日本語Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 日本語Ⅰ
科目番号 0011 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 『みんなの日本語 初級Ⅱ』(第2版)、スリーエーネットワーク
担当教員 杉山 明,渡邊 朝美

到達目標

【学習目的】
 日本語の基本的文法の学習を通して、留学生が日本語を用いて周囲の人々とコミュニケーションがとれるようになり、本校における学生生活を実りあるものとできるよう、日本語能力を育成する。

【目標】
1.初級レベルの日本語の基礎的知識を身につける。
2.日本語で簡単な情報を集め、自分の考えを表現できるようになる。
3.日本語を用いて周囲の人々とコミュニケーションがとれるようになる。
4.日常で用いられる漢字の読み書きができるようになる。
5.日本語能力試験(JLPT)N3に合格する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1日本語能力試験3級程度の文章を読み、理解することができる。日本語能力試験4級程度の文章を読み、理解することができる。日本語能力試験4級程度の文章を理解することができない。
評価項目2日本語能力試験3級程度の文法を用いて、自分の考えを表現することができる。日本語能力試験4級程度の文法を用いて、自分の考えを表現することができる。日本語能力試験4級程度の文法を用いて、自分の考えを表現することができない。
評価項目3日本語を用いて周囲の人々と積極的にコミュニケーションを図ろうとすることができる。日本語を用いて周囲の人々とコミュニケーションを図ろうとすることができる。日本語を用いて周囲の人々とコミュニケーションを図ろうとしない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 1年次の留学生を対象とした日本語の授業である。
 日本で生活するのに困らない日本語コミュニケーション能力を養うために必要な基本的文法事項を学習する。
 授業や生活中で学んだ日本語を用いて、自分の考えや身の回りのことを表現できるようになることが目標のひとつである。また、日本語の学習を通して、日本の文化や習慣を理解することも学習のねらいである。
授業の進め方・方法:
 教科書にそって授業を進めていくが、その他の副教材(問題集や新聞・インターネットの記事)を適宜用いて、受講生の知識と運用能力の定着を図る。知識がある程度身についてきた後は、プレゼンテーションの練習など、アウトプットの時間も設け、受講生の日本語能力の総合的な成長を促すことに努める。
 受講生が日本語や日本文化に興味を持てるような教学、情報提供に努めていくが、受講生自身にも日々日本語や日本文化に興味を持ち、授業に臨んでもらいたい。
注意点:
 受講生の状況によって、テキストや授業内容を変更する可能性がある。
 前期・後期の試験結果(80%)、課題(10%)、出席状況(10%)で総合評価を確定する。
 60点以上を合格とし、必要に応じて再試験を実施する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第26課 ごみはどこに出したらいいですか
・~んです/~んですか
・(動詞て形)+いただけませんか
・(疑問詞)+(+助詞)たらいいですか
・相手の状況について説明を求めたり、自分の状況やその理由を説明したりすることができる。
・理由や事情を説明して、丁寧な依頼ができる。
・理由や事情を説明して、助言や指示を求めることができる。
2週 第27課 何でも作れるんですね
・「可能動詞」を覚える
・対比を表す「は」
・できること、できないことが言える。
・見える、聞こえるなどの状態が言える。
3週 第28課 出張も多いし、試験もあるし…
・(動詞①ます形)+ながら+(動詞②)
・(動詞て形)+います
・(普通形)+し、(普通形)
・(普通形)+とき
・同時に行われる継続的な動作が言える。
・日常の習慣的な行為が言える。
・複数の理由を並べて述べることができる。
4週 第29課 忘れ物をしてしまったんです
・(動詞て形)+います
・(動詞て形)+しまいました
・事実の状態が描写できる。
・行為を完了する、あるいは完了したことが述べられる。
・不都合な事態について残念、遺憾に思う気持ちが表現できる。
5週 第30課 非常袋を準備しておかないと
・(動詞て形)+あります
・(動詞て形)+おきます
・まだ+(動詞て形)+います
・事物の状態について述べることができる。
・準備など、将来のために前もってしておくことが述べられる。
6週 第31課 料理を習おうと思っています
・「意向形」を覚える
・(動詞意向形)+と思っています
・(動詞辞書形)+つもりです
・(動詞辞書形/名詞+の)+予定です
・まだ+(動詞て形)+いません
・自分の意思や計画していることが述べられる。
・予定が説明できる。
7週 第32課 無理をしないほうがいいですよ
・(動詞た形/動詞ない形)+ほうがいいです
・(普通形)+でしょう
・(普通形)+かもしれません
・忠告や助言ができる。
・推量したことを確実さの程度によって言い表わせる。
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 中間試験の返却とフィードバック
第33課 これはどういう意味ですか
・「命令形」、「禁止形」を覚える
・(普通形)+と書いてあります
・XはYという意味です
・(普通形)+と言っていました
・(普通形)+と伝えていただけませんか
・指示、命令を理解することができる。
・伝言したり、人の発言を伝えたりすることができる。
10週 第34課 わたしがしたとおりにしてください
・(動詞た形/名詞+の)+とおりに、(動詞)
・(動詞た形/名詞+の)+あとで、(動詞)
・(動詞て形/動詞ない形+で)、(動詞)
・動作や作業を行うときの基準や規範を示すことができる。
・二つの動作の前後関係を言い表せる。
・ある動作をどのような状態で行なうかを説明することができる。
11週 第35課 どこかいい所、ありませんか
・「条件形」を覚える
・条件の表現「~と、-」と条件形の違い
・(名詞)なら
・ある事柄が実現するために必要な仮定条件を述べることができる。
・ある条件下での判断を述べたり、助言や指示を求めたりすることができる。
12週 第36課 毎日運動するようにしています
・(句①)+ように、(句②)
・(動詞辞書形/動詞ない形)+ようになりました
・(動詞辞書形/動詞ない形)+ようにします
・到達目標や努力目標を述べることができる。
・人の能力及び物事の状況の変化を述べることができる。
13週 第37課 金閣寺は14世紀に建てられました
・「受身」を覚える
・(名詞①)は(名詞②)に+(動詞受身形)
・(名詞①)は(名詞②)に+(名詞③)を+(動詞受身形)
・(名詞)は+(動詞受身形)
・人から受けた行為や迷惑に感じた体験を受身表現を使い、話者の視点から話せる。
・物事の状況や事実を受身表現を使って説明できる。
14週 第38課 片づけるのが好きなんです
・(動詞辞書形)+のは+(形容詞)
・(動詞辞書形)+のを忘れました
・(普通形)を知っています
・ある行為について感想、評価、好き嫌い、上手下手などが述べられる。
・するべきことをし忘れたということが言える。
・情報を知っているかどうか確かめられる。
・伝えたいことを強調して伝えられる。
15週 (前期期末試験)
16週 期末試験の返却とフィードバック 自分がこれまでの学びをきちんと理解できているか確認し、理解ができていないところは、きちんと自分のものにする。
後期
3rdQ
1週 第39課 遅れて、すみません
・~(く)て、-
・(名詞)で~
・(普通形)+ので、~
・ある事柄が原因で、その結果としてある感情や事態が生じたことを説明できる。
・丁寧に理由を述べたり、弁解したり、事情を説明したりすることができる。
2週 第40課 友達ができたかどうか、心配です
・(普通形)+か、~【前節に疑問詞を含む】
・(普通形)+かどうか、~【前節に疑問詞を含まない】
・(動詞て形)+みます
・疑問文を文の一部に組み込んで、疑問に思っていることについて感想、判断またはそれに基づく行動が表明できる。
・やってみようと思うことが言える。
3週 第41課 ご結婚おめでとうございます
・「授受表現」を理解する
・(名詞)+を いただきます/くださいます/やります
・(動詞て形)+いただきます/くださいます/やります
・上下や親疎の関係をわきまえた授受表現を使うことができる。
・丁寧な依頼ができる。
4週 第42課 ボーナスは何に使いますか
・(動詞辞書形/名詞+の)+ために
・(動詞辞書形+の/名詞)+に
・(名詞)+によって、~
・行為の目的や目的を達成するためにすることを表明できる。
・物の用途、評価が述べられる。
・何かをするのに必要な時間、経費が言える。
5週 第43課 毎日楽しそうです
・(動詞ます形/い形容詞/な形容詞)+そうです
・(動詞て形)+来ます
・(動詞て形)+来てくれませんか
・物事の外観から、その変化の見通しや状態・性質を推察して表現できる。
・目的の行為を終えて、元の場所に戻ることが伝えられる。
6週 第44課 この写真みたいにしてください
・(動詞ます形/い形容詞/な形容詞)+すぎます
・(動詞ます形)+やすいです/にくいです
・(い形容詞~く/な形容詞・名詞~に)+します
・動作や程度が度を越し、好ましくない状態になったことが言える。
・物を使用する際の難易度を示すことによって、その場の評価が表せる。
・自分の選択、決定を伝えることができる。
7週 第45課 コースをまちがえた場合は、どうしたらいいですか
・(動詞た形/動詞ない形/い形容詞~い/な形容詞~な/名詞+の)+場合は
・(動詞普通形/い形容詞~い/な形容詞・名詞~な)+のに
・ある事態を想定し、その対処のし方を述べることができる。
・期待はずれの結果に対する話し手の意外感や不満の気持ちを表すことができる。
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 中間試験の返却とフィードバック 自分がこれまでの学びをきちんと理解できているか確認し、理解ができていないところは、きちんと自分のものにする。
10週 第46課 先週直してもらったばかりなのに、また…
・(動詞辞書形/動詞て形+いる/動詞た形)+ところです
・(動詞た形)+ばかりです
・(動詞普通形/い形容詞~い/な形容詞~な/名詞+の)+はずです
・動作の段階を述べることによって、事態や状況を説明することができる。
・動作が終了してからあまり時間が経っていないという気持ちを表すことができる。
・話し手が確信していることが述べられる。
11週 第47課 婚約したそうです
・(動詞・い形容詞普通形/な形容詞・名詞+だ)+そうです
・(動詞・い形容詞普通形/な形容詞~な/名詞+の)+ようです
・他から得た情報をそのまま伝えることができる。
・自分の五感でとらえたその場の状況から判断されることが述べられる。
12週 第48課 休ませていただけませんか
・「使役動詞」を覚える
・「使役表現」を理解する
・(使役動詞て形)+いただけませんか
・他者(下位の者)への行為の強制や許可・容認を表すことができる。
・丁寧に許可を求めることができる。
13週 第49課 よろしくお伝えください
・「敬語」について理解する
・「尊敬語」を覚える
・上下、親疎の人間関係に基づく尊敬語の表現を理解し、適切に使うことができる。
14週 第50課 心から感謝いたします
・「敬語」について理解する
・「謙譲語」を覚える
・上下、親疎の人間関係に基づく敬語全体の体系を理解し、謙譲語を適切に使うことができる。
15週 (後期期末試験)
16週 期末試験の返却とフィードバック 自分がこれまでの学びをきちんと理解できているか確認し、理解ができていないところは、きちんと自分のものにする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000