物理化学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理化学
科目番号 0111 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 反応速度論(真船文隆, 廣川淳)
担当教員 守友 博紀

到達目標

学習目標:反応速度論について理解し、種々の化学反応の反応機構の取り扱い方を学習する。

到達目標
1. 反応速度式の表し方を理解する。
2. 定常状態近似を用いて種々の反応を解析できるようになる。
3. 固体表面反応の機構を理解する。
4. 光化学反応について理解する。

ルーブリック

不可
評価項目1反応速度式に関して具体的な反応を用いながら自分の言葉でその意味を説明できる。反応速度式に関して自分の言葉でその意味を説明できる。反応速度式を書くことができる。反応速度式を書くことができない。
評価項目2定常状態近似の意味を説明でき, それを用いて, 種々の反応の反応を定量的に自分の手で解析することができる。定常状態近似の意味を説明でき, それを用いて, 種々の反応の反応を解析することができる。定常状態近似により反応を解析することができる。定常状態近似を理解していない。
評価項目3固体表面反応の特徴を, 具体的な反応例もあげつつ自分の言葉で定量的に説明できる。固体表面反応の特徴を具体的な反応例もあげつつ自分の言葉で説明できる。固体表面反応の特徴を自分の言葉で説明できる。固体表面反応の特徴を理解していない。
評価項目4光化学反応の特徴を, 具体的な反応例もあげつつ自分の言葉で定量的に説明できる。光化学反応の特徴を具体的な反応例もあげつつ自分の言葉で説明できる。光化学反応の特徴を自分の言葉で説明できる。光化学反応の特徴を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

基礎となる学問分野:無機化学・物理化学・有機化学

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「(3) 基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

授業の概要:化学反応は熱力学的支配と速度論的支配のもと進行する。本講義では, 反応速度論について学習を進め, 化学反応を定量的に解析する手法を身につけることを目指す。
授業の進め方・方法:
授業方法:講義は全て電子黒板を用いて行う。資料などはTeamsにて配布するので, 必要であれば各自で印刷して準備すること。おおよそ1週に1章のペースで進めるので, しっかりついてくること。

成績評価方法:試験を70%, その他小テストやミニレポートを30%を目安に成績を判定する。試験には, 自筆で記入したA4用紙(裏表利用可)と電卓の持ち込みを許可する。各期のスコアを単純平均し, 60点以上であれば単位を認定する。再試験は原則として実施しない。
注意点:
履修上の注意:本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。
(授業時間外の学修)テキストの一部分を自習箇所とする。該当箇所は授業中にしていするので, 指定された部分は参考書を参考にしつつ自習すること。

履修上のアドバイス:この科目は専門科目である。受動的な態度で講義に臨んでいては,決して内容は身につかない。講義の前には,テキストの指定した箇所を必ず読んでくること。安易に「暗記」に頼ることがないよう心掛けよ。化学という学問の本質を理解できるよう,常にLogicalな思考を続けながら講義に臨んでほしい。
(事前に行う準備学習)教科書の該当箇所を読んでおく。

基礎科目:化学I(全系2年),化学II(全系3年), 一般化学(先進3年), 微分積分IおよびII(全系2, 3年)

関連科目:有機化学I(先進4)およびII(先進5),化学実験(先進4)


受講上のアドバイス:※本科目は環境ならびにエネルギー人材育成関連科目である。
・基本的な微分積分や微分方程式に関する知識は身についている前提で授業を行う。
・物事を学ぶためには、同じ事柄が記述してあるテキストを最低3冊は読む必要がある。授業中に紹介する参考書にも目を通し,自ら学びを深めていく姿勢を望む。遅刻の取扱については,授業開始10分後から「欠席」とみなす。

参考書:アトキンス物理化学

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス, 反応速度と速度式 反応速度の定義および反応速度式の表し方を理解する。
2週 素反応と複合反応 素反応, 可逆反応, 並発反応, 逐次反応の機構を理解する。
3週 定常状態近似とその応用 定常状態近似を用いて種々の反応の反応式を解析できるようになる。
4週 触媒反応 触媒反応の機構を理解する。
5週 反応速度の解析法 微分法, 積分法, 分離法, 初速度法, 緩和法について理解する。
6週 衝突と反応 衝突理論に基づき反応を定量的に説明できるようになる。
7週 固体表面での反応 固体表面反応の機構を理解する。
8週 【中間試験】
2ndQ
9週 溶液中の反応 溶液中における物質の拡散について理解する。
10週 光化学反応 光化学反応の特徴を理解する。
11週 統計熱力学入門 分配関数の概念を直感的に理解する。
12週 同上 同上
13週 遷移状態理論 遷移状態理論に基づき反応を定量的に解析できるようになる。
14週 同上 同上
15週 【期末試験】
16週 試験返却, 総まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】物理化学実験反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験小テスト, ミニレポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000