物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 0041 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 三浦他,文部科学省検定教科書「物理基礎」,「物理」(東京書籍)  問題集:レッツトライノート物理基礎 熱・波・電磁気編,レッツトライノート物理 Vol.2 熱・波編
担当教員 佐々井 祐二,岡本成二 (一般)

到達目標

学習目的:
波動現象として,波がもつ回折,干渉などの一般的な性質や基本的な波の表現,正弦波について学ぶ。音波については,うなりや共鳴現象,ドップラー効果を学習する。光については,屈折の法則や全反射,分散やスペクトルと光の色の関係,光の散乱・干渉現象を自然現象や現代科学の応用などと関連させて学ぶ。物理学は自然科学や工学における最も基礎的な分野である。本科目では,波動現象について学習し,その計算方法を修得する。

到達目標
1.波動の基本的な性質を理解し,回折,干渉を説明できる。
2.光の反射角,屈折角に関する計算ができ,分散現象を理解している。
※分野横断能力については該当しない。


ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1音の回折,干渉現象の計算ができる。波動の複合的な計算ができる。波動の基本的な計算ができる。波動の基本的な計算ができない。
評価項目2光の干渉現象の計算ができる。光の反射角,屈折角に関する複合的な計算ができる。光の反射角,屈折角に関する基本的な計算ができる。光の基本的な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般

学習の分野:自然科学系共通/基礎

波動現象として,波がもつ回折,干渉などの一般的な性質や基本的な波の表現,正弦波について学ぶ。音波については,うなりや共鳴現象,ドップラー効果を学習する。光については,屈折の法則や全反射,分散やスペクトルと光の色の関係,光の散乱・干渉現象を自然現象や現代科学の応用などと関連させて学ぶ。物理学は自然科学や工学における最も基礎的な分野である。本科目では,物体の衝突・分裂,波動現象について学習し,その計算方法を修得する。

基礎となる学問分野:数物系科学/物理/物理一般

学習教育目標との関連:本科目は学習教育目標「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。
授業の進め方・方法:
授業の方法:講義形式の授業を進め,適宜,演習と実験を行なう。理解を深めるために演示実験を要所で行う。演習では学生による解答の板書と解説を促す。

成績評価方法:4回の定期試験を70%(均等に重み付け),平素の演習,課題,実験レポートなどを30%とする。成績不振者には補講と再試験を課して,60点を上限に定期試験の成績を置換する。
注意点:
履修上の注意:本科目は必履修科目のため2学年の課程修了には履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。毎週,教科書や問題集の問題を解いて復習すること。また宿題レポートは期限までに必ず提出すること。

履修のアドバイス:授業で扱う数式について,計算してよく理解すること。授業中にメール等の操作をしている場合には退室してもらうことがある。授業開始25分以内であれば遅刻とし,遅刻3回で1欠課とする。

基礎科目:基礎数学(1年),基礎数学演習(1),物理Ⅰ(1)
関連科目:力学Ⅰ(3年),力学Ⅱ(3)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス,波の性質(「物理基礎」) 学習方法の理解
横波・縦波,波の表し方の理解
2週 媒質の振動と波(「物理基礎」) 媒質の振動による波の伝播の理解
波の重ね合わせの理解
3週 定常波,反射(「物理基礎」) 定常波の理解
自由端,固定端反射の理解
4週 音と振動(「物理基礎」) 音と振動の理解
5週 弦の固有振動(「物理基礎」) 弦の振動の理解
6週 気柱の固有振動(「物理基礎」) 気柱共鳴の理解
7週 学生実験(気柱共鳴による振動数の測定) 気柱共鳴の確認
8週 前期中間試験(上記内容に関する) 60点以上のスコア
2ndQ
9週 前期中間試験の解説と返却,波の表し方(以下「物理」) 試験問題の見直し
波の表現の理解
10週 波の表し方 波の表現の理解
11週 ホイヘンスの原理,反射の法則 ホイヘンスの原理の理解
12週 屈折の法則 ホイヘンスの原理の理解と活用
13週 波の回折,干渉 波の干渉の理解
14週 波の干渉 波の干渉の理解と活用
15週 (前期末試験:前期中間以降の内容) 60点以上のスコア
16週 前期末試験の解説と返却,音の性質 試験の見直し
音の性質についての理解
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス,音の性質 音の性質についての理解
2週 ドップラー効果 ドップラー効果の理解
3週 光の伝わり方 ものの見え方,光速の測定についての理解
4週 光の反射と屈折 光の反射と屈折の理解
5週 光の反射と屈折 光の反射と屈折の理解
6週 ヤングの実験 光の干渉の理解
7週 回折格子 光の干渉の確認
8週 後期中間試験(上記内容に関する) 60点以上のスコア
4thQ
9週 後期中間試験の解説と返却,薄膜による干渉 試験内容の見直しと理解,光の干渉の理解
10週 薄膜による干渉 光の干渉の理解
11週 空気層による干渉 光の干渉の理解
12週 レンズ レンズのはたらきの理解
13週 鏡のはたらきの理解
14週 学生実験(レンズによる像) レンズのはたらきの確認
15週 (後期末試験:後期中間試験以降の内容) 60点以上のスコア
16週 後期末試験の返却と解答解説 試験内容の見直しと理解

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。2
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。2
物体に作用する力を図示することができる。2
力の合成と分解をすることができる。2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。2
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。2
慣性の法則について説明できる。2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2
運動方程式を用いた計算ができる。2
運動の法則について説明できる。2
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。2
最大摩擦力に関する計算ができる。2
動摩擦力に関する計算ができる。2
仕事と仕事率に関する計算ができる。2
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。2
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。2
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。2
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2
気体の内部エネルギーについて説明できる。2
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。2
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。2
熱機関の熱効率に関する計算ができる。2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。1前1
横波と縦波の違いについて説明できる。1前1
波の重ね合わせの原理について説明できる。1前2
波の独立性について説明できる。1前2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。1前2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。1前2
ホイヘンスの原理について説明できる。1前11,前12
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。1前11,前12
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。1前5
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。1前6,前10
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。1前7
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。1後2
自然光と偏光の違いについて説明できる。1後3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。1後4,後5
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。1後5
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。2前7,後14
安全を確保して、実験を行うことができる。2前7,後14
実験報告書を決められた形式で作成できる。2前7,後14
有効数字を考慮して、データを集計することができる。2前7,後14
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2前7,後14
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2前7,後14

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000