情報ネットワーク応用

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報ネットワーク応用
科目番号 0080 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:左貝潤一「通信ネットワーク概論」(森北出版)
担当教員 大西 淳

到達目標

学習目的:OSI参照モデル全体を理解した上で,その中のレイヤー1からレイヤー3までの各層で現実に使われている技術について説明できるようになる。また,SOCKETを使って通信を行うプログラムについても説明できるようになる。さらに,クラウドコンピューティングの中にサーバを構築する方法も説明できるようになる。

到達目標
1物理層で使われている有線ネットワークおよび無線ネットワークの基本技術を説明できる
2データリンク層とネットワーク層で使われている基本的な交換技術を説明できる
3TCP/IPのアプリケーション層で行われているアプリケーション間通信の基本技術を説明できる
4SOCKETを使って通信プログラムを作る際に使う基本的なシステムコールの役割を説明できる
5クラウドコンピューティングの中にサーバを構築する際に行う設定項目を説明できる

ルーブリック

不可
評価項目1授業で扱った有線ネットワークおよび無線ネットワークの基本技術を完全に説明できる。授業で扱った有線ネットワークおよび無線ネットワークの基本技術の主要な部分を説明できる。授業で扱った有線ネットワークおよび無線ネットワークの基本技術の最低限の部分を説明できる。左記に達していない。
評価項目2授業で扱ったデータリンク層とネットワーク層で使われている基本的な交換技術を完全に説明できる。授業で扱ったデータリンク層とネットワーク層で使われている基本的な交換技術の主要な部分を説明できる。授業で扱ったデータリンク層とネットワーク層で使われている基本的な交換技術の最低限の部分を説明できる。左記に達していない。
評価項目3授業で扱ったTCP/IPのアプリケーション層で行われているアプリケーション間通信の基本技術を完全に説明できる。授業で扱ったTCP/IPのアプリケーション層で行われているアプリケーション間通信の基本技術の主要な部分を説明できる。授業で扱ったTCP/IPのアプリケーション層で行われているアプリケーション間通信の基本技術の最低限の部分を説明できる。左記に達していない。
評価項目4授業で扱ったSOCKETに関するシステムコールの役割を定められた期限までに調査して説明できる。授業で扱ったSOCKETに関するシステムコールの役割を,定められた期限を超過したが,自主的に調査して説明できる。授業で扱ったSOCKETに関するシステムコールの役割を,強い指導の下で調査して説明できる。左記に達していない。
評価項目5クラウドコンピューティングの中にサーバを構築する際に行う設定項目を定められた期限までに調査して説明できる。クラウドコンピューティングの中にサーバを構築する際に行う設定項目を,定められた期限を超過したが,自主的に調査して説明できる。クラウドコンピューティングの中にサーバを構築する際に行う設定項目を,強い指導の下で調査して説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門
学習の分野:情報システム・プログラミング・ネットワーク(情報システム系),融合科目・その他(先進科学系,機械システム系,電気電子システム系)
基礎となる学問分野:情報科学,情報工学およびその関連分野/情報ネットワーク関連
学習・教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習・教育目標「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「電気・電子」,「情報・制御」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。
授業の概要:「情報ネットワーク基礎」で学んだOSI参照モデル全体の復習も行いつつ,その中のレイヤー1からレイヤー3までの各層で現実に使われている技術をより深く学ぶ。また,SOCKETを使って通信を行うプログラムについても学ぶ。さらに,クラウドコンピューティングの中にサーバを構築する方法も学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業の方法:教科書の項目を単位として受講者間で担当を決め,輪講する。一部の内容は課題として各自で取り組む。
成績評価方法:2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価し(60%),担当分の発表(20%)と宿題レポート(20%)も評価に加える。再試験は原則行わない。ただし,定期試験の結果をもって単位認定を正当に結論できないと判断した場合には再試験を行い,その結果によって学年末成績を修正することがありうる。原則として,いずれの試験にも資料の持込を許可しないが,状況によって許可することもありうるので,授業中の指示事項に注意すること。
注意点:
履修上の注意:本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。
