到達目標
学習目的:20世紀前半の日本の政治・外交・経済・社会・の構造的な特色を,帝国化とナショナリズムの相関の中で整理することを通して,歴史的な思考を培うとともに,グローバル化の中にある現代国際社会を見る視点を身に着ける。
到達目標
1立憲と帝国の相関の中の政治・外交の構造的特色を理解する。
2日本資本主義の構造的な特色と,その変動過程を理解する。
3近代化・大衆化を進める社会や文化の特色を理解する。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | 政治・外交の特色と変動を,自分のことばで簡潔に説明できる。 | 個々の政治・外交上のできごとについて,一般的な定義ができる。 | 政治・外交上のできごとを,個別の知識としておおむね習得している。 | 左記に達していない。 |
評価項目2 | 日本資本主義の構造と変動について,自分のことばで簡潔に説明できる。 | 日本経済を特色づける個別の要件について,一般的に定義ができる。 | 日本経済史上のできごとを,個別の知識としておおむね習得している。 | 左記に達していない。 |
評価項目3 | 近代化・大衆化の過程を自分のことばで簡潔に説明できる。 | 近代日本の社会・文化を特色づける人物や事象のそれぞれについて,一般的に定義ができる。 | 社会や文化を象徴する人物や事象を知識としておおむね習得している。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
一般・専門の別:一般
学習の分野:人文・社会
基礎となる学問分野:人文学/史学/日本史
学習教育目標との関連:本科目は,学習教育目標「①教養豊かな実践的人間力の養成」,「⑤グローバルな視点と社会性の養成」,「⑦コミュニケーション力・プレゼンテーション力の育成」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(B) 地球的視野に立った人間性の育成」「B-2:地球上の多様な歴史観・文化・習慣の違いを理解し,説明できること」である。
授業の概要:20世紀前半の日本の歴史を,帝国化とナショナリズムの相関という視点から取り上げ学ぶことを通して,未来を生きるわれわれの指針となるべき知識を習得し,地球的視野に立った人間性の育成を目指すものとなる。
授業の進め方・方法:
授業の方法:教科書ならびに補助プリント等を利用しながら,到達目標に示された内容について一定のまとまったイメージを構成できるような進め方をする。
成績評価方法:年4回の試験 100%(内訳は25%×4)定期試験では原則として持ち込みは許可しない。ただし,達成度を測るために事前の積極的な準備が必要であると判断される出題がある場合に限り,自筆ノート等の持ち込みを許可する場合がある。ただし、受講者との事前合意により、テストをおこなわず、レポート提出(100%)によって成績評価する場合もある。
注意点:
履修上の注意:本科目は,2学年の課程修了のため履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。
履修のアドバイス:1.主観を排して,事実に就くという態度を持つ。2.1ができたうえで,事実を自分なりに整理し,まとまった人間像,出来事に対する評価を示すことができるようになる。3.歴史を学ぶ意味を発見する。事前に行う準備学習はとくに必要ない。
基礎科目:世界史(1年),倫理(1年)
関連科目:政治経済(2年),異文化社会論Ⅰ(4),日本文化論(4),異文化社会論Ⅱ(4),日本社会論(4),技術者倫理(5)
受講上のアドバイス:歴史上の出来事や人名を覚えるのは基本。これらについて個別に説明できるのが次の段階。そこからその時代の特色を理解できるのが目標。そのうえで,歴史を学ぶ意義を見出して欲しい。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバスによるガイダンス・日本の近代化の方向性 |
開国により,日本が描いた近代化の全般的な方向性を理解する。
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2週 |
大日本帝国憲法の成立と,立憲政治の特色(1) |
大日本帝国憲法の成立の前提と,その基本的な特色を理解する。
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3週 |
大日本帝国憲法の成立と,立憲政治の特色(2) |
藩閥政治と政党の成立について理解する。
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4週 |
日清戦争(1) |
日本の外交並びに国防方針と,朝鮮半島をめぐる日清の対立の意味について理解する。
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5週 |
日清戦争(2) |
日清戦争のあらましを知るとともに,その意義を理解する。
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6週 |
日本資本主義の確立とその特色 |
殖産興業・富国強兵政策を通して成立する産業社会の特色について理解する。
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7週 |
(前期中間試験) |
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8週 |
前期中間験の答案返却と試験解説 日露戦争(1) |
日露戦争の前提である,列強と中国の関係を理解する。
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2ndQ |
9週 |
日露戦争(2) |
日露戦争のあらましを知るとともに,その意義を理解する。
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10週 |
韓国併合 |
帝国化の完成の過程を理解する。併せて中国革命についての知識を得る。
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11週 |
大正デモクラシー |
立憲政治を進める動きの成立と展開を理解する。
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12週 |
日本資本主義の展開 |
産業の構造と,それを支える労働のありようの特色について理解する。
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13週 |
第一次世界大戦(1) |
第一次世界大戦の背景と展開,ならびに日本の参戦の目的について理解する。
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14週 |
第一次世界大戦(2) |
第一次世界大戦とロシア革命,これらの日本に及ぼした影響について多角的に理解する。
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15週 |
(前期末試験) |
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16週 |
前期末試験の答案返却と試験解説 大戦間期の日本(1) |
大戦間期の社会運動の展開について理解する。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
大戦間期の日本(2) |
大戦間期の政党政治の確立とその特色について理解する。
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2週 |
大戦間期の日本(3) |
大戦間期の国際秩序の特長と日本の外交の変化について理解する。
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3週 |
大戦間期の日本(4) |
社会の変動と文化の大衆化について理解する。
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4週 |
世界恐慌と日本資本主義(1) |
大戦後の景気循環と,財政・金融政策の流れについて理解する。
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5週 |
世界恐慌と日本資本主義(2) |
昭和恐慌について,原因,展開,社会への影響について理解する。
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6週 |
満州事変と日中戦争(1) |
中国革命後の中国の情勢と,日本の大陸進出の動きについて理解する。
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7週 |
満州事変と日中戦争(2) |
政党政治の終焉に至る政治過程について理解する。
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8週 |
(後期中間試験) |
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の答案返却と試験解説 満州事変と日中戦争(3) |
長期化する戦争のもたらした社会の変化について理解する。
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10週 |
アジア太平洋戦争 |
第二次世界大戦の背景と展開,アジア太平洋戦争の開始の背景について理解する。
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11週 |
戦時下の社会と抵抗運動 |
戦時下の社会・経済と抵抗運動について理解する。
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12週 |
戦線の拡大と敗戦 |
「大東亜共栄圏」の展開と,戦時下の民衆生活,地上戦,敗戦への過程を理解する。
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13週 |
占領下の日本 |
新しい国際秩序の形成と冷戦について理解する。非軍事化と民主化,ならびに国民生活について理解する。
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14週 |
憲法制定と国民 |
日本国憲法の制定過程と,経済・社会の改革について理解する。
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15週 |
(後期末試験) |
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16週 |
後期末試験の答案返却と試験解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 2 | |
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 3 | |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 3 | |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 3 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 自己評価 | 課題 | 小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |