学習目的: 量子力学の基礎的な知識を習得し,固体中の電子の挙動から半導体の基本的な物性について学習すると共に,半導体デバイスの応用例などを学習する。
到達目標:
1. 原子の構造について説明できる。
2. 結晶中の電子の振る舞いを説明できる。
3. 半導体のエネルギー帯構造について説明できる。
4. 半導体のキャリアについて説明できる。
5. キャリア密度とフェルミ準位について説明できる。
6. 半導体の電気伝導について説明できる。
7. pn接合とダイオードについて説明できる。
概要:
本科目では教科書の内容だけでなく、社会で量子力学がどのように利用・応用されているのかについて解説する。
一般・専門の別: 一般
学習の分野: 専門: 電気・電子
基礎となる学問分野: 工学/工学基礎
学習教育目標との関連: 本科目は総合理工学科の学習教育目標「2.確かな基礎科学の知識修得」のための科目である。
技術者教育プログラムとの関連: 本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A) 技術に関する基礎知識の深化および情報技術の習得とそれらを応用することが できる,A-1:数学,物理を中心とした自然科学及び情報技術の幅広い分野の知識を修得し,これらの知識を組み合 わせることも含めて応用することができる」である。
授業の概要:
この授業では半導体の電子の振る舞いに関係した物性論を取り扱う。
半導体中の電子や正孔の振る舞いをエネルギーに着目して説明し、半導体素子であるダイオードやトランジスタなどの動作原理の理解に必要な基礎知識を養う。
授業の進め方・方法:
授業の方法:
プロジェクタによるスライドの投影を中心に進めていく。
図示によって具体的に解説を行う。
適宜演習を行い,内容理解度をチェックしながら進めていく。
成績評価方法:
2回の定期試験の結果を同等に評価する (70 %)。
課題と小テスト結果を評価する (30 %)。
前期末段階の成績が60点未満の者には,出席状況や授業態度が良好であれば,事前指示を与えた上で再試験を実施する。再試験の結果は,最終成績の上限を60点として,当該定期試験の結果と読み替える。
注意点:
履修上の注意:本科目は必履修科目であり,学年の課程修了のために,本科目履修 (欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。
履修のアドバイス:
・事前に行う準備学習として,教科書を読んでくること。
・トランジスタやLED,太陽電池など半導体デバイスの動作原理を理解するための基礎となる重要な科目である。聞き慣れない新しい考え方が多いかもしれないが,分からないところは積極的に質問すること。
基礎科目:物理Ⅰ,Ⅱ(1, 2),化学Ⅰ,Ⅱ(2, 3)
関連科目:電子工学(4年),電子回路Ⅱ(4),量子科学(5)
受講上のアドバイス:初めて聞く言葉や概念が多いと思うので,分からないところはそのままにしないで教員の部屋まで積極的に聞きに来ること。復習を十分すること。レポートは欠かさず提出すること。授業開始時に出欠をとり,その際返事がなく,その後入室してきた者は遅刻とする。遅刻3回で1回の欠席とする。授業開始時から25分以上遅れたものは1欠課とみなす。
量子力学の基礎と物質内部における電子の振る舞いについて理解を深めることを本科目における最重要目標とする。
課題・レポートは必ず提出すること。
| 分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
| 基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | |
| 平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 3 | |
| 直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | |
| 等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | |
| 平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
| 物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | |
| 自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
| 水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
| 物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
| 力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
| 質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
| 重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | |
| フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
| 慣性の法則について説明できる。 | 3 | |
| 作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
| 運動の法則について説明できる。 | 3 | |
| 運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
| 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
| 静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | |
| 最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
| 動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
| 仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
| 物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
| 重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
| 弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
| 力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
| 物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | |
| 運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | |
| 運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
| 周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | |
| 単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | |
| 等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | |
| 万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | |
| 万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
| 力のモーメントを求めることができる。 | 3 | |
| 角運動量を求めることができる。 | 3 | |
| 角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | |
| 剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | |
| 重心に関する計算ができる。 | 3 | |
| 一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | |
| 剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | |
| 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
| 時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | |
| 熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | |
| 物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | |
| 動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | |
| ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | |
| 気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | |
| 熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | |
| エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
| 不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | |
| 熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | |
| 波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 4 | |
| 横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
| 波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
| 波の独立性について説明できる。 | 3 | |
| 2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
| 定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
| ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
| 波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
| 弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
| 気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
| 共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
| 一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
| 自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
| 光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
| 波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |
| 電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 4 | |
| クーロンの法則が説明できる。 | 4 | |
| クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 4 | |
| 電場・電位について説明できる。 | 4 | |
| オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 4 | |
| 抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 4 | |
| ジュール熱や電力を求めることができる。 | 4 | |