履修のアドバイス:本科目は輪講形式で行う。そのため,自分の担当箇所の説明で手を抜くと,他の受講者の成績を下げることにつながる。他に迷惑をかけないよう,真剣に取り組むこと。事前に行う準備学習として,「情報リテラシー」と「コンピュータ概論」の関連箇所と「情報ネットワーク基礎」を復習しておくとよい。
基礎科目:情報リテラシー(1年),情報ネットワーク基礎(2),コンピュータ概論(3)
関連科目:ネットワークセキュリティ(4年),情報通信工学(4),通信プロトコル(5)
受講上のアドバイス:授業開始前に行う出席確認に遅れた者は遅刻として扱う。2遅刻で1欠課(1回分の授業)として扱う。なお,配布物は欠席者の分も出席者と一緒に配布し,再発行は行わないので,無用な遅刻や欠課をせず,確実に配布物を受け取ること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 科目の位置づけ,学習内容,方法に関するガイダンス,担当の決定 次週以降の授業の準備が完了する
2週 通信技術の変遷,通信の仕組み,情報ネットワーク,プロトコルとOSI参照モデル,コネクション型通信とコネクションレス型通信
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる,SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる,基本的なフィルタリング技術について説明できる
3週 通信の評価項目と国際間標準化,変調の意義,変調方式の分類,アナログ変調,情報のディジタル化,再生・線形中継と伝送路符号
無線通信の仕組みと規格について説明できる,有線通信の仕組みと規格について説明できる
4週 ディジタル変調方式,多重化の意義と基本概念,多重化方式の分類,周波数分割多重方式,位置多重化方式,ラベル多重化方式
無線通信の仕組みと規格について説明できる,有線通信の仕組みと規格について説明できる
5週 非同期ディジタルハイアラーキ(PDH),交換の概要,交換方式の分類,回線交換,パケット交換,フレームリレー
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる,基本的なルーティング技術について説明できる
6週 ATM交換(セルリレー),光ファイバ通信の概要,光ファイバ通信の基本構成,光ファイバ,ファイバ通信における要素技術(光ファイバ以外),光ファイバ通信のネットワークにおける特徴
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる,有線通信の仕組みと規格について説明できる
7週 光ネットワーク導入の経緯,同期ディジタルハイアラーキ(SDH),波長分割多重通信(WDM),光伝達網(OTN)
有線通信の仕組みと規格について説明できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解説
10週 光アクセス系,インターネットの概要,インターネットにおけるプロトコル,インターネットにおける情報転送
有線通信の仕組みと規格について説明できる,SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる,基本的なフィルタリング技術について説明できる
11週 IPアドレス,ルーティング,データ転送機器,LANの概要,各種LAN向け規格の位置づけ,イーサネットとその通信規格
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる,基本的なルーティング技術について説明できる,基本的なフィルタリング技術について説明できる
12週 イーサネットでのデータ転送,イーサネットの構成,その他の有線LAN方式,無線LAN,LANの拡張,電波の基本特性
無線通信の仕組みと規格について説明できる,有線通信の仕組みと規格について説明できる
13週 地上固定無線通信,多元接続方式,移動体通信,衛星通信
無線通信の仕組みと規格について説明できる
14週 まとめ,補足
主要なサーバの構築方法を説明できる,情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる
15週 後期末試験
16週 後期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワーク主要なサーバの構築方法を説明できる。4
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。4
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。4
無線通信の仕組みと規格について説明できる。4
有線通信の仕組みと規格について説明できる。4
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。4
基本的なルーティング技術について説明できる。4
基本的なフィルタリング技術について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合602000200100
基礎的能力0000000
専門的能力602000200100
分野横断的能力0000000