力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 力学Ⅰ
科目番号 0058 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 物理 (東京書籍),レッツトライノート4単位物理力学,力学II (大日本図書),柴田洋一他編著
担当教員 佐々井 祐二,加藤 学,寺元 貴幸,山本 綱之,山本吉範 (一般)

到達目標

学習目的:
 物理学は自然科学の中で最も基礎的な学問の一つであり, 様々な工学技術の分野に物理学の成果や手法が応用されている。したがって, 各専門分野を学ぶ際には, 物理学の基礎を十分に理解しておく必要がある。

到達目標:
1. 単振動・円運動について理解し,関連する問題が解ける。
2. 万有引力に関連する簡単な問題が解ける。
3. 運動量保存則に関連する簡単な問題が解ける。
4. 典型的な運動系について微分方程式の形で運動方程式をたてることができ,さらにその解を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限度の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1円運動,単振動を詳細に説明でき,関連する問題を解くことができる円運動,単振動の関係式を用いて標準的な問題を解くことができる円運動,単振動についての基礎的な計算ができる左記に達しない
評価項目2万有引力の法則をもとに天体の運動を説明でき,関連する問題を解くことができる万有引力の法則をもとに関連する標準的な問題を解くことができる万有引力の法則についての基礎的な計算ができる左記に達しない
評価項目3運動量保存則を詳細に説明でき,関連する問題を解くことができる運動量保存則を用いて標準的な問題を解くことができる運動量についての基礎的な計算ができる左記に達しない
評価項目4取り扱う力学系について運動方程式を立式し,2階の微分方程式として解くことができる標準的な力学系について運動方程式を立式し,解くことができる基礎的な力学系について運動方程式を立式し,解くことができる左記に達しない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般

学習の分野:自然科学系共通・基礎

基礎となる学問分野: 数物系科学/物理/物理一般

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。

授業の概要:前半は,高校の教科書を使い,見かけの力や万有引力,円運動・単振動,運動量を取り扱う。後半では,2階の微分方程式で表された運動方程式を解くことにより運動を解析する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:
 板書を中心に授業を進めるが,理解を深めるためにできるだけ学生間で議論することを促す。物理概念の理解に重きを置いた授業を行う。課題レポートを課し,学生の理解度を確認しながら授業を進める。

成績評価方法:
 4回の定期試験成績を70%(均等評価),平素の演習,レポートなどを30%とする。
 総合成績が60点未満の者に対しては学年末までに再試験を行うことがあり,評価方法は別途説明する。
注意点:
履修上の注意:
 本科目は必履修科目のため,学年課程修了のためには履修(欠席時間数が所定の授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス:
 予習として,前回の課題に取り組むこと,および教科書に目を通し学習項目を把握しておくこと。授業で取り扱う例題や問題は,必ず自らの手で問題を解いてよく考えること。

基礎科目:物理Ⅰ(1年),物理Ⅱ(2),微分積分Ⅰ(2),基礎線形代数(2)
関連科目:力学Ⅱ(3年),力学Ⅲ(3)

受講上のアドバイス:
 遅刻は授業開始後20分まで,以後は欠席扱いとする。3回の遅刻は1時間の欠席として扱うので注意すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス
剛体にはたらく力
力のモーメント
力のモーメントの理解
2週 剛体のつり合い,重心,問題集 つり合い,重心の理解
3週 平面上の運動,問題集 ベクトル表記の理解
4週 放物運動,問題集 放物運動の理解
5週 円運動,問題集
radの角度表記の理解
角速度の理解
6週 円運動,問題集
向心力
円運動にはたらく力の理解
7週 慣性力,遠心力,問題集 遠心力の理解
8週 前期中間試験 60点以上のスコア
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説 / 円運動見直し 見直し
10週 ケプラーの法則 ケプラーの法則の理解
11週 万有引力,重力 万有引力の法則の理解
12週 重力,人工衛星,問題集
第一宇宙速度
万有引力の法則の理解
13週 位置エネルギー,問題集
第二宇宙速度
万有引力を用いた計算
14週 万有引力まとめ,問題集 万有引力を用いた計算
15週 前期末試験 60点以上のスコア
16週 前期末試験の返却と解説 見直し
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス/単振動 単振動の理解
2週 ばね振動,単振子 ばね振動,単振子の理解
3週 力積と運動量 力積,運動量の理解
4週 力積と運動量 力積,運動量の理解
運動方程式との関係の理解
5週 運動量保存則 運動量保存則の理解
6週 質点の力学 微分積分を用いた位置,速度,加速度の理解
7週 質点の力学 微分方程式としての運動方程式の理解
8週 後期中間試験 60点以上のスコア
4thQ
9週 運動方程式 微分方程式としての運動方程式の理解
10週 運動方程式 空気中の落下運動の計算
11週 運動方程式 減衰振動の理解
12週 回転に関する運動方程式 外積を用いた力のモーメント,角運動量の理解
回転の運動方程式の理解
13週 回転に関する運動方程式 慣性モーメントの理解
14週 座標変換と慣性力 等加速度座標系,回転座標系の理解
15週 学年末試験 60点以上のスコア
16週 学年末試験の返却と解説 見直し

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3後3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3後4
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3後4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
物体に作用する力を図示することができる。3前1
力の合成と分解をすることができる。3前1
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前2
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前2
慣性の法則について説明できる。3後3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3後3
運動方程式を用いた計算ができる。3後5
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3後6
運動の法則について説明できる。3後7
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2後1
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2後2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2前5,前6
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2前9,前10
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2前11
力のモーメントを求めることができる。2前1
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2前2
重心に関する計算ができる。2前2
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000