一般生物学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 一般生物学
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:文部科学省検定済教科書「生物」(東京書籍) 図説:スクエア最新図説生物(第一学習社)
担当教員 前澤 孝信

到達目標

1. 生命の進化について理解している
2. 細胞における生体物質の機能について理解している
3. 生態と環境について理解している

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生命の進化と遺伝子変異について説明できる生命の進化について説明できる生命の進化について説明できない
評価項目2細胞内の生体物質の機能と細胞小器官の役割について説明できる細胞内の生体物質の機能について説明できる細胞内の生体物質の機能について説明できない
評価項目3生態と環境と多様性について説明できる生態と環境について説明できる生態と環境について説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:生物 

基礎となる学問分野:生物学/基礎生物学

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科の学習教育目標「(1) 教養豊かな実践的人間力の養成」,「(2) 確かな基礎科学の知識修得」および「(3) 基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」である。

授業の概要:20世紀後半の分子生物学の進歩によって, 遺伝子, 分子, 細胞レベルで生命現象を捉えられるように生物学が発展してきた。本講義では, 生物学を概説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:教科書に沿って, 図・表などの資料をプロジェクターにより投影, あるいは板書により解説しながら要点を解説する。適時, 授業内容に即したレポート課題を出し, 復習と自主学習を促す。

成績評価方法:4回の定期試験の得点をそれぞれ同等に評価(70%)し,各定期試験までの小テスト,レポートおよび授業態度をこれに加味(30%)して, その都度評価する。原則として,前期成績は中間成績との,学年成績は全結果の単純平均とする。試験には教科書•ノートの持ち込みを許可しない。
注意点:
履修上の注意:本科目は必履修科目のため2学年の課程修了には履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス:生物の知識について丸暗記するのではなく, 生命現象の仕組みを理解して身につけて欲しい。事前に行う準備学習として、前年度までの科目の復習を薦める。

基礎科目:生物Ⅰ(1年)

関連科目:化学Ⅰ(2年),化学Ⅱ(3), 理科実験(2), 一般生物学(2),
分子生物学(3), 応用生物学(4), 発生生物学(4), 生物学実験(4), 生化学(4), 細胞生物学(4), 生命情報学(5)

受講上のアドバイス:レポート課題は期限を厳守すること。遅刻は授業の時間の半分を経過した時点で欠席として扱う。講義やそれに関連したことで疑問があれば,積極的に質問し,理解を深めて欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,生命の起源 生命の起源を説明できる。
2週 進化の歴史 進化の歴史を説明できる。
3週 ヒトの進化 ヒトの進化を説明できる。
4週 適応進化 適応進化を説明できる。
5週 中立進化 中立進化を説明できる。
6週 種分化 種分化を説明できる。
7週 復習・まとめ
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説
10週 系統 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。
11週 生体物質と細胞 核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。タンパク質の高次構造について説明できる。
12週 生命現象を支えるタンパク質 細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。
13週 生命現象を支えるタンパク質 フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。
14週 復習・まとめ
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の返却と解答解説
後期
3rdQ
1週 免疫にかかわるタンパク質 免疫系による生体防御のしくみを説明できる。
2週 代謝とエネルギー 代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。
3週 呼吸 光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。
4週 光合成 光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。
5週 窒素同化 窒素同化を説明できる
6週 復習・まとめ
7週 (後期中間試験)
8週 後期中間試験の返却と解答解説
4thQ
9週 個体群と環境 個体群と環境を説明できる
10週 個体群と環境 個体群と環境を説明できる
11週 生物間相互作用 生物間相互作用を説明できる
12週 生態系のエネルギーの流れ 生態系のエネルギーの流れを説明できる
13週 生物多様性 生物多様性を説明できる
14週 復習・まとめ
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3前10
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。3前11
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。3前11
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3後2
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3後2
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。3後3,後4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。3前12
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。3前13
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。3前13
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4後1
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3前11
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3前11
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3前12
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3前11
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3前11
タンパク質の高次構造について説明できる。3前11
ヌクレオチドの構造を説明できる。3前11
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。3前11
DNAの半保存的複製を説明できる。3前11
RNAの種類と働きを列記できる。3前11
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。3前11
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3後2
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3後2
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。3後2
解糖系の概要を説明できる。3後3
クエン酸回路の概要を説明できる。3後3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。3後3
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。3後3
各種の光合成色素の働きを説明できる。3後4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。3後4
炭酸固定の過程を説明できる。3後4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4前10
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4前10
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4後3
食品加工と微生物の関係について説明できる。4後3

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000