到達目標
【学習目的】
一般的なロボットの機能,構成,動作,駆動及び制御手法といったロボット工学の基礎知識の獲得し,ロボットの設計や機能を実現するために必要な技術力や問題解決能力を深める。
【到達目標】
1.ロボット設計に必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法を理解し,説明できる。
2.ロボット設計のための機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を学ぶ。
◎3.工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点に配慮しつつ,課題解決のための設計解(システム・構成要素・工程)を創案できる。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | ロボット設計に必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法を適切に理解し,自分の言葉で説明できる。 | ロボット設計に必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法を概ね理解し,教科書などの言葉を用いて簡単に説明できる。 | ロボット設計に必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法を概ね理解し,教科書や参考書からヒントを得ながら説明できる。 | ロボット設計に必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法の基礎知識が不十分で説明できない。 |
評価項目2 | ロボット設計に関連する機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を主体的に学び,それらの知識を応用することができる。 | ロボット設計に関連する機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を主体的に学び,それらの知識を活用することができる。 | ロボット設計に関連する機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を主体的に学ぶことができる。 | ロボット設計に関連する機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を主体的に学ぶことができない。 |
評価項目3 | ロボット設計における工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点を持って学ぶことができ,課題解決のための設計解(システム・構成要素・工程)を創案できる。 | ロボット設計における工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点を持って学ぶことができ,課題解決のためのプロセスを提示し議論できる。 | ロボット設計における工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点を持って学ぶことができる。 | ロボット設計における工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点を持って学ぶことができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
【一般・専門の別】
専門
【学習の分野】
材料・設計と生産
【対象学年】
5年 ロボティクスプログラム
【基礎となる学問分野】
工学/機械工学,電気電子工学,情報工学,制御工学
【学習教育目標との関連】
本科目は総合理工学科学習教育目標「③基盤となる専門性の深化」に相当する。
【技術者教育プログラムとの関連】(機械システム系)
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(D) 課題解決能力,研究能力,コミュニケーション能力,プレゼンテーション能力を身に付けそれらを発揮することができる 」である。
【授業の概要】
ロボット設計のための機械設計及び計測制御分野の専門性の深化を目指して,ロボットを分解することで,ロボットがどう作られ,どのように動かされ,どのような性質を持っているか等を解説する。また,設計の観点からのロボットの移動機構や,機能を実現するための方法論や考え方を示し,ロボットの構成要素であるセンサ等の計測制御技術について解説する。
授業の進め方・方法:
【授業の方法】
<津山>板書を中心に授業を進めていくが,演習問題等で講義内容を理解し易くする。また,資料やビデオ等の教材を適宜利用
し実技術との関わりを意識させ,適宣グループワークを行うことで,主体的に学ぶ機会をつくる。
<大連>3週間の集中講義で実施される,各回,講義と演習との組み合わせで実施され,現地の学生を含めたチームによる協働作業で知能化自動車の制御システムを作成を行う。
【成績評価方法】
<津山>4回の定期試験(またはレポート)をそれぞれ同等に評価する(70%)。また,演習・グループワークを評価する(30%)。
※特別な事情がある場合に限り,後期末(前期終了科目は前期末)段階の成績が60点未満の者には,出席状況や授業態度が良好であることを前提に,事前指示を与えた上で再試験を実施する。再試験の結果は,最終成績の上限を60点として,当該定期試験の結果と読み替える。
<大連>各回の取り組み状況(20%)と,最終報告書(40%)とプレゼンテーション(40%)によって評価する。
注意点:
【履修上の注意】
本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。
【履修のアドバイス】
ロボティクスデザインはロボット工学概論をベースとし,ロボットの機能や構成を理解する必要がある.また,数学,制御工学,及び物理学等を基礎とするため,事前に行う準備学習として,下記に示す基礎科目を復習しておくことが望ましい。
【基礎科目】
機械設計製図Ⅰ(2年),基礎線形代数(2年),材料力学Ⅰ(3年),メカトロニクスⅠ(3年),機械設計製図Ⅱ(3年),材料力学Ⅱ(4年),応用数学Ⅰ・Ⅱ(4年),制御工学(4年),メカトロ二クスⅡ(4年),ロボット工学概論(4年)
【関連科目】
ロボットプログラミング(5年),ロボット制御(5年),応用設計工学(専1),制御機器特論(専1),応用制御工学(専2)
【受講上のアドバイス】
ロボティクスデザインは,包含する工業技術の範囲が非常に広く,多くの分野と密接に関係している。したがって,基礎科目の復習等万全な状態で講義に臨んでほしい。また,演習のために電卓を準備すること。なお,遅刻については,開始60分後までは状況に合わせて遅刻数欠課数を適用するが,それ以降は欠課として扱う。なお,本科目は,メカトロニクス人材育成関連科目である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
<津山>ガイダンス(シラバスの説明含む),ロボティクスデザインからみた「分解する」:ロボットの機能と構成 <大連>ガイダンス,人工知能の開発とコミュニケーション |
<津山>ロボティクスデザインの概要と構成要素・役割の分解からみた設計を理解する。 <大連>プロジェクトの概要理解 人工知能搭載ロボットおよびコミュニケーションの理解
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2週 |
