法と倫理

科目基礎情報

学校 松江工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 法と倫理
科目番号 0047 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専門共通 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 齊藤,坂下,はじめての工学倫理 第3版, 昭和堂
担当教員 山根 清美,久間 英樹,田邊 喜一,河原 荘一郎,朝田 良作

到達目標

【法学】
(1) 私たちと法の関りと法の重要性を理解でき、他の者に説明ができる。
(2) 新聞等マスコミで取り上げられている法律問題の基礎的な内容が理解できる。
(3) 基礎的な法律問題について他の者と議論でき、基礎的な対応ができる。

【倫理】
(1) 技術者とは何かを理解し、文章で説明できる。
(2) 技術者倫理の概要を理解し、文章で説明できる。
(3) ネットワーク上における倫理について理解できる
(4) 技術者として遭遇する可能性のある問題点について考察、検討できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
法学:評価項目1私たちと法の関りと法の重要性を理解でき、他の者に説明ができる。私たちと法の関りと法の重要性を理解できる。私たちと法の関りと法の重要性を理解できず、他の者に説明ができない。
法学:評価項目2マスコミで取り上げられている法律問題の内容が理解できる。マスコミで取り上げられている法律問題の基礎的な内容が理解できる。マスコミで取り上げられている法律問題の基礎的な内容が理解できない。
法学:評価項目3基本的な法律問題であれば、他の者と議論ができ、基礎的な対応ができる。基本的な法律問題であれば、他の者と基礎的な議論ができる。基本的な法律問題であっても、他の者と基礎的な議論がでず、また基礎的な対応もできない。
倫理:評価項目1 技術者とは何かを正確に理解し、文章で説明できる技術者とは何かを理解し、文章で説明できる技術者とは何かを理解し、文章で説明できない
倫理:評価項目2技術者倫理の概要を正確に理解し、文章で説明できる技術者倫理の概要を理解し、文章で説明できる技術者倫理の概要を理解し、文章で説明できない
倫理:評価項目3ネットワーク上における倫理について正確に理解できるネットワーク上における倫理について理解できるネットワーク上における倫理について理解できない
倫理:評価項目4技術者として遭遇する可能性のある問題点について深く考察、検討できる技術者として遭遇する可能性のある問題点について考察、検討できる技術者として遭遇する可能性のある問題点について考察、検討できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【 法学 】
 コンビニで缶コーヒーを買うのも売買契約という法的な制度ですが、私たちは学生であっても社会人であっても法(法律)に取り囲まれて暮らしています。そのような法(法律)は私たちの暮らしにおいてどのように関わっているのでしょうか、また、どのような仕組みになっているのでしょうか。それらのことについて知っているのと知らないのでは、私たちにとって有利(得)にもなったり、不利(損)にもなったりします。私たちの利益や権利を自ら守り、しあわせに暮らしていけるようになるための基礎的な法知識を、具体的なケールを取り上げながら学んでいきます。

【 倫理 】
 本講義では、歴史的に重要な事例と担当教員が企業等で経験した事例に基づいて、技術者倫理を学ぶ。学習すべき内容は、技術者が倫理的である必要性、技術者の判断(製品)が社会に与える影響の大きさ、倫理的に判断する方法等である。
企業は利益を得ないと存続できない。競争相手に勝つ必要もあるだろう。その様な企業の目的と「悪い事をしない」という倫理性は、時に相反する。企業と社会の利益が一致しない場合にどう振る舞うのか。企業で働く場合、具体的にどんな倫理問題に直面し、自分の倫理性(道徳性)をどう守るのか。担当教員の経験を紹介しながら「より良い選択のための方法」を考える。
授業の進め方・方法:
1.配点
【法学】50点,【倫理】50点の配点とし,合計60点以上を合格とする。

2.【法学】の評価法
 到達目標(1)~(3)の達成度は小テスト30点満点と平常点20点満点の合計50点で評価します。平常点評価については、毎回「学習チェック票」を提出していただき、その記載内容を評価して点数化します。なお、授業は、配付レジュメなどに基づき具体的なケースを取り上げ議論しながら進めますので、授業中の発言内容等も平常点評価に加味し採点します。

3.【倫理】の評価法
 到達目標 (1)~(4)) の達成度は 講義中に課すレポート(基本的に毎回)および発表を50点満点で評価する。評価点は担当者の平均点とする。
 開講学期に他科目において不正行為を行ったもの、重大なる校則違反を行ったものは、科目の性格上、評価点を0点とする場合がある。
 出席要件は全体の2/3以上の出席とする。なお、講義を欠席した場合とレポート未提出の場合は、その回の評価は0点とする。
注意点:
1.【法学】担当より
講義中のおしゃべり、飲食は禁止する。

2.【倫理】担当より
 技術者としてお金を稼ぐためには、日本語の記述能力は大変重要である。企画書、提案書など新たな仕事を始めるためにも、宣伝、広報など売り上げのためにも、製造マニュアル、修理マニュアルなどのドキュメンテーションを作るためにも、明確に論理的に文書を記述しなければならない。
 そのために毎回のレポートを課す。自らの考えを他者に伝えられるようになることが必要である。レポートでは、問題の捉え方、問題に対する自らの考え方、第3者など他者の視点、などの技術者倫理に必要とされる論点からの論述できているかどうかを判定する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 私たちの暮らしと法の世界
私たちと法(法律)との関わりを考え、法(法律)の重要性を理解します。
2週 法(法律)の親分
日本国憲法は法(法律)の親分ですが、なぜ親分なのか学びます。
3週 法(法律)に違反した場合の法的責任
法的な責任とは、一体、どのような責任なのか学びます。
4週 契約とは何か
私たちの社会・経済活動にとって重要な契約について学びます。
5週 家族と法の関り 法(法律)がどのように家族に関わるのでしょうか、これらの問題を学びます。
6週 私たちの暮らしと犯罪
どのような行為が犯罪になるのかについて考えます。
7週 労働と法  
人間の重要な営みである労働と法(法律)の関係と役割をについて考えます。
8週 小テスト
2ndQ
9週 技術者倫理とは
技術者倫理とは何かを学ぶ.
10週 倫理規定                   
倫理規定に関する事例と概要
11週 組織とエンジニア/企業の社会的責任       
社会,企業組織におけるエンジニアのあり方,企業の社会的責任の事例と概要
社会における技術者の役割と責任を説明できる。
12週 安全性と製造物責任
安全の高い設計および製造物責任に関する事例と概要
13週 志向倫理とキャリア教育
予防倫理と志向倫理、思考倫理の概要
14週 内部告発(1)                   
内部告発とは何か.事例と概要
15週 内部告発(2)
事例研究
16週 知的財産と守秘義務               
知的財産と守秘義務に関する事例と概要
的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3前11
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。4

評価割合

小テスト・課題等(法学)レポートなど合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000