複素解析

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 複素解析
科目番号 0151 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:上野健爾[監修] 高専テキストシリーズ 応用数学(森北出版)
担当教員 島田 悠彦

到達目標

学習目的:複素数の基本的な計算から始めて,複素数を変数とする関数(複素関数)の微分積分学について学ぶ。

到達目標
1.複素数の基礎事項や性質を理解する。
2.複素関数とその極限や導関数の性質を理解する。
3.複素関数の積分を習得する。
4.ローラン展開と留数定理を理解する。

ルーブリック

不可
評価項目1極形式について理解している。複素平面について理解している。複素数を理解している。複素数についての理解が不十分である。
評価項目2複素関数の導関数を求めることができる。複素関数の極限を求めることができる。複素関数を理解している。複素関数の理解が不十分である。
評価項目3コーシーの積分表示を理解している。コーシーの積分定理を理解している。複素積分を理解している。複素積分の理解が不十分である。
評価項目4留数定理を用いて,定積分の値を求めることができる。ローラン展開を求めることができる。級数を理解している。級数の理解が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:数学・物理

基礎となる学問分野:解析学,応用数学およびその関連分野/基礎解析学関連

学習教育目標との関連:本科目は「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化および情報技術の習得とそれらを応用することができる,Aー1:数学,物理を中心とした自然科学及び情報技術の幅広い分野の知識を修得し,これらの知識を組み合わせることも含めて応用することができる」である。

授業の概要:複素関数では,コーシーの積分定理をはじめとして,実数を変数とする関数とはかなり異なった理論が展開され,最終的には留数定理とよばれる複素関数の積分定理に到達する。留数定理を実関数の積分に応用することによって,実数の中では計算が困難な積分の値を求めることができる。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心にして授業を進めていくが,同時に演習時間を出来るだけ多く設け,講義内容をより深く理解し,更に自力で問題を解く力が身につくように配慮する。

成績評価方法:4回の定期試験の結果(同等に評価し60%)とその他(演習・提出物等,40%)の合計により評価する。なお,成績によっては追加レポート課題を課すことがある。
注意点:
履修上の注意:本科目は,学年の課程修了のために履修(⽋席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須の科目である。

履修のアドバイス:復習を必ず行い,また自力で演習問題を解くことによって講義内容をより深く理解していくことが大切である。事前に行う準備学習として,微分積分Ⅰの極座標表示や微分積分Ⅱのテイラー展開とオイラーの公式を復習しておくとよい。

基礎科目:基礎数学(1年),基礎数学演習(1),微分積分Ⅰ(2),基礎線形代数(2),総合理工演習(2),微分積分Ⅱ(3),基礎微分方程式(3),応用数学Ⅰ(4),応用数学Ⅱ(4)

関連科目:高等数学を使う理工系科目一般

受講上のアドバイス:複素関数ではさまざまな定理が精緻に組み合わされて理論が展開されていく。それぞれの定理の間の相互関係を,しっかりと理解するように心がけることが必要である。また,講義内容をよく理解し,自分で問題を解くことが重要である。自力で解法を見出すことを大切にしてほしい。授業開始時刻に遅れた場合,20分までは遅刻,それ以降は欠課として扱う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,複素平面 複素数とその計算を理解する。
2週 複素平面 共役複素数,複素平面を理解する。
3週 複素平面 複素数の絶対値,2点間の距離を理解する。
4週 極形式 複素数の偏角,極形式を理解する。
5週 極形式 極形式による複素数の積と商,ド・モアブルの公式を理解する。
6週 極形式 オイラーの公式,n乗根を理解する。
7週 (前期中間試験)
8週 前期中間験の答案返却と試験解説
2ndQ
9週 複素関数 複素関数を理解する。
10週 基本的な複素関数 指数関数,三角関数を理解する。
11週 複素関数の極限 複素関数の極限,複素関数の連続性を理解する。
12週 コーシー・リーマンの関係式 複素関数の微分可能性と正則関数を理解する。
13週 コーシー・リーマンの関係式 コーシー・リーマンの関係式を理解する。
14週 正則関数とその導関数 導関数の公式,指数関数の導関数,三角関数の導関数を理解する。
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の答案返却と試験解説
後期
3rdQ
1週 複素関数の積分 複素平面上の曲線,複素積分を理解する。
2週 複素関数の積分 複素積分の性質を理解する。
3週 複素関数の積分 単一閉曲線に沿う積分を理解する。
4週 コーシーの積分定理 コーシーの積分定理を理解する。
5週 コーシーの積分定理 コーシーの積分定理を理解する。
6週 コーシーの積分表示 コーシーの積分表示を理解する。
7週 コーシーの積分表示 コーシーの積分表示の拡張を理解する。
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と試験解説
10週 級数 数列の極限,数列の収束と発散,等比級数,べき級数とその収束半径,関数のべき級数展開を理解する。
11週 テイラー展開 正則関数のテイラー展開を理解する。
12週 ローラン展開 ローラン展開を理解する。
13週 留数 孤立特異点,孤立特異点の分類,留数,極の位数と留数を理解する。
14週 留数定理 留数定理,実積分への応用を理解する。
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の答案返却と試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力0000000
専門的能力60000040100
分野横断的能力0000000