無機化学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 無機化学
科目番号 0113 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書;無機化学 第3版 その現代的アプローチ(平尾一之, 田中勝久, 中平敦), 文部科学省検定済教科書「化学 Vol. 2 物質編」(東京書籍)
担当教員 守友 博紀

到達目標

学習目標:錯体化学, 固体化学の基礎基本を身につける。さまざまな無機物質の性質や製法を理解する。

到達目標
1. 固体の諸性質を理解し説明できる。
2. 遷移金属錯体の諸性質を理解し説明できる。
3. 代表的な無機物質の性質や製法を理解し説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1固体の性質を具体例をあげながら説明できる。固体の性質を説明できる。固体の性質を理解している。固体の性質を理解できていない。
評価項目2遷移金属錯体の性質や特徴を, 具体的な例をあげながら自らの言葉で説明できる。遷移金属錯体の性質や特徴を, 自らの言葉で説明できる。遷移金属錯体の性質や特徴を説明できる。遷移金属錯体の性質や特徴を説明できない。
評価項目2代表的な無機物質の性質や製法を, 具体的な例をあげながら自らの言葉で説明できる。代表的な無機物質の性質や製法を, 自らの言葉で説明できる。代表的な無機物質の性質や製法を説明できる。代表的な無機物質の性質や製法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

基礎となる学問分野:無機化学・物理化学・有機化学

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「(3) 基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

授業の概要:化学は大きく分類して無機化学,有機化学,物理化学の分野があるが, その中一つ無機化学を学習する。無機化学は非常に幅広い分野であるため, 「広く・浅く」学習することを目指し, 錯体化学・固体物性化学・各元素の概論を理解することを目指す。
授業の進め方・方法:
授業方法:講義は全て電子黒板を用いて行う。資料などはTeamsにて配布するので, 必要であれば各自で印刷して準備すること。

成績評価方法:試験70%, 小テストや各種演習30%の割合で各期の成績を評価する。試験には, 自筆で記入したA4用紙(裏表利用可)と電卓の持ち込みを許可する。
※後期末段階の成績が60点未満の者には,出席状況や授業態度が良好であれば,事前指示を与えた上で再試験を実施する。再試験の結果は,最終成績の上限を60点として,当該定期試験の結果と読み替える。
注意点:
履修上の注意:本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。
(授業時間外の学修)テキストの一部分を自習箇所とする。該当箇所は授業中にしていするので, 指定された部分は参考書を参考にしつつ自習すること。

履修上のアドバイス:この科目は専門科目である。受動的な態度で講義に臨んでいては,決して内容は身につかない。講義の前には,テキストの指定した箇所を必ず読んでくること。安易に「暗記」に頼ることがないよう心掛けよ。化学という学問の本質を理解できるよう,常にLogicalな思考を続けながら講義に臨んでほしい。
(事前に行う準備学習)教科書の該当箇所を読んでおく。

基礎科目:化学I(2年),化学II(3), 一般化学(3)

関連科目:有機化学(4年),先進科学実験(4), 現代化学(5), 物質化学(5)

受講上のアドバイス:※本科目は環境ならびにエネルギー人材育成関連科目である。
物事を学ぶためには、同じ事柄が記述してあるテキストを最低3冊は読む必要がある。授業中に紹介する参考書にも目を通し,自ら学びを深めていく姿勢を望む。遅刻の取扱については,出席を確認した段階で所在が確認できなければ欠席とみなすこととする。

参考書:シュライバー・アトキンス無機化学, レイナーキャナム無機化学

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス, これまでの復習 ガイダンス, 酸と塩基, 酸化還元について復習する。
2週 錯体化学①;配位化合物と配位結合, 命名法 配位結合を量子論に基づいて理解し, 命名法に基づき配位化合物に正しく命名できる。
3週 配位化学②:結晶場理論, 錯体の電子状態 結晶場理論に基づき錯体の諸性質を説明できるようになる。錯体の光吸収スペクトルを解釈できるようになる。
4週 配位化学③:錯体の安定度 錯体の安定性を熱力学に基づいて議論できるようになる。
5週 固体化学①;結晶構造, 非晶質固体 結晶構造と対称性を理解する。非晶質の諸性質を理解する。
6週 固体化学②;結合と結晶構造 金属結晶, イオン結晶, 分子結晶についてその構造を理解する。イオン結晶については, ボルンハーバーサイクルに基づき格子エネルギーを見積もることができるようになる。
7週 固体化学②:固体の電子構造と電気伝導 バンド理論を身につける。
8週 【中間試験】
4thQ
9週 非金属元素の単体と化合物① 代表的な遷移元素の単体と化合物について, それらの諸性質や工業的製法を理解する。
10週 非金属元素の単体と化合物② 同上
11週 非金属元素の単体と化合物③ 同上
12週 遷移元素の単体と化合物① 代表的な遷移元素の単体と化合物について, それらの諸性質や工業的製法を理解する。
13週 遷移元素の単体と化合物② 同上
14週 遷移元素の単体と化合物③ 同上
15週 【期末試験】
16週 試験返却, 総まとめ。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4後9
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4後3,後4,後5,後6
錯体の命名法の基本を説明できる。4後3,後4,後5,後6
配位数と構造について説明できる。4後3,後4,後5,後6
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4後3,後4,後5,後6
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4後9,後10,後11,後12,後13,後14
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4後1,後2
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4後1
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4後2
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4後2
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4後1
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4後1
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4後1
錯体の生成について説明できる。4後7
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4後1
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4後1
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野(実験・実習能力)分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000