概要:
一般・専門の別:専門・自然科学系基礎・物理/化学/生物
学習の分野・実験・実習他
基礎となる学問分野:数物系科学/物理/物理一般,化学/無機・有機化学,生物学/基礎生物学
学習教育目標との関連:本科目は「③基盤となる専門性の深化」及び「⑥課題探求・解決能力の育成」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」である。
授業の概要:理科(物理・化学・生物)の基礎的実験を通して,観察,計測の基礎,データの処理方法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業の方法:通年を3期に分けて物理,化学,生物の実験に取り組む.実験は,全員で同時に同じテーマを実施する.5~6名のグループに分かれて実験に取り組む。テーマと週の配分はガイダンスで案内する。
成績評価方法:実験テーマについて提出される報告書における,データの処理,結論の導出仮定,考察の進め方を評価して100点満点で採点し,平均を最終成績とする。報告書の評価基準はガイダンス時にルーブリックで提示するので参考にすること。
注意点:
履修上の注意:本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の5分の1以下)および単位修得が必須である。
受講上のアドバイス:実験や観察がただの作業になることの無いよう十分注意すること.学習効果を上げるには実験の趣旨を事前に十分学習しておくことが必要である。実験を実施する前に,実験手順を頭の中で一通りシミュレートするように。授業時間の1/3を経過した時点で欠席としてあつかう。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
生物実験ガイダンス |
動物実験・DNA組換え実験における法令を理解する
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2週 |
顕微鏡の構造,使い方と生物試料の観察,スケッチ |
実体顕微鏡・正立顕微鏡の構造,使い方を理解する
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3週 |
顕微鏡の構造,使い方と生物試料の観察,スケッチ |
顕微鏡を用いた試料の観察し、スケッチする
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4週 |
大腸菌培養とプラスミドDNA精製実験
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プラスミドDNAによる大腸菌の形質転換と液体培養を理解する
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5週 |
大腸菌培養とプラスミドDNA精製実験 |
大腸菌からアルカリSDS法によるプラスミドDNA抽出をおこなう
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6週 |
イモリ・プラナリアの再生実験 |
イモリ再生実験を立案し実施する
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7週 |
イモリ・プラナリアの再生実験 |
イモリ再生を観察し記録する
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8週 |
イモリ・プラナリアの再生実験 |
プラナリア再生実験を立案し実施する
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2ndQ |
9週 |
イモリ・プラナリアの再生実験 |
プラナリア再生を観察し記録する
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10週 |
予備日 |
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11週 |
物理実験ガイダンス,計測の基本(ノギス,マイクロメータの使い方) |
測定器の読みと不確かさを理解する.
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12週 |
データ処理の基本(不確かさ,グラフの描き方,不確かさの見積もり) |
データからグラフ化して測定値の不確かさを求める.
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13週 |
データ処理の基本(不確かさ,グラフの描き方,不確かさの見積もり) |
不確かさを含むデータから平均値と不確かさを見積もる.
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14週 |
第1テーマ実験(気柱共鳴による音速測定) |
実験の内容を把握し予備実験を実施し,本実験に向けての実験計画を立てる.
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15週 |
第1テーマ実験 |
設問に解答するために必要なデータをすべて収集する.データの処理,グラフ化を行い,要求された設問に解答する.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
第2テーマ実験(ボイルの法則の確認と大気圧の測定) |
実験の内容を把握し予備実験を実施し,本実験に向けての実験計画を立てる.
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2週 |
第2テーマ実験 |
設問に解答するために必要なデータをすべて収集する.データの処理,グラフ化を行い,要求された設問に解答する.
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3週 |
第3テーマ実験(慣性モーメントの測定と回転安定性の確認) |
実験の内容を把握し予備実験を実施し,本実験に向けての実験計画を立てる.
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4週 |
第3テーマ実験 |
設問に解答するために必要なデータをすべて収集する.データの処理,グラフ化を行い,要求された設問に解答する.
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5週 |
予備日 |
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6週 |
化学実験ガイダンス,基本操作・洗浄法 |
ガラス器具の正しい使い方, 洗浄方法を身に着ける。
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7週 |
無機合成;モール塩の合成① |
モール塩の合成を通し, 再結晶法, 収率の計算など化合物合成に必要な基礎知識を習得する。
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8週 |
無機合成;モール塩の合成② |
同上
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4thQ |
9週 |
容量分析;中和滴定① |
中和滴定に用いる標準溶液を調製する。
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10週 |
容量分析;中和滴定② |
中和滴定により, 未知試料の酸の濃度を決定する。
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11週 |
容量分析;中和滴定③ |
同上
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12週 |
機器分析;紫外可視吸収スペクトル① |
紫外可視分光光度計の使い方を取得する。
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13週 |
機器分析;紫外可視吸収スペクトル② |
濃度既知の溶液の吸光度から検量線を製作する。
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14週 |
機器分析;紫外可視吸収スペクトル③ |
検量線を用いて未知試料を分析する。
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15週 |
大掃除・総まとめ・予備日 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 2 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 2 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 2 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 2 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 2 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 2 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 2 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 2 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 2 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 2 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 3 | |
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 3 | |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 3 | |
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。 | 3 | |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 3 | |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 3 | |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 3 | |
錯体の生成について説明できる。 | 3 | |
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。 | 4 | |
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。 | 4 | |
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 4 | |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 4 | |
物理化学 | 放射線の種類と性質を説明できる。 | 2 | |
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。 | 2 | |
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。 | 1 | |
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。 | 1 | |
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。 | 1 | |
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。 | 1 | |
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。 | 1 | |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 1 | |
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 1 | |
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 1 | |
束一的性質を説明できる。 | 1 | |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 1 | |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 1 | |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 1 | |
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。 | 1 | |
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 1 | |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。 | 1 | |
エンタルピーの温度依存性を計算できる。 | 1 | |
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。 | 1 | |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 1 | |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 1 | |
均一および不均一反応の平衡を説明できる。 | 1 | |
生物工学 | 微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 4 | |
微生物の育種方法について説明できる。 | 4 | |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 4 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。 | 4 | |
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 4 | |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 3 | |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | |