物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0018 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 三浦他「物理基礎」東京書籍/岡山県高等学校理科協議会物理分科会編「物理学習実験書(上・下)」/「レッツトライノート 物理基礎シリーズ 数学編,力学編」東京書籍
担当教員 寺元 貴幸,久保 敏弘,中村 重之

到達目標

学習目的:
物体にはたらく力と運動の関係を学ぶ。物理学は自然科学や工学における最も基礎的な分野である。したがって,その内容を十分に理解しておくことが専門の授業のみならず,卒業後,技術者として創造的な仕事をするために重要である。

到達目標
1. 自然現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方に慣れる。
2. 物理学が工学を学ぶ上で必要不可欠の知識であることを認識する。
3. 物体の運動に関する基礎的な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目12次元の放物運動を解析できる標準的な加速度運動を解析できる類型的な加速度運動を解析できる類型的な加速度運動を解析できない
評価項目2比較的複雑な力学系でモデルを構築し運動方程式を立式して解析できる物体に加わる力が一定の標準的な力学系でモデルを構築し運動方程式を立式して解析できる物体に加わる力が一定の類型的な力学系でモデルを構築できる物体に加わる力が一定の類型的な力学系でモデルを構築できない
評価項目3力学的エネルギーについて詳細に説明でき,解析ができる力学的エネルギーを説明でき,解析できる力学的エネルギーを解析できる力学的エネルギーを解析できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般

学習の分野:物体の運動はどのように表されるかを学習する。速度や加速度の概念やニュートンの運動方程式について学び,自然界の様々な現象の法則性を見いだす。

基礎となる学問分野:数物系科学/物理/物理一般

学習・教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習・教育目標「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」である。
授業の進め方・方法:
授業の方法:
教師は学習進度のペースメーカとして,毎授業時に事前の学習範囲を指示する。また,LMS上に事前学習資料を提示する。問題集も含め自学自習を進めること。授業では個人学習した内容を深めるため,演示実験,演習,ディベートを中心に協同学習を行う。授業では教科書の説明や物理概念の説明は行わない。授業毎に各自の学習進捗をポートフォリオに記録し,学習成果を可視化する。学習の自己管理能力の育成に重点を置いた授業を行う。週1回2時間の講義である。半期ごとに3回程度の物理実験を行う。
遅刻は授業開始後20分まで,以後は欠席扱いとする。3回の遅刻は1時間の欠席として扱うので注意すること。成績評価には関わらない。

成績評価方法:
課題(実験レポート,ワークノート,課題プリントなど)提出物40%,定期試験60%,として各期成績を算出し,学年末成績を4期成績の単純平均とする.原則として再試験は行わない.
注意点:
履修上の注意:本科目は必履修科目のため1学年の課程修了には履修が必須である。

履修のアドバイス:中学校までの数学をしっかり復習しておくこと。授業では学習の仕方を学ぶ。知識は各自で自学自習すること。基礎概念の理解と応用に主眼をおいて学習して欲しい。数式計算,2次方程式,三角関数など基礎数学をしっかり身に付けることを意識的に行うことが物理を学ぶために重要である。授業に積極的に参加し,協同学習の中で個人学習による理解の不足を学生間で補うこと。演習や課題は自分の手で問題を解き,悩むことが理解への早道である。安易な学習は結局身に付かず時間と労力の浪費と認識せよ。学習ハードルの高い科目であるが,努力した分見返りの大きい科目でもある。

基礎科目:中学校までの数学,基礎数学(1年),基礎数学演習(1)

関連科目:物理Ⅱ(2年),力学Ⅰ(3),力学Ⅱ(3)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス/物理に必要な基礎知識 学習方法の理解
2週 有効数字/単位の変換/数式計算/グラフ 有効数字の理解
グラフの描き方の理解
3週 運動の実験 同上の実践
4週 速度,加速度 運動の表し方の理解
5週 速度,加速度 同上
6週 平面運動/ベクトル/三角関数/落体の運動 2次元の運動の表し方の理解
7週 等加速度運動の実験 v-tグラフから加速度を求める
8週 前期中間到達度確認試験 60点以上のスコア
2ndQ
9週 前期中間到達度確認試験の解説と返却/力 試験内容の見直しと理解
力の定義
10週 力のつり合い つり合いと作用反作用の区別
11週 力の具体的な例 重力,垂直抗力の理解
12週 弾性力 弾性力の理解
13週 静止摩擦・動摩擦 抗力と摩擦力の理解
14週 斜面上の物体にはたらく力 斜面上の物体にはたらく力の理解
15週 摩擦力の実験 最大摩擦力と垂直抗力の関係の理解
16週 前期末到達度確認試験 60点以上のスコア
後期
3rdQ
1週 前期末到達度確認試験の解説と返却/後期ガイダンス/運動の法則 試験内容の見直しと理解
慣性の法則の理解
2週 運動の法則 慣性の法則の理解
3週 運動の法則 運動の法則の理解
4週 運動の法則の実験 作用反作用の理解
5週 運動の法則 運動の法則の理解
6週 運動方程式 運動方程式の理解と計算
7週 いろいろな運動(斜面,摩擦) 斜面上の物体の運動解析
8週 いろいろな運動(2物体) 複数物体の運動方程式の立式
4thQ
9週 後期中間到達度確認試験 60点以上のスコア
10週 後期中間到達度確認試験の解説と返却/仕事 試験内容の見直しと理解
仕事の定義の理解
11週 位置エネルギー 位置エネルギーの理解
12週 運動エネルギー 運動エネルギーの理解
13週 力学的エネルギー保存則 力学的エネルギーの理解と保存則の理解
14週 力学的エネルギー保存の実験 力学的エネルギー保存の理解
15週 後期末到達度確認試験 60点以上のスコア
16週 後期末到達度確認試験の解説と返却 試験内容の見直しと理解

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。1前4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。1前4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。1前5
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。1前6
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。1
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。1前5
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。1前7
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。1前7
物体に作用する力を図示することができる。1前10
力の合成と分解をすることができる。1前10
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。1前11
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。1前12
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。1前14
慣性の法則について説明できる。1後2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。1後2
運動方程式を用いた計算ができる。1後6
運動の法則について説明できる。1後6
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。1前15
最大摩擦力に関する計算ができる。1前15
動摩擦力に関する計算ができる。1前15
仕事と仕事率に関する計算ができる。1後10
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。1後12
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。1後11
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。1後11
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。1後13
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。1
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。1
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。1
安全を確保して、実験を行うことができる。1
実験報告書を決められた形式で作成できる。1後14
有効数字を考慮して、データを集計することができる。1後14
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。1後14

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力60000400100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000