化学実験

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学実験
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 資料配布
担当教員 香取 重尊,廣木 一亮,守友 博紀

到達目標

目標:実験を通じて, 物理化学, 無機化学, 分析化学, 有機化学における学習内容を深め, 確かな実験技術の習得を目指す。

到達目標
1. 物理化学分野の基礎的な実験技術を身につけ, データの解析を行うことができる。
2. 無機・分析化学分野の基礎的な実験技術を身につけ, データの解析を行うことができる。
3. 有機化学分野の基礎的な実験技術を身につけ, 初歩的な合成実験を自分の手で行うことができるようになる。

ルーブリック

不可
評価項目1物理化学分野の実験を確実に正しく行うことができ, 精度の高い測定を行うことができるようになるとともに, 正しい文章で報告書を作成することができる。物理化学分野の実験を確実に正しく行うことができ, 正しい文章で報告書を作成することができる。物理化学分野の実験を確実に正しく行うことができ, 最低限の報告書を作成することができる。左記に到達できていない。
評価項目2無機・分析化学分野の実験を確実に正しく行うことができ, 精度の高い分析を行うことができるようになるとともに, 正しい文章で報告書を作成することができる。無機・分析化学分野の実験を確実に正しく行うことができ, 正しい文章で報告書を作成することができる。無機・分析化学分野の実験を確実に正しく行うことができ, 最低限の報告書を作成することができる。左記に到達できていない。
評価項目3代表的な有機化学反応に関して, 合成, 精製, 生成物の構造解析に至るまで自らの手で行うことができるようになり, 得られた結果を元に正しい文章で報告書を作成できる。代表的な有機化学反応に関して, 合成, 精製, 生成物の構造解析を手本どおりに行えるようになり, 得られた結果を元に正しい文章で報告書を作成できる。代表的な有機化学反応に関して, 合成, 精製, 生成物の構造解析を手本どおりに行えるようになり, 得られた結果を元に最低限の報告書を作成できる。左記に到達できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は他機関でポリマーやモノマーの合成など化学に関する研究に従事していた教員が,その経験を活かし,実験を通じて 物理化学・ 無機化学・ 分析化学・有機化学における学習内容を深め 確かな実験技術の習得を目指すことを目的として実験実習形式で授業を行うものである。

一般・専門の別:専門

基礎となる学問分野:無機化学・物理化学・有機化学

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「(3) 基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(D)課題解決能力,研究能力,コミュニケーション能力,プレゼンテーション能力を身に付けそれらを発揮できる」であるが, 付随的には(A),(C)にも関与する。

概要:物理化学, 無機・分析化学, 有機化学における基本的な実験を行い, 実験結果の整理・解析と報告書の作成を行う。
授業の進め方・方法:
授業方法:提示される複数のテーマに分かれ, 実験計画を立案し実験期間内に完了させる。順番にテーマを交代し, 全ての実験を完結させる。

成績評価方法:各テーマで作成した報告書によって評価する。成績は, 全ての報告書の点数の単純平均とする。報告書が1つでも提出されてない場合は, 本科目は不可とする。
実験レポートに関して、データの改竄、盗用、剽窃、剽窃幇助など研究倫理に反する不正行為があると担当教員が判断した場合は、そのレポートは0点として処理し、原則として再提出を認めない。(研究倫理に関する資料は日本学術振興会のWebページからも確認できる。 https://www.jsps.go.jp/j-kousei/rinri.html )
注意点:
履修上の注意点:本科目は必修科目であるため, 学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の5分の1以下)および単位修得が必須である。

基礎科目:化学I(全系2年),化学II(全系3年), 一般化学(先進3年)

関連科目:無機化学(先進4),有機化学I(先進4)およびII(先進5),物理化学(先進5)

受講上のアドバイス:
実験を行う前には十分に予習を行い, 実験が単なる作業とならないよう注意すること。実験科目であるので, 遅刻・欠席をしないこと。遅刻の取扱については,授業開始5分を経過した時点で実験を「欠席」したとみなす。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス, 安全教育 安全に実験を行うための注意事項を理解し, 自分のものにする。
2週 有機化学実験① 正しく, 確実に実験を行うことができる。得られた結果を整理・解析し, 報告書を作成できるようになる。
3週 同上 同上
4週 有機化学実験② 同上
5週 同上 同上
6週 有機化学実験③ 同上
7週 同上 同上
8週 【予備日】 同上
2ndQ
9週 物理化学実験① 同上
10週 同上 同上
11週 物理化学実験② 同上
12週 同上 同上
13週 無機・分析化学実験 同上
14週 同上 同上
15週 【予備日】 同上
16週 総まとめ、器具点検、大掃除 同上

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前1
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前1
測定と測定値の取り扱いができる。3前1
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前1
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前1
ガラス器具の取り扱いができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
試薬の調製ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4前13,前14
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前6,前7
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4前6,前7
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前6,前7
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。4前2,前3,前5,前6,前7
蒸留による精製ができる。4前2,前3,前5,前6,前7
吸引ろ過ができる。4前2,前3,前5,前6,前7
再結晶による精製ができる。4前2,前3,前5,前6,前7
分液漏斗による抽出ができる。4前2,前3,前5,前6,前7
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4前2,前3,前5,前6,前7
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4前2,前3,前5,前6,前7
収率の計算ができる。4前2,前3,前5,前6,前7
分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4前9,前10
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前6,前7
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前6,前7
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4前11,前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合000000100100
基礎的能力00000000
専門的能力000000100100
分野横断的能力00000000