教養数学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 教養数学
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:酒井文雄著 大学数学の基礎(共立出版)
担当教員 松田 修

到達目標

学習目的:数学の論理性や証明の重要性を強調するスタイルを修得しながら,数学のどの分野でも必要とされる基礎事項を学ぶ。 

到達目標
1.集合と写像の基礎事項や性質を理解する。
2.同値関係や順序関係の考え方を理解する。
3.論理の構造を理解し,証明法を修得する。
4.数学的帰納法について,そのバリエーションも含めて修得する。
5.組合せの数や二項定理の考え方を修得する。
6.初等整数論の初歩を理解する。

ルーブリック

不可
評価項目1写像の性質を理解している。 集合の性質を理解している。集合や写像についての基本的な概念を理解している。集合や写像についての理解が不十分である。
評価項目2順序関係の考え方を理解している。同値関係の考え方を理解している。同値関係と順序関係の基本的な概念を理解している。同値関係と順序関係の理解が不十分である。
評価項目3対偶法,背理法,反例法などの間接証明法を修得している。論理記号を用いることができる。論理についての基本的な性質を理解している。論理や証明法についての理解が不十分である。
評価項目4様々なバリエーションの数学的帰納法を用いて,命題を証明できる。 基本的な数学的帰納法を用いて,命題を証明できる。数学的帰納法を理解している。基本的な数学的帰納法の理解が不十分である。
評価項目5多項定理の考え方を理解し,また用いることができるる。二項定理の考え方を理解し,また用いることができるる。組合せの数の考え方を理解している。組合せの数の理解が不十分である。
評価項目6素数の性質を理解している。最小公倍数,最大公約数とその性質を理解している。割り算原理を理解している。初等的な整数の性質の理解が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:数学・物理

基礎となる学問分野:数物系科学/数学/数学基礎

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

授業の概要:数学では論理性や証明の重要性が強調される。より進んだ数学を学ぶためには,このスタイルを修得する必要がある。数学のどの分野でも必要とされる基礎事項を,論理性や証明を重視しながら学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心にして授業を進めていくが,同時に演習時間を出来るだけ多く設け,講義内容をより深く理解し,更に自力で問題を解く力が身につくように配慮する。

成績評価方法:4回の定期試験(同等に評価し60%)とその他の試験,演習,レポート,授業への取り組み方など(40%)の合計で評価する。成績等によっては,再試験を行う(レポート提出を課す)こともある。再試験は80点を上限として本試験と同様に評価する。
注意点:
履修上の注意:
・事前に行う準備学習として,基礎科目となる基礎数学,基礎数学演習,微分積分Ⅰ,基礎線形代数,総合理工演習の内容を復習しておくこと。
・学年の課程修了のために,本科目履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以上)が必須である。

履修のアドバイス:予習,復習を必ず行い,また自力で演習問題を解くことによって講義内容をより深く理解していくことが大切である。

基礎科目:基礎数学(1年),基礎数学演習(1),微分積分Ⅰ(2),基礎線形代数(2),総合理工演習(2)

関連科目:3年生以降の数学

受講上のアドバイス:講義内容をよく理解し,自分で問題を解くことが重要である。自力で解法を見出すことを大切にしてほしい。遅刻の回数が多い場合は,警告を行った後,欠席扱いとすることもある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,数学の言葉 数学記号,数学用語を用いる.数学における用語法を活用する.
2週 集合 集合,和集合と共通部分を理解する.
3週 集合 補集合,直積集合,集合族を理解する.
4週 写像 写像,全射写像と単射写像,合成写像を理解する.
5週 同値関係 同値関係を理解する.
6週 順序関係 順序関係を理解する.
7週 (前期中間試験)
8週 前期中間験の答案返却と試験解説
2ndQ
9週 命題論理 命題,複合命題,論理関数を理解し,真理表を書く.
10週 述語論理 全称命題や存在命題の例として,数列の収束,関数の連続,ベクトルの1次独立を取り上げ,論理記号を用いて表す.
11週 証明法 直接証明,間接証明を理解する.
12週 数学的帰納法のいろいろ 数学的帰納法(基本型),数学的帰納法(変化型)を用いて命題を証明する.
13週 整列集合 整列集合を理解する.
14週 鳩ノ巣原理 鳩の巣原理を理解する.
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の答案返却と試験解説
後期
3rdQ
1週 組合せの数 組合せの数,重複組合せの数やその考え方を理解する.
2週 二項定理 二項定理を理解する.
3週 二項定理 多項定理を理解する.
4週 包含と排除の原理 包含と排除の原理を理解する.
5週 割り算原理 割り算原理を理解する.
6週 最小公倍数,最大公約数 最小公倍数・最大公約数,ユークリッドの互除法を理解する.
7週 素数 素数とその性質を理解する.
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と試験解説
10週 合同式 合同式を理解する.
11週 合同式 合同式を理解する.
12週 1次合同式 1次合同式を理解する.
13週 中国剰余定理 中国剰余定理を理解する.
14週 フェルマーの小定理 フェルマーの小定理,RSA暗号を理解する.
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の答案返却と試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3

評価割合

試験演習(レポートなど)合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000