<津山>デザインからみた「分解する」「移動する」「作業する」:ロボットの機能や構成,作業・移動等の運動におけるデザイン <大連>ロボティクスデザインの基礎① |
<津山>ロボットデザイン(設計)の観点からみた作業機能,構成要素,移動形態,移動原理や作業における理論を理解する。 <大連>モジュラーロボットの構成の理解 ステアリング・センサーのデバック
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3週 |
<津山>デザインからみた「計測する」「駆動する」:センサ及びアクチュエータの特性と使用方法 <大連>ロボティクスデザインの基礎② |
<津山>ロボットデザイン(設計)の観点からみた計測手段や駆動方法及び特性を理解する。 <大連>車輪型ロボットの基本機能の設計
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4週 |
<津山>駆動する(1):構造とアクチュエータDCサーボモータ <大連>ロボットの要素とその構築① |
<津山>ロボットの構造に対するアクチュエータの種類や用途,代表的なモータの駆動原理を理解する。 <大連>4輪車両ロボットの構築
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5週 |
<津山>駆動する(2):モータドライバ,動力伝達機構 <大連>ロボットの要素とその構築② |
<津山>ロボットの構造に対するモータドライバ,動力伝達機構について理解する。 <大連>センサーを使った追跡および障害物回避機能の実装
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6週 |
<津山>制御する(1):モータを動かす <大連>ソフトウェアインストールとプログラミング演習① |
<津山>モータ動作の関係式算出方法といった理論を理解する。 また自動制御の定義や概念を説明できる。基本的なラプラス変換を用いた関係式を解くことができる。 <大連>モジュラーロボット用プログラミングソフトウェアのインストール プログラミング演習(基礎的例題)
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7週 |
<津山>制御する(2):モータを制御する <大連>ソフトウェアインストールとプログラミング演習② |
<津山>モータの制御方法や状態量の算出方法を理解する。ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いた導出ができる。 <大連>プログラミング演習(基礎的課題) シングルチップマイコンへの実装
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8週 |
<津山>(後期中間試験) <大連>4輪ロボットの基本機能の理解と実装① |
<津山>これまでの内容を説明できる。 <大連>追従,直進,旋回,停止など基本動作の理解とプログラミング演習①
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2ndQ |
9週 |
<津山>中間試験の答案返却と解答解説 <大連>4輪ロボットの基本機能の理解と実装② |
<津山>上記に同じ。 <大連>追従,直進,旋回,停止など基本動作の理解とプログラミング演習②
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10週 |
<津山>行動を決定する(1):行動決定の分類,操縦型,教示型,自律型 <大連>4輪ロボットの基本機能を応用したロボティクスデザイン |
<津山>ロボットの行動決定の分類や概要について理解する。 <大連>基本動作の理解とビデオ撮影 基本動作を応用した機能設計
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11週 |
<津山>行動を決定する(2):軌道生成,行動生成,自律行動 <大連>4輪ロボットの基本機能を応用したロボティクスデザイン |
<津山>ロボットの行動決定の自律動作生成や軌道生成,行動生成について理解する。 <大連>基本動作を応用した機能設計とプログラム作成
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12週 |
<津山>行動を決定する(3):行動決定のための実例と実践 <大連>ロボットの応用機能の実装① |
<津山>ロボットの行動決定について,実例を検討して,手法構築の要点を理解する。 <大連>プログラミングとそのデバック①
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13週 |
<津山>デザイン(設計)する(1):ロボットのデザイン <大連>ロボットの応用機能の実装② |
<津山>ロボットのデザインについて,構成や手順を理解する。 <大連>プログラミングとそのデバック②
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14週 |
<津山>デザイン(設計)する(2):ロボットデザインの実例と実践 <大連>プロジェクトのまとめとプレゼンテーション① |
<津山>ロボットのデザインについて,実例を検討して,設計の要点を理解する。 <大連>プロジェクトのまとめとロボットに関する説明 プレゼン用ビデオ撮影・資料作成
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15週 |
<津山>(後期末試験) <大連>プロジェクトのまとめとプレゼンテーション② |
<津山>これまでの内容を説明できる。 <大連>プレゼンテーションの実施 教員による口頭試問と評価
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16週 |
<津山>後期末試験の答案返却と解答解説 |
<津山>上記に同じ。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 計測の定義と種類を説明できる。 | 3 | |
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。 | 3 | |
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。 | 3 | |
自動制御の定義と種類を説明できる。 | 3 | |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 3 | |
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。 | 3 | |
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。 | 3 | |
伝達関数を説明できる。 | 3 | |
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。 | 3 | |
制御系の過渡特性について説明できる。 | 3 | |
制御系の定常特性について説明できる。 | 3 | |
制御系の周波数特性について説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 課題・演習 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 20 | 0 | 90 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 |