到達目標
学習目標:錯体化学, 固体化学の基礎基本を身につける。
到達目標
1. 溶液や固体の諸性質を理解し説明できる。
2. 遷移金属錯体の諸性質を理解し説明できる。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | 溶液や固体の性質を具体例をあげながら説明できる。 | 溶液や固体の性質を説明できる。 | 溶液や固体の性質を理解している。 | 溶液や固体の性質を理解できていない。 |
評価項目2 | 遷移金属錯体の性質や特徴を, 具体的な例をあげながら自らの言葉で説明できる。 | 遷移金属錯体の性質や特徴を, 自らの言葉で説明できる。 | 遷移金属錯体の性質や特徴を説明できる。 | 遷移金属錯体の性質や特徴を説明できない。 |
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学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
一般・専門の別:専門
基礎となる学問分野:無機化学・物理化学・有機化学
学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「(3) 基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。
授業の概要:化学は大きく分類して無機化学,有機化学,物理化学の分野があるが, その中一つ無機化学を学習する。具体的には, 本講義では溶液, 錯体, 固体に焦点を当て, それらの諸性質を, 熱力学や量子論を駆使しながら理解することを目指す。
授業の進め方・方法:
授業方法:講義は全て電子黒板を用いて行う。資料などはTeamsにて配布するので, 必要であれば各自で印刷して準備すること。
成績評価方法:試験によってのみ評価する。中間試験と期末試験の単純平均点を評価点とする。試験には, 自筆で記入したA4用紙(裏表利用可)と電卓の持ち込みを許可する。
※後期末段階の成績が60点未満の者には,出席状況や授業態度が良好であれば,事前指示を与えた上で再試験を実施する。再試験の結果は,最終成績の上限を60点として,当該定期試験の結果と読み替える。
注意点:
履修上の注意:本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。
(授業時間外の学修)テキストの一部分を自習箇所とする。該当箇所は授業中にしていするので, 指定された部分は参考書を参考にしつつ自習すること。
履修上のアドバイス:この科目は専門科目である。受動的な態度で講義に臨んでいては,決して内容は身につかない。講義の前には,テキストの指定した箇所を必ず読んでくること。安易に「暗記」に頼ることがないよう心掛けよ。化学という学問の本質を理解できるよう,常にLogicalな思考を続けながら講義に臨んでほしい。
(事前に行う準備学習)教科書の該当箇所を読んでおく。
基礎科目:化学I(全系2年),化学II(全系3年), 一般化学(先進3年)
関連科目:有機化学I(先進4)およびII(先進5),化学実験(先進4),物理化学(先進5)
受講上のアドバイス:※本科目は環境ならびにエネルギー人材育成関連科目である。
物事を学ぶためには、同じ事柄が記述してあるテキストを最低3冊は読む必要がある。授業中に紹介する参考書にも目を通し,自ら学びを深めていく姿勢を望む。遅刻の取扱については,授業開始15分後から「欠席」とみなす。
参考書:シュライバー・アトキンス無機化学, レイナーキャナム無機化学
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス、溶液化学①:酸と塩基 |
酸と塩基の定義を理解する。
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2週 |
溶液化学②:酸化と還元 |
酸化と還元の定義を理解する。
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3週 |
配位化学①:配位化合物と配位結合, 命名法 |
配位結合を量子論に基づいて理解し, 命名法に基づき配位化合物に正しく命名できる。
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4週 |
配位化学②:結晶場理論と配位子場理論 |
結晶場理論と配位子場理論に基づき錯体の諸性質を説明できるようになる。
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5週 |
配位化学③:錯体の電子状態 |
錯体の光吸収スペクトルを解釈できるようになる。
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6週 |
配位化学④:錯体の構造 |
錯体の立体構造を理解する。
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7週 |
配位化学⑤:錯体の安定度 |
錯体の安定性を熱力学に基づいて議論できるようになる。
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8週 |
【中間試験】 |
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4thQ |
9週 |
固体化学①:結晶構造 |
結晶構造と対称性を理解する。
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10週 |
固体化学②:単結晶と多結晶, 非晶質固体 |
単結晶, 多結晶, 非晶質の諸性質を理解する。
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11週 |
固体化学③:格子振動と熱的性質 |
格子振動の概念を理解し, 固体の熱的性質(熱容量, 熱伝導)を説明できるようになる。
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12週 |
固体化学④:固体の電子構造と電気伝導 |
バンド理論を身につける。
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13週 |
固体化学⑤:誘電的性質と誘電体材料 |
誘電体とは何かを理解し, 代表的な誘電体材料を知る。
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14週 |
固体化学⑥:磁気的性質と磁性材料 |
固体の磁気的性質を理解する。
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15週 |
【期末試験】 |
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16週 |
試験返却, 総まとめ。 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | 後9 |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6 |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6 |
配位数と構造について説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6 |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6 |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 4 | 後1,後2 |
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 4 | 後1 |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 4 | 後2 |
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。 | 4 | 後2 |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 4 | 後1 |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 4 | 後1 |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 4 | 後1 |
錯体の生成について説明できる。 | 4 | 後7 |
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 4 | 後1 |
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。 | 4 | 後1 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |