機械工作法

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 機械工作法
科目番号 0029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 鬼鞍宏猷編著「機械製作要論」(養賢堂)
担当教員 竹村 明洋

到達目標

学修目標:基礎知識の解説のみならず,実際の生産プロセスにおける各種工作法の役割について説明し,それぞれを実践的に活用する手法を学ぶ。

到達目標
1.各種工作法を工作物の加工法観点から分類・整理し,説明することができる。
2.溶融加工,成形加工,除去加工に関する基礎的な概念を理解し,説明できる。
3.金属材料や鉄鋼材料の生産性に関連した基礎知識の必要性を理解し,目的に応じた材料加工法を選択することができる。
4.工作法に関する基礎的知識を理解し,専門用語を用いて説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1 各種工作法を工作物の加工法観点から分類・整理し,説明することができる。各種工作法を工作物の加工法観点から分類・整理し,説明することができる。5種類以上の工作法を工作物の加工法観点から分類・整理し,説明することができる。各種工作法のうち1種類を工作法の観点から分類・整理し,説明することができる。左記に達していない。
評価項目2 溶融加工,成形加工,除去加工に関する基礎的な概念を理解し,説明できる。溶融加工,成形加工,除去加工に関する基礎的な概念について理解し,説明できる。溶融加工,成形加工,除去加工に関する基礎的な概念について,2種類以上説明できる。溶融加工,成形加工,除去加工のうち1種類の基礎的な概念について,説明できる。左記に達していない。
評価項目3 金属材料や鉄鋼材料の生産性に関連した基礎知識の必要性を理解し,目的に応じた材料加工法を選択することができる。金属材料や鉄鋼材料の生産性に関連した基礎知識の必要性を理解し,目的に応じた材料加工法を設計し選択することができる。金属材料や鉄鋼材料の生産性に関連した基礎知識の必要性を理解し,材料加工法を選択することができる。金属材料あるいは鉄鋼材料の材料加工法を選択することができる。左記に達していない。
評価項目4 工作法に関する基礎的知識を理解し,専門用語を用いて説明できる。 工作法に関する基礎的知識を理解し,必要な情報をまとめ専門用語を用いて説明できる。工作法に関する基礎的知識を理解し,必要な情報をまとめ,説明できる。工作法に関する基礎的知識が説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:材料・設計と生産

必修・必履修・履修選択・選択の別:必履修

基礎となる学問分野:工学/機械工学/生産工学・加工学

学習・教育目標との関連:本科目は「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」である。

授業の概要:機械工作法とは機械や部品を生産するための技術であり,本授業では主に溶融加工,成形加工,除去加工について実験実習や身の回りの製品と関連させながら授業を進める。加工法のみならず,「設計・生産」という立場からも広く考え,生産と経済,自然科学との関係などとも関連付けることを心がける。
授業の進め方・方法:
授業の方法:主として板書を行うが,学習の進度に合わせグループワークを行い,「情報収集」・「情報精査」・「情報発信」をキーワードに課題を課す。また,実験実習で学習した事項との関連に注意しながら授業を進める。

成績評価方法:4回の定期試験の結果を同等に評価する(70%)。各試験は原則教科書, ノートの持ち込みを許可しない。各定期試験の結果が60点未満の人には補習,再試験により理解が確認できれば,点数を変更することがある。ただし,変更した後の評価は60点を超えないものとする。演習,レポート課題で評価する(30%)。
注意点:
履修上の注意:課程修了のための系必履修科目である。学年の課程修了のためには履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修上のアドバイス:教科書や参考資料に目を通すなど予習を行うこと。実験実習や身の回りの工業製品と講義内容対応させながら復習し,興味・関心を持ち理解を深めること。

基礎科目:総合理工入門(1年),総合理工実験・実習(1),総合理工基礎(1),機械システム工学実験実習Ⅰ(2),材料学(2)など

関連科目:機械システム実験実習Ⅱ(3年),機械システム工学実験(4),計測工学(4),生産工学(5),材料加工学(5) など

受講上のアドバイス:「工作法」は,機械工学を学ぶ技術者の基本的な素養として,技術用語の理解や工作の原理・特徴や用途の理解は必修である。設計と製造,それぞれの関係を念頭におき学習を進めてほしい。また,15分以上の遅刻は欠課扱いとする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 • ガイダンス,1年生で習った実験実習内容についての復習 •1年生で習った実験実習内容について機械工作法の授業との関連項目について確認できた。
2週 • 機械工作法の概要〔工作方法の分類および概要〕
•溶融加工の概要〔溶融加工の種類〕
•機械工作法の概要を理解できた。
•溶融加工について理解できた。
3週 •鋳造プロセス 〔各種鋳造方法について〕
•砂型鋳造法〔原理とプロセス〕
•鍛造プロセスについて理解できた。
•砂型鋳造法について理解できた。
4週 •金型鋳造法〔原理とプロセス〕
•その他の鋳造や成形法〔概要,方法〕
•金型鋳造法について理解できた。
•2~4週目を振り返り鋳造についての知識が深まった。
5週 •溶接法について〔溶接法の種類〕
•アーク溶接〔原理とプロセス〕
•溶接法について理解できた。
•アーク溶接法について理解できた。
6週 •ガス溶接〔原理とプロセス〕
•その他の溶接方法の原理とプロセス〔圧接,ろう付け,Tig等〕
•溶接法について理解できた。
•アーク溶接法について理解でき
7週 •その他の接合法の原理とプロセス〔概要,種類〕
•溶接金属の強度と変化〔溶接欠陥と検査方法〕
•接合方法の原理やプロセスについて理解できた。
•溶接部や溶接金属の強度変化について理解できた。
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 •成形加工について
•成形加工法の概要〔塑性加工の概要〕
•成形加工について理解できた。
10週 •塑性加工〔概要,種類〕
•圧延加工〔原理とプロセス〕
•塑性加工について理解できた。
•圧延加工について理解できた。
11週 •押出加工と引抜き加工〔原理とプロセス〕
•鍛造加工〔原理とプロセス〕
•押出加工と引抜加工について理解できた。
•鍛造加工について理解できた。
12週 •プレス成型加工〔原理とプロセス〕
•その他成形加工法〔概要,方法〕
•プレス成型加工について理解できた。
•全般的な成形加工法を調べた。
13週 •除去加工の概要〔切削加工の概要〕
•切削加工〔原理とプロセス〕
•切削工具と工作機械〔用途や種類〕
•除去加工の種類等について理解できた。
•切削加工を理解できた。
•切削加工に用いられる切削工具や機械を調べた。
14週 •研削加工〔原理とプロセス〕
•特殊切削法について〔概要,種類〕
•精密加工法について〔概要,方法〕
•研削加工を理解できた。
•特殊切削法について理解できた。
•精密加工法について理解できた。
15週 前期末試験
16週 • 前期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。3
鋳物の欠陥について説明できる。3
溶接法を分類できる。3
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。3
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。3
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。3
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。3
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。3
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。3
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。3
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。3
切削工具材料の条件と種類を説明できる。3
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。3
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。3
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。3
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。3
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000