学習目的:様々な問題を計算機による数値シミュレーションやその他計算手法を適用して解決する方法の基礎を習得する。データサイエンスの活用事例を習い,統計の基本知識を習得する。
到達目標
1.数値シミュレーションの基礎について理解している。
2.数値計算手法の基礎について理解している。
3.プログラミングであるC言語の基礎について理解している。
4.平均,分散,標準偏差などのデータサイエンスの基礎について理解している。
概要:
一般・専門の別:一般 学習の分野:自然科学系共通・基礎
基礎となる学問分野:情報科学,情報工学およびその関連分野/統計科学,計算科学関連。代数学,幾何学およびその関連分野/代数学関連。
学習教育目標との関連:本科目は「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。
授業の概要:
・様々な問題を計算機による数値シミュレーションやその他計算手法を適用して解決する方法の基礎を習得する。具体的にはプログラミング言語であるC言語を利用して,基本的な数値計算を行い,いくつかの典型的な問題を解決するための手法を理解する。
・データの読み取り方と分析の基礎的な方法を習得する。具体的にはまず統計の基礎知識を学ぶ。次にデータサイエンスの活用事例を習い,データの分析の手法を理解する。
・近年,話題となっている人工知能等のトピックスに関しても説明し見識を広める。
授業の進め方・方法:
授業の方法:プレゼンテーションと演習を中心に授業を進める。情報機器を活用して問題を解決するときに必要とされる概念の全般をイメージできるよう授業を進める。90分の内,前半を講義,後半をパソコン演習とする。また,理解が深まるよう演習やレポートを課す。
成績評価方法:4回の定期試験の結果を同等に評価する(60%)。またレポート課題(40%)で評価し,最終的な成績を出す。なお各定期試験の結果が60点未満の人には補習,再試験により理解が確認できれば,点数を変更することがある。ただし,変更した後の評価は60点を超えないものとする。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のためには履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。
履修のアドバイス:
・事前に行う準備学習として,基礎科目の内容の復習をしておくこと。
・必要に応じてレポート課題を課すので,必ず提出すること。
基礎科目:(中学校)技術・家庭の「情報に関する技術」,総合理工基礎(全系1年),微分積分Ⅰ(全系2年),基礎数学(全系1年),基礎線形代数(全系2年)
関連科目:専門科目全般(全系2年),基礎微分方程式(全系3年),微分積分Ⅱ(全系3年)
受講上のアドバイス:
・近年のコンピュータ,ネットワーク,情報化に関連する技術は急速に発達している。技術の発展に遅れないためにも,コンピュータ・ネットワーク系の雑誌や新聞を読むことを薦める。
・1年及び2年の基礎科目を事前に復習すること。
・理解度を向上するため,講義を受ける前後,積極的に予習・復習すること。
・遅刻は授業時間半分までとし,遅刻2回で欠課1回として取り扱う。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
科目の位置づけ,学習内容,方法に関するガイダンス,演習室利用の説明 |
科目の位置づけを理解できる。
|
2週 |
C言語によるプログラミングの復習〔その1〕及びパソコン演習に必要な基礎の演習 |
変数を取り扱う,条件分岐が含まるCプログラムを作成・実行できる。
|
3週 |
C言語によるプログラミングの復習〔その2〕及びパソコン演習に必要な基礎の演習 |
配列を取り扱う,繰り返しが含まるCプログラムを作成・実行できる。
|
4週 |
C言語によるプログラミングの復習〔その3〕及びパソコン演習に必要な基礎の演習 |
マクロ、関数が含まるCプログラムを作成・実行できる。
|
5週 |
方程式〔2分法〕,演習:2分法のプログラムの作成と実行 |
2分法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
|
6週 |
方程式〔ニュートン法〕,演習:ニュートン法のプログラムの作成と実行 |
ニュートン法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
|
7週 |
連立一次方程式〔行列表示,上三角型連立一次方程式〕,演習:上三角型連立一次方程式のプログラムの作成と実行 |
連立1次方程式の基礎について理解できる。
|
8週 |
中間テスト |
|
2ndQ |
9週 |
中間テストの答案を返却して解説,演習:パソコン演習の復習 |
前期中間試験の内容を理解する
|
10週 |
連立一次方程式〔ガウスの消去法〕,演習:ガウスの消去法のプログラムの作成と実行 |
ガウスの消去法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
|
11週 |
連立一次方程式〔ガウス・ジョルダン法〕,演習:ガウス・ジョルダン法のプログラムの作成と実行 |
ガウス・ジョルダン法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
|
12週 |
補間法〔ラグランジェの補間法〕,演習:ラグランジェの補間法のプログラムの作成と実行 |
ラグランジェの補間法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
|
13週 |
補間法〔差商〕,演習:差商のプログラムの作成と実行 |
補間法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
|
14週 |
曲線のあてはめ〔スプライン関数〕 |
スプライン関数の原理とその特性を理解する。
|
15週 |
前期末試験 |
|
16週 |
前期期末試験の返却と解答解説 |
前期末試験の内容を理解する
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
演習:スプライン関数のプログラムの作成と実行 |
スプライン関数のプログラムを作成・実行できる。
|
2週 |
曲線のあてはめ〔最小2乗法〕 |
最小2乗法の原理とその特性を理解する。
|
3週 |
演習:最小2乗法のプログラムの作成と実行 |
最小2乗法のプログラムを作成・実行できる。
|
4週 |
数値積分〔台形公式〕,演習:台形公式のプログラムの作成と実行 |
数値積分の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
|
5週 |
数値積分〔シンプソンの公式〕,演習:シンプソンの公式のプログラムの作成と実行 |
シンプソンの公式の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
|
6週 |
微分方程式〔オイラー法及びルンゲ・クッタ法(1)〕,演習:ルンゲ・クッタ2次公式のプログラムの作成と実行 |
オイラー法及びルンゲ・クッタ法の原理とその特性を理解しルンゲ・クッタ2次公式のプログラムを作成・実行できる。
|
7週 |
微分方程式〔ルンゲ・クッタ法(2)〕,演習:ルンゲ・クッタ4次公式のプログラムの作成と実行 |
ルンゲ・クッタ法の原理とその特性を理解しクッタ4次公式のプログラムを作成・実行できる。
|
8週 |
中間テスト |
|
4thQ |
9週 |
中間テストの答案を返却して解説,演習:パソコン演習の復習 |
後期中間試験の内容を理解する
|
10週 |
統計の基礎(データの活用及び基礎知識),Excelにおけるデータの整えと図表の作成 |
統計の基礎知識を理解し,Excelにおいて与えられたデータにより図表を作成できる。
|
11週 |
統計の基礎(平均,分散と標準偏差) |
平均,分散,標準偏差の性質を理解する。Excelよりデータの平均,分散,標準偏差を計算し,分析できる。
|
12週 |
統計の基礎(相関係数) |
データの散布図を作成でき,共分散及び相関係数を理解する。
|
13週 |
統計の基礎(相関行列及び散布図行列)と活用事例 |
相関行列及び散布図行列を理解し,Excelより作成できる。データサイエンスの活用事例を理解する。
|
14週 |
後期の復習と確認,演習:後期の復習と確認 |
後期末の範囲の内容を理解する
|
15週 |
後期末試験 |
|
16週 |
後期末試験の答案返却と試験解説 |
後期末の範囲の内容を理解する
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。 | 3 | |
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。 | 3 | |
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。 | 3 | |