先進科学実験

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 先進科学実験
科目番号 0159 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 総合理工学科(先進科学系) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 資料配布
教科書:物理学実験テキスト(ガイダンス時に配布する)
担当教員 佐々井 祐二,廣木 一亮,守友 博紀,粟井 貴子

到達目標

目標:実験を通じて,化学分野と物理学分野の学習内容を深め,確かな実験技術の習得を目指す。

到達目標
【化学分野】
1. 物理化学分野の基礎的な実験技術を身につけ,データの解析を行うことができる。
2. 無機・分析化学分野の基礎的な実験技術を身につけ,データの解析を行うことができる。
3. 有機化学分野の基礎的な実験技術を身につけ,初歩的な合成実験を自分の手で行うことができるようになる。
【物理学分野】
4. 実験器具の取り扱いを理解し,安全に正しく,主体的かつ強調的に問題解決できる能力を獲得する。
5. 実験結果をレポートにまとめることで,グラフ,文章,式等で表現できる能力を獲得する。
6. 実験結果から物理的に考察し,説明できる。
7. 目的達成のために他者と協調・協働して行動できる。

ルーブリック

不可
評価項目1物理化学分野の実験を確実に正しく行うことができ,精度の高い測定を行うことができるようになるとともに, 正しい文章で報告書を作成することができる。物理化学分野の実験を確実に正しく行うことかができ,正しい文章で報告書を作成することができる。物理化学分野の実験を確実に正しく行うことができ,最低限の報告書を作成することができる。左記に到達できていない。
評価項目2無機・分析化学分野の実験を確実に正しく行うことができ,精度の高い分析を行うことができるようになるとともに,正しい文章で報告書を作成することができる。無機・分析化学分野の実験を確実に正しく行うことができ,正しい文章で報告書を作成することができる。無機・分析化学分野の実験を確実に正しく行うことができ,最低限の報告書を作成することができる。左記に到達できていない。
評価項目3代表的な有機化学反応に関して,合成,精製,生成物の構造解析に至るまで自らの手で行うことができるようになり,得られた結果を元に正しい文章で報告書を作成できる。代表的な有機化学反応に関して,合成,精製,生成物の構造解析を手本どおりに行えるようになり,得られた結果を元に正しい文章で報告書を作成できる。代表的な有機化学反応に関して,合成,精製,生成物の構造解析を手本どおりに行えるようになり,得られた結果を元に最低限の報告書を作成できる。左記に到達できていない。
評価項目4物理学分野について,実験装置・器具・情報機器等を利用し目的を達成する手法が大変よく理解できる。物理学分野について,実験装置・器具・情報機器等を利用し目的を達成する手法が理解できる。物理学分野について,実験装置・器具・情報機器等を利用し目的を達成する手法がほぼ理解できる。左記に到達できていない。
評価項目5物理学分野について,実験結果を適切にレポートにまとめることができる。物理学分野について,実験結果をレポートにまとめることができる。物理学分野について,実験結果をレポートにまとめることがほぼできる。左記に到達できていない。
評価項目6物理学分野について,実験結果から物理的に適切に考察し,説明できる。物理学分野について,実験結果から物理的に考察し,説明できる。物理学分野について,実験結果から物理的に考察し,ほぼ説明できる。左記に到達できていない。
評価項目7物理学分野について,目標達成のために積極的に他者と協調・協働して行動できる。物理学分野について,目標達成のために他者と協調・協働して行動できる。物理学分野について,目標達成のために他者と協調・協働してだいたい行動できる。左記に到達できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は他機関でポリマーやモノマーの合成など化学に関する研究に従事していた教員が,その経験を活かし,実験を通じて物理化学・無機化学・分析化学・有機化学における学習内容を深め確かな実験技術の習得を目指すことを目的として実験実習形式で授業を行うものである。

一般・専門の別:専門

基礎となる学問分野:無機化学・物理化学・有機化学,数物系科学/物理/物理一般

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「(3)基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(D)課題解決能力,研究能力,コミュニケーション能力,プレゼンテーション能力を身に付けそれらを発揮することができる,D-1:ハードウェア・ソフトウェアを利用した適切な方法を用いて,要求された機械・制御システムを制約の下で,種々の科学,技術及び情報を活用して社会の要求を解決するためのデザイン能力を修得する。」であるが,付随的には「A-2」,「C-1」,「D-2」にも関与する。

概要:前期に化学分野(主に有機化学,無機・分析化学,物理化学),後期に物理学分野の実験を行い,各テーマで実験結果の整理・解析と報告書の作成を行う。
授業の進め方・方法:
授業方法:
【化学分野】
提示される複数のテーマに分かれ,実験計画を立案し実験期間内に完了させる。順番にテーマを交代し,全ての実験を完結させる。
【物理学分野】
4~5名のグループに分かれて,11テーマの実験を行う。実験結果を整理し検討・考察を行い,報告書にまとめ,担当教員に提出する。

