概要を正確に理解し、文章で説明できる技術者倫理の概要を理解し、文章で説明できる技術者倫理の概要を理解し、文章で説明できない
倫理:評価項目3ネットワーク上における倫理について正確に理解できるネットワーク上における倫理について理解できるネットワーク上における倫理について理解できない
倫理:評価項目4技術者として遭遇する可能性のある問題点について深く考察、検討できる技術者として遭遇する可能性のある問題点について考察、検討できる技術者として遭遇する可能性のある問題点について考察、検討できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【 法学 】
紛争解決手段として、また、紛争予防手段として、法は人々の生活に必要なものです。法とは何であるのか。法はどのように発展してきたのか。現代の法はどのような仕組みであるのか。これらのことを皆さんと一緒に考えていこうと思います。
【 倫理 】
工業製品、交通システム、建造物など、エンジニアリングプロダクトの不完全な設計、製造が大きな惨事を引き起こすことがある。そして不完全な製造物は、“技術的”な欠陥からではなく“倫理的”な原因からもたらされることも少なくない。技術者倫理では、単にものを作るだけでなく、技術者としてのモラル、企業と経済性とのジレンマなどについて考えながら仕事をしなければならないこと、技術者として会社や社会との関わりを意識しながら仕事をしなければならないことを学ぶ。おそらく講義の途中(半期)の間にも、技術者あるいは企業倫理に関する事例が発生すると思われる。その場合にはカレントトピックとして事例研究に加える。本科目の履修によって,エンジニアとして働くためには倫理問題を避けて通れないことを認識する。
授業の進め方・方法:
1.配点
【法学】50点,【倫理】50点の配点とし,合計60点以上を合格とする。
2.【法学】の評価法
到達目標(1)~(3)の達成度は小テスト50点満点で評価する。
3.【倫理】の評価法
到達目標 (1)~(4)) の達成度は 講義中に課すレポート(基本的に毎回)50点満点で評価する。評価点は各レポートの平均点とする。開講学期に他科目において不正行為を行ったもの、重大なる校則違反を行ったものは、科目の性格上、評価点を0点とする。
注意点:
1.【法学】担当より
講義中のおしゃべり、飲食は禁止する。

2.【倫理】担当より
技術者としてお金を稼ぐためには、日本語の記述能力は大変重要である。企画書、提案書など新たな仕事を始めるためにも、宣伝、広報など売り上げのためにも、製造マニュアル、修理マニュアルなどのドキュメンテーションを作るためにも、明確に論理的に文書を記述しなければならない。そのために毎回のレポートを課す。自らの考えを他者に伝えられるようになることが必要である。レポートでは、問題の捉え方、問題に対する自らの考え方、第3者など他者の視点、などの技術者倫理に必要とされる論点からの論述できているかどうかを判定する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 近代憲法の成立
近代国家の成立と憲法との関わりを考えます。
2週 基本的人権について
自由権を中心にして、基本的人権の内容について考えます。
3週 平等について
法の下の平等について考えます。
4週 契約とは何か
社会・経済活動の基本となる契約について考えます。
5週 家族とは何か
法の世界から、家族について考えます。
6週 私たちの暮らしと犯罪
どのような行為が犯罪になるのかについて考えます。
7週 労働と法  
私たちの働き方について定めている法律について考えます。
8週 小テスト
2ndQ
9週 技術者倫理とは                 技術者倫理とは何かを学ぶ.
10週 倫理規定                   
倫理規定に関する事例と概要
11週 組織とエンジニア/企業の社会的責任       
社会,企業組織におけるエンジニアのあり方,企業の社会的責任の事例と概要
12週 安全性と設計                  
安全性をどのように配慮して設計に結びつけるのか事例と概要
13週 製造物責任                  
製造物責任に関する事例と概要
14週 内部告発(1)                   
内部告発とは何か.事例と概要
15週 内部告発(2)
事例研究
16週 知的財産と守秘義務               
知的財産と守秘義務に関する事例と概要

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3

評価割合

小テスト(法学)レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000