高電圧工学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 高電圧工学
科目番号 0081 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 植月・松原・箕田「高電圧工学」(コロナ社)
担当教員 中村 直人,植月唯夫 (電気電子)

到達目標

学習目的
高電圧現象を理解することで,基礎的な電気的トラブルに対処できる知識・能力を習得する。また測定装置や発生装置の原理を知ることで,高電圧機器等の性能評価を行うための基礎的な知識を習得する。
到達目標
1.高電圧現象の基礎過程(衝突現象,電子放出等)を理解し,必要な場面を説明できる。
2.気体・固体・液体の絶縁破壊の種類・特徴を理解し,必要な場面を説明できる。
3.高電圧発生装置の種類・特徴を理解し,必要な場面を説明できる。
4.高電圧・大電流測定装置の種類・特徴を理解し,必要な場面を説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1気体・液体・固体の全ての絶縁破壊メカニズムの種類特徴が説明でき,実用上留意すべき問題点が説明できる。気体・液体・固体の全ての絶縁破壊メカニズムの種類・特徴が説明できる。気体・液体・固体の基本的な絶縁破壊メカニズムが説明できる。気体・液体・固体の基本的な絶縁破壊メカニズムを全く説明できない。
評価項目2直流・交流・高周波の高電圧発生装置の種類・特徴および使用条件について説明できる。直流・交流・高周波の高電圧発生装置の種類・特徴について説明できる。直流・交流・高周波の高電圧発生装置の種類と基本的な特徴について説明できる。直流・交流・高周波の高電圧発生装置の種類・特徴について全く説明できない。
評価項目3高電圧測定装置の種類と特徴および使用条件について説明できる。高電圧測定装置の種類と特徴について説明できる。高電圧測定装置の種類と基本的な特徴について説明できる。高電圧測定装置の種類と特徴について全く説明できない。
評価項目4非接触電流測定装置の種類と特徴および使用条件について説明できる。非接触電流測定装置の種類と特徴について説明できる。非接触電流測定装置の種類と基本的な特徴について説明できる。非接触電流測定装置の種類と特徴について全く説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は企業で高電圧を利用した装置およびデバイスの設計に関する職務経験を有する教員が,その経験を活かし,高電圧現象を理解することで,基礎的な知識・能力を習得する共に,測定装置や発生装置の原理を知ることで,高電圧機器等の性能評価を行うための基礎的な知識を習得することを目的として講義形式で授業を行うものである。


一般・専門の別:「専門」
学習の分野:電気・電子

基礎となる学問分野:工学/電気電子工学

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「電気・電子」,「情報・制御」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

授業の概要:
高電圧工学とは「高電界中での絶縁物破壊に伴う現象」「高電圧を発生させるための装置」「高電圧を測定するための装置」について理解する学問である。この科目は過去習った専門知識が総合的に必要であり,それらが実際にどう活用されているかを教授する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:教科書に沿った講義を行う。授業では,教科書の内容が実際にどのように社会で利用されているか,どのような場面で必要かなど,教員が実際に経験した事例を紹介することでより理解が深まるような授業を行う。また、学習の進度にあわせて,理解が深まるように授業時間内に演習指導を行い,レポートを課す。

成績評価方法:2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。小テストの成績,レポートの成績,演習で評価する(30%)。
成績不振者には再試験を実施することがある。再試験を行う場合は再試験結果を上限60点として定期試験結果に入れる。
注意点:
履修のアドバイス:
本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

事前に行う準備学習:授業は教科書に沿って行う。授業予定の個所をあらかじめ目を通してくこと。

基礎科目:電気電子回路(2年),電気基礎(2),電気電子計測Ⅰ・Ⅱ(2,3),電気回路Ⅰ・Ⅱ(3,4),電気磁気学Ⅰ・Ⅱ(3,4)

関連科目:電気応用と環境(4年),電気電子材料(5),卒業研究(5)

受講上のアドバイス:
板書される内容を理解しながらノートに取ること。この科目は過去習った専門知識が総合的に必要であり,授業内容を過去習った専門知識と整合をとるように努力すること。出席をとり各時間ごとに始まりから20分までを遅刻とする。それ以上遅れると欠課とみなす。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,高電圧工学概要,気体運動論 絶縁破壊,温度,圧力の概念理解
2週 気体運動論 衝突断面積,電離,励起,再結合,移動度,移動速度,拡散の概念理解
3週 固体からの電子放出 熱電子放出,ショットキー放出,電界放出,γ放出,光電子放出理解
4週 気体の絶縁破壊 コロナ放電,火花放電,タウンゼント理論,ストリーマ理論理解
5週 気体の絶縁破壊 火花遅れ,極性効果,パッシェンの法則理解
6週 気体の絶縁破壊 ペニング効果,真空中の放電,マルター効果理解
7週 プラズマの基礎 デバイ長,プラズマ周波数,カットオフ周波数理解
8週 前期中間試験
4thQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説,液体の絶縁破壊 気泡破壊,橋絡,流動帯電理解
10週 固体の絶縁破壊 電子的破壊,熱的破壊,電気機械的破壊理解
11週 複合系の絶縁破壊 周辺効果,面積効果,体積効果,トリーイング,沿面放電理解
12週 絶縁協調,絶縁機器 絶縁協調,段絶縁,電気機械的破壊理解
13週 高電圧の発生 交流,高周波,直流,インパルスにおける高電圧の発生方法理解
14週 高電圧の測定 交流,高周波,直流,インパルスにおける電圧・電流の測定方法理解
15週 前期末試験
16週 前期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価課題小テストその他合計
総合評価割合70003000100
基礎的能力0000000
専門的能力70003000100
分野横断的能力0000000