化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学Ⅱ
科目番号 0045 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:文部科学省検定済教科書「化学」(東京書籍) 参考書:ダイナミックワイド 図説化学(東京書籍)
担当教員 守友 博紀,高木 賢治,山本芳美 (一般)

到達目標

学習目標:物質の三態や物質に働く力,有機物の構造と反応,溶液の性質を理解し,現在,直面している深刻な環境問題等に人として適切な対応が取れるような物質観を養う。

到達目標
1.状態変化に関して説明できる。
2.気体の状態方程式がどんなものか説明でき,その計算ができる。
3.コロイドの運動学的性質(ブラウン運動など)を説明できる。
4.有機化合物の構造と官能基,化合物の合成法について説明できる。
5.目的応じて器具・試薬を使って実験し,レポートを作成できる。

ルーブリック

不可
評価項目1状態変化に関して,状態図も用いながら具体例を挙げながら自らの言葉で説明できる。状態変化に関して,状態図も用いながら説明できる。状態変化に関して,状態図も用いながら簡単に説明ができる。状態変化に関して理解していない。
評価項目2気体の状態方程式を導出でき,記述される現象について説明し,またその計算ができる。気体の状態方程式で記述される現象について説明でき,またその計算ができる。気体の状態方程式で記述される現象について簡単に説明ができる。気体の状態方程式の計算ができない。
評価項目3コロイドの運動学的性質について、身の回りの現象と結び付けて具体的に説明ができる。コロイドの運動学的性質について、具体的に説明ができる。コロイドの運動学的性質について、その例を挙げることができる。コロイドの運動学的性質について、説明ができない。
評価項目4有機化合物の結合・構造・官能基および代表的な化合物の合成法について具体例を挙げて説明できる。有機化合物の構造と官能基,代表的な化合物の合成法について具体例を挙げて説明できる。有機化合物の構造と官能基,代表的な化合物の合成法について説明できる。有機化合物の構造と官能基,代表的な化合物の合成法について説明できない。
評価項目5目的に応じた器具・試薬を自ら選択でき、適切な実験を行うことができる。加えて、レポートを自分の言葉で論理的に書くことができる。指示通りに器具・試薬を用いて実験を行うことができる。加えて、レポートを自分の言葉で論理的に書くことができる。指示通りに器具・試薬を用いて実験を行うことができる。加えて、レポートを指示されたとおりに書くことができる。実験やレポートを指示されたとおりに実施し、仕上げることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般

基礎となる学問分野:無機化学・物理化学・有機化学

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習・教育目標「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。

学習の分野:自然科学系共通・基礎

授業の概要:化学Ⅰに引き続いて,様々な化学的現象を理解するための基礎的素養を教授する。化学結合,生命と密接に関係する有機化合物,さらに気体や溶液の性質等を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業方法:一週2単位時間を2時限連続で,原則として各HRで行う。板書中心の講義であるが、適宜化学実験を行い,実験結果をまとめ,考察したレポートの提出を義務付ける。さらに必要に応じて,基礎的な問題に対するレポートや小テストを課す。

成績評価方法:4回の定期試験の得点をそれぞれ同等に評価(70%)し,各定期試験までの小テスト,レポートなどをこれに加味(30%)して,その都度評価する。原則として,前期成績は中間成績との,学年成績は全結果の単純平均とする。試験の持ち込み可能物品は各担当教員の指示に従うこと。

実験レポートに関して、データの改竄、盗用、剽窃、剽窃幇助など研究倫理に反する不正行為があると担当教員が判断した場合は、そのレポートは0点として処理し、原則として再提出を認めない。(研究倫理に関する資料は日本学術振興会のWebページからも確認できる。 https://www.jsps.go.jp/j-kousei/rinri.html )
注意点:
履修上の注意:本科目は必履修科目のため,3学年課程修了には履修(欠課時数は年間の出席日数の1/3以下)が必須である。

履修上のアドバイス:身のまわりで起きる現象を「物質」という視点から考えてみよ。物質の構造のイメージを持てるように学習せよ。常に疑問をもち,分からない事は放置せずに解決するよう努力せよ。暗記のみに頼るな,覚えるだけでなく「理解すること」が何よりも大切なことである。
(事前に行う準備学習)教科書の該当箇所に目を通しておく。

関連科目:化学I(全系2年),一般化学(先進2),有機化学I(先進4),有機化学II(先進5),無機化学(先進4),生化学(先進4),化学実験(先進4),物理化学(先進5)

受講上のアドバイス:本科目は環境エネルギー人材育成関連科目である。
元素記号,化学式,量の単位など,教員から指示された基礎事項は憶える。記憶に頼って済ませようとせず,きちんと理解して応用力をつけようという努力がまず必要である。再試験は行わない。チャンスはそう多くない事を知って欲しい。
レポ-トは提出期限を守り,けじめを身につけること。
遅刻の取扱については,授業開始後15分を超えた時点で欠課とみなす。講義への不参加も欠課とカウントする場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス, 物質の三態 物質の三態について理解する。
2週 気液・液体間の状態変化 状態図を解釈できるようになる。
3週 気体の性質① ボイル・シャルルの法則, 気体の状態方程式を説明でき, 計算に利用することができる。
4週 気体の性質② 気体の状態方程式を説明でき, 計算に利用することができる。
5週 溶液の性質 溶液が示す一般的な性質について理解する。
6週 コロイドの性質 コロイドとは何かを理解する。
7週 熱化学 ヘスの法則を理解し, 計算に利用することができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却と解説
10週 反応速度論① 反応速度の定義を理解する。
11週 反応速度論② 反応速度式の意味について理解する。
12週 化学平衡① 化学平衡の概念を理解する。
13週 化学平衡② 質量作用の法則を利用して, 平衡状態における物質の量を計算できるようになる。
14週 電離平衡 弱酸や弱塩基の電離度を計算できるようになる。
15週 【前期末試験】
16週 試験返却と解説
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス,有機化合物の特徴と分類 有機化合物とは何かを理解する。
2週 脂肪族炭化水素〔飽和炭化水素〕 代表的な炭化水素の構造, 性質について理解する。
3週 脂肪族炭化水素〔不飽和炭化水素〕 同上
4週 官能基と酸素を含む有機化合物〔アルコールとエーテル〕 アルコールとエーテルの諸性質, 反応を理解する。
5週 官能基と酸素を含む有機化合物〔アルコールとエーテル〕 同上
6週 官能基と酸素を含む有機化合物〔カルボン酸とエステル〕 カルボン酸に関する諸性質, 反応を理解する。
7週 官能基と酸素を含む有機化合物〔カルボン酸とエステル〕 同上
8週 芳香族化合物〔芳香族炭化水素〕 芳香族化合物の構造, 反応性を理解する。
4thQ
9週 後期中間試験
10週 試験返却と解説
11週 高分子化学 高分子有機化学の基礎基本を学ぶ。
12週 化学実験① 安全に正しく実験を行い, 行った実験に関して報告書を作成できるようになる。
13週 化学実験② 同上
14週 化学実験③ 同上
15週 学年末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3前1
水の状態変化が説明できる。3前1
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前1
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前4
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後12,後13,後14
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後12,後13,後14
測定と測定値の取り扱いができる。3後12,後13,後14
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後12,後13,後14
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後12,後13,後14
ガラス器具の取り扱いができる。3後12,後13,後14
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後12,後13,後14
試薬の調製ができる。3後12

評価割合

試験その他(レポート, 小テスト)合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000