成績評価方法:
化学分野,物理学分野がそれぞれ以下の方針で成績を評価する。化学分野と物理学分野の両方の合格をもって,本科目を合格とする。本科目のスコアは化学分野・物理学分野の成績の単純平均とする。
【化学分野】
各テーマで作成した報告書によって評価する。化学分野成績は,全ての報告書の点数の単純平均とする。全てのテーマの報告書が60点以上のスコアとなれば,化学分野を合格とする。
【物理学分野】
実験報告書(80%),出席状況および授業態度(実習テキストなどの忘れ物も実験態度に含める)(20%)で評価する。実験報告書について,問題がない場合を85点程度とし,内容と提出状況により減点する。もちろん,優秀な実験レポートに対しては加点もある。全てのレポートの提出・および合格をもって,物理学分野を合格とする。

実験レポートに関して、データの改竄、盗用、剽窃、剽窃幇助など研究倫理に反する不正行為があると担当教員が判断した場合は、そのレポートは0点として処理し、原則として再提出を認めない。(研究倫理に関する資料は日本学術振興会のWebページからも確認できる。https://www.jsps.go.jp/j-kousei/rinri.html)
注意点:
履修上の注意点:本科目は必修科目であるため,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の5分の1以下)および単位修得が必須である。

履修のアドバイス:
【化学分野】
実験を行う前に実験ノートを作成し,スムーズに実験ができるよう準備をしておくこと。有機化学分野は操作や試薬の意味・役割を熟知していないと大事故につながるため,これらを確認するために実験前に口頭試問を課す。口頭試問に合格していない場合は,安全上の観点からも実験の受講を認めることができないので注意すること。無期分析・物理化学分野ではPCを持参しておくとスムーズである。
【物理学分野】
事前に行う準備学習として,実験テキストで内容や手順を十分把握し,事前レポートを作成し当日持参すること。電卓,実験ノートおよび,データ整理,レポート作成のため,各自のPCを必ズ持参すること。未提出の実験レポートがある場合,本実験の単位は認められない。

基礎科目:化学I(全系2年),化学II(全系3年),一般化学(先進3年),物理I(1年),物理II(2),先進科学実験I(2),力学I・II・III(3),一般物理学(3),3年次までの数学
関連科目:無機化学(先進4),有機化学(先進4),剛体の力学(4年),解析力学(4),電磁気学(4),現代物理学(4),量子科学(5),光エレクトロニクス(5),現代化学(5),物質化学(5)

受講上のアドバイス:
【化学分野】
実験を行う前には十分に予習を行い,実験が単なる作業とならないよう注意すること。実験科目であるので,遅刻・欠席をしないこと。遅刻の取扱については,実験開始時の安全教育に不在の場合は実験を「欠席」したとみなすので注意すること。
【物理学分野】
授業開始時刻に遅刻を確認する。各時限において15分以上の遅刻は欠課扱いとする。実験報告書は〆切までに確実に提出すること。データを取り終わっても,レポート作成作業をしないで雑談している場合,授業態度を減点する。実験時間を有意義に過ごして欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学分野ガイダンス,安全教育 安全に実験を行うための注意事項を理解し,自分のものにする。
2週 有機化学実験① 正しく,確実に実験を行うことができる。得られた結果を整理・解析し,報告書を作成できるようになる。
3週 同上 同上
4週 有機化学実験② 同上
5週 同上 同上
6週 有機化学実験③ 同上
7週 同上 同上
8週 【予備日】 同上
2ndQ
9週 物理化学実験① 同上
10週 同上 同上
11週 物理化学実験② 同上
12週 同上 同上
13週 無機・分析化学実験 同上
14週 同上 同上
15週 【予備日】 同上
16週 総まとめ,器具点検,大掃除 同上
後期
3rdQ
1週 物理学分野ガイダンス 実験の進め方・まとめ方・注意事項の理解,班分け,テキスト配布
2週 ずれ弾性率(以下の実験順は班により異なる) 実験実施
3週 コンピュータシミュレーション(2球の衝突,月ロケット,波動,電場と電位から1テーマ選択) 同上
4週 光の速度 同上
5週 回折格子 同上
6週 電子の比電荷 同上
7週 フランクヘルツの実験 同上
8週 (後期中間試験期間)実験予備日 再実験, レポート指導
4thQ
9週 プランク定数 実験実施
10週 放射線計測 同上
11週 霧箱実験 同上
12週 RaspberryPi計測実験1(Linux系OSでのプログラミング,LED点灯・点滅) 同上
13週 RaspberryPi計測実験2(温度計測) 同上
14週 実験予備日 再実験, レポート指導
15週 (後期末試験期間)実験予備日 再実験, レポート指導
16週 総合指導

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他レポート合計
総合評価割合000000100100
基礎的能力00000000
専門的能力000000100100
分野横断的能力00000000