概要:
一般・専門の別:一般
学習の分野:自然科学系共通・基礎
必修・必履修・履修選択・選択の別:必履修
基礎となる学問分野:数物系科学/物理学,工学/機械工学/熱工学
学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」である。
授業の概要:本科目は基礎科学に対応する学問であり,科学的思考を養う。熱と仕事の相互変換や物質の状態変化について,身近な例や工学技術との関連も考慮して解説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:授業は板書を中心に進め,基本概念を中心にできるだけ丁寧に解説を行う。本科目は後期のみ開講の科目である。
成績評価方法:2回の定期試験の成績を同等に評価し(定期試験80%),これに課題(20%)を加えた総合評価とする。試験には,教科書,ノートの持ち込みは許可しない。成績が60点未満の学生に対して再試験を実施する場合がある。その場合,定期試験と再試験の平均点を試験分として成績を再評価する。ただし,再評価による成績の上限は60点とする。なお,再試験の実施および受験資格は,該当者の学習態度を踏まえて判断する。
注意点:
履修上の注意:本科目は必履修科目であり,学年の課程修了のために履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。
履修のアドバイス:熱力学は,自然科学や工学の基盤をなす重要な科目の1つである。基礎科目の内容をしっかり理解しておくことが望ましい。
基礎科目:物理Ⅰ(1年),物理Ⅱ(全系2),微分積分Ⅰ(全系2),微分積分Ⅱ(全系3)
関連科目:力学Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ(全系3年)
受講上のアドバイス:暗記ではなく,知識を積み上げながら理解することが重要である。課題には意欲的に取り組み,自ら考え理解を深めること。20分を越える遅刻・早退は1欠課,65分を超える遅刻・早退は2欠課とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス,熱力学の基本概念1 〔温度と熱〕
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・原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。
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2週 |
熱力学の基本概念2〔状態量,状態式,熱と仕事〕 |
・時間の推移とともに,熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 ・物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 ・熱量の保存則を表す式を立て,熱容量や比熱を求めることができる。
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3週 |
熱力学第一法則1〔エネルギーの保存,内部エネルギー〕 |
・気体の内部エネルギーについて説明できる。 ・熱力学第一法則について説明できる。 ・エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。
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4週 |
熱力学第一法則2〔熱容量と比熱,エンタルピー〕
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・閉じた系のエンタルピー変化を計算できる。 ・理想気体について,定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 ・理想気体について,内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。
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5週 |
理想気体の性質〔理想気体の状態式と比熱〕 |
・ボイル・シャルルの法則、理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。
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6週 |
理想気体の状態変化1〔等圧・等積変化〕 |
・理想気体の等圧・等積変化について説明できる。 ・理想気体の状態方程式を用いて、等圧・等積変化に伴う物理量を計算できる。
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7週 |
理想気体の状態変化2〔等温変化〕 |
・理想気体の等温積変化について説明できる。 ・理想気体の状態方程式を用いて、等温変化に伴う物理量を計算できる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の返却と解答解説 |
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10週 |
理想気体の状態変化3〔断熱変化〕 |
・理想気体の断熱積変化について説明できる。 ・理想気体の状態方程式を用いて、断熱変化に伴う物理量を計算できる。
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11週 |
理想気体の混合〔ドルトンの法則,混合気体の状態量〕 |
・ドルトンの法則と理想気体の状態式を用いて混合気体の状態量を計算できる。
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12週 |
理想気体の微視的理解〔気体分子運動の基礎〕 |
・絶対温度および理想気体の性質を気体分子の運動と関係付けて説明できる。
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13週 |
熱力学第二法則の基本概念〔不可逆変化,熱機関と熱効率〕 |
・不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 ・動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 ・熱機関の熱効率に関する計算ができる。
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14週 |
カルノーサイクル〔カルノーサイクルの熱効率〕 |
・サイクルの意味を理解し,熱機関の熱効率を計算できる。 ・カルノーサイクルの状態変化を理解し,熱効率を計算できる。
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15週 |
後期末試験 |
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16週 |
後期末試験の返却と解答解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 3 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 3 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 3 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 3 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 3 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 3 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 3 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 3 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 3 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 3 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 3 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 3 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 3 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 3 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 3 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 3 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。 | 3 | |
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。 | 3 | |
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。 | 3 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 3 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 3 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 3 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 3 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 3 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 3 | |