有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 有機化学(工藤一秋, 渡辺正, 東京化学同人)
担当教員 廣木 一亮

到達目標

学習目標:有機化学の基礎・基本を身につけ, 有機化合物の立体構造, その反応性, 代表的な有機化学反応の反応機構を正しく理解する。

到達目標
1. 種々の有機化合物の構造を原子, 電子軌道, 分子軌道に基づいて理解する。
2. 種々の有機化学反応の反応機構を理解する。

ルーブリック

不可
評価項目1有機化合物の構造を軌道論に基づいて正確に説明することができる。有機化合物の構造を軌道論に基づいて説明することができる。有機化合物の構造を軌道論を元にして理解している。有機化合物の立体構造を理解できていない。
評価項目2代表的な有機化学反応の反応機構を理解し, 目的化合物の反応経路を自らデザインすることができる。代表的な有機化学反応の反応機構を, 自ら具体例をあげながら巻き矢印法で説明することができる。代表的な有機化学反応の反応機構を理解し, 電子の動きを巻き矢印法でかくことができる。反応機構を理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は他機関でポリマーやモノマーの合成など化学に関する研究に従事していた教員が,その経験を活かし,有機化学の基礎・基本を身につけ, 有機化合物の立体構造, その反応性, 代表的な有機化学反応の反応機構を正しく理解することを目的として講義形式で授業を行うものである。

一般・専門の別:専門

基礎となる学問分野:無機化学・物理化学・有機化学

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「(3) 基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:JABEEの学習・教育到達目標は「A-1」である。

授業の概要:有機化学の基礎・基本となる概念を中心的に解説する。まず、有機化合物の構造, 結合を軌道論に基づいて解説する。その後, 代表的な有機化学反応に関して, その反応機構を解説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:一週2単位時間を2時限連続で,原則として各HRで行う。必要に応じて,基礎的な問題に対するレポートや小テストを課す。

成績評価方法:2回の定期試験の得点をそれぞれ同等に評価(50%)し,各定期試験までの復習レポート(50%)を加味して,その都度評価する。原則として,成績は中間試験と期末試験の単純平均とする。
注意点:
履修上の注意:本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修上のアドバイス:身のまわりで起きる現象を「物質」という視点から考えてみよ。物質の構造のイメージを持てるように学習せよ。常に疑問をもち,分からない事は放置せずに解決するよう努力せよ。暗記のみに頼るな,覚えるだけでなく「理解すること」が何よりも大切なことである。事前学習として一般化学の学習内容、特に電子の性質と軌道論について復習しておくこと。

基礎科目:化学I(全系2年), 理科実験(先進2),化学II(全系3年), 一般化学(先進3)

関連科目:有機化学II(先進5),生化学(先進4),化学実験(先進4),物理化学(先進5)

受講上のアドバイス:
教員から指示された基礎事項は憶える。記憶に頼って済ませようとせず,きちんと理解して応用力をつけようという努力がまず必要である。再試験は行わない。チャンスはそう多くない事を知って欲しい。
レポ-トは提出期限を守り,けじめを身につけること。
遅刻の取扱については,その時限の1/2を越えたとき,その時限を欠課とするので注意すること。また遅刻は累積5回で欠課1時限とカウントする。
なお講義への不参加も欠課とカウントする場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4前1
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4前1
σ結合とπ結合について説明できる。4前2
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4前2
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前2
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4前2
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4前2
共鳴構造について説明できる。4前2
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4前3,前4,前5
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4前10,前11
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前2
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前2
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4前2
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前5,前6,前7
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前5,前6,前7
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4前5,前6,前7
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4前12,前13,前14
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力0000000
専門的能力50000050100
分野横断的能力0000000