材料学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 材料学
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:門間改三「大学基礎 機械材料」(実教出版),参考書:鈴村暁男,浅川基男「基礎機械材料」(培風館)など図書館に多くあるので,適宜参照すること。
担当教員 竹村 明洋

到達目標

学修目標
金属の結晶構造や組織と性質など,材料を理解する上で必要な在寮一般に共通する理論を学習する。それら則論を用いて実用材料に生じる諸現象を理解する能力を養う。実用材料について種類,性質,用途などを学習することによって製品開発や設計製作などの際に,最適材料を選択できる能力を養う。

到達目標
1. 材料組織の基礎となる原子の幾何学的な配列状態や平衡状態図の見方,変形や熱処理における組織変化を理解し,説明できる。
2. 実用材料に生じる諸現象を理解し,種類・性質・用途等について説明できる。
3. 鉄鋼材料や合金鋼の基礎的性質ならびに熱処理による組織変化および加工が性質におよぼす影響を理解,説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1材料組織の基礎となる原子の幾何学的な配列状態や平衡状態図の見方,変形や熱処理における組織変化を理解し,説明できる。材料組織の基礎となる原子の幾何学的な配列状態や平衡状態図の見方,変形や熱処理における組織変化を説明できる。材料学の基礎となる平衡状態図の見方や組織変化を説明できる。左記に達していない。
評価項目2実用材料に生じる諸現象を理解し,種類・性質・用途等について説明できる。実用材料に生じる諸現象を種類・性質・用途等について説明できる。実用材料に生じる諸現象を説明できる。左記に達していない。
評価項目3鉄鋼材料や合金鋼の基礎的性質ならびに熱処理による組織変化および加工が性質におよぼす影響を理解,説明できる。鉄鋼材料や合金鋼の基礎的性質ならびに熱処理による組織変化および加工が性質におよぼす影響を説明できる。金属材料全般に対す熱処理と組織変化について説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:材料・設計と生産

必修・必履修・履修選択・選択の別:必履修

基礎となる学問分野:工学/機械工学/機械材料・材料力学

学習・教育目標との関連:本科目は「(3)基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」である。
授業の概要:材料はあらゆる工業技術の根幹をなすものの一つで,それゆえ材料に関する知識を深化し,応用できる能力を身につけることは,機械技術者にとって必須である。金属材料,特に鉄鋼材料を中心に具体的な材料の性質や用途について解説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に行うが,サンプル提示したりして,理解を助けるとともに材料に関する興味を持たせる。また,理解が深まるよう学習の進度にあわせて,演習指導をする。

成績評価方法:4回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。試験には,教科書,ノートの持ち込みを許可しない。適宜,授業中に演習を行う(30%)。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のためには履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス:材料に関する理論を主に学習するので,やや難解な箇所もあるが,復習を十分して欲しい。身の回りには,次々に新しい材料が開発され,新聞やテレビなど一般のマスコミにもよく登場しているので,これらのニュースをよく見ていると,材料に対する興味が湧き,理解しやすい。

基礎科目:総合理工実験実習(1年)

関連科目:機械システム工学実験実習Ⅰ(2年),機械システム工学実験実習Ⅱ(3), 機械システム工学実験実習Ⅲ(4),機械工作法(2),機械設計製図Ⅰ・Ⅱ(2・3),化学Ⅰ・Ⅱ(2・3),機械設計法Ⅰ・Ⅱ(3・4),材料力学Ⅰ・Ⅱ(3・4),材料加工学(5)など
受講上のアドバイス:身の回りには,次々に新しい材料が開発され,新聞やテレビなど一般のマスコミにもよく登場しているので,これらのニュースをよく見ていると,材料に対する興味が湧き,理解しやすい。また,15分以上の遅刻,早退は欠課扱いとする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 〔工業材料と機械〕
2週 金属の通性〔結晶構造:結晶構造,格子欠陥(転位)〕
3週 金属の通性〔結晶構造:密度,体積率〕
4週 金属の通性〔結晶構造:結晶構造と金属の性質の関係〕
5週 金属の通性〔金属の変形:展性と延性〕
6週 金属の通性〔金属の変形:金属の結晶と塑性変形,加工硬化と再結晶〕
7週 前期中間試験,合金と平衡状態図〔合金とその通性:相,合金,固溶体と金属間化合物〕
8週 前期中間試験の返却と解答解説,合金と平衡状態図〔合金とその通性:純金属の凝固,合金の凝固と表し方〕
2ndQ
9週 合金と平衡状態図〔全率固溶体型状態図〕
10週 合金と平衡状態図〔てこの関係,純晶出する場合の共晶型状態図〕
11週 合金の平衡状態図〔固溶体を作る場合の共晶型状態図〕
12週 合金の平衡状態図〔固溶度曲線〕
13週 鉄と鋼〔純鉄の変態と組織〕
14週 鉄と鋼〔炭素鋼の平衡状態図〕
15週 前期期末試験
16週 前期末試験の返却と解答解説
後期
3rdQ
1週 鉄と鋼〔共析反応〕
2週 鉄と鋼〔亜共析鋼と過共析鋼〕
3週 鉄と鋼〔鋼の降伏点現象と標準組織の機械的性質〕
4週 鉄と鋼〔降伏現象と転位,時効〕
5週 鋼の熱処理〔冷却速度の影響,焼きなまし〕
6週 鋼の熱処理〔連続冷却変態曲線〕
7週 後期中間試験
8週 鋼の熱処理〔恒温変態曲線〕
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解答解説,鋼の熱処理〔恒温変態曲線とベイナイト組織〕
10週 鋼の熱処理〔焼きならし,焼入れ,焼き戻しなど〕
11週 鉄鋼材料〔炭素鋼,SS材,冷延鋼板〕
12週 鉄鋼材料〔高強度冷延鋼板,複合組織鋼,構造用合金鋼〕
13週 ステンレス鋼〔ステンレス鋼の防食性能〕
14週 ステンレス鋼〔ステンレス鋼の種類と特性〕
15週 学年末試験
16週 学年末試験の返却と解答解説,まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。1
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。2
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。2
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。2
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。2
切削工具材料の条件と種類を説明できる。2
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。2
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。2
計測制御計測の定義と種類を説明できる。2
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。2
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。2
自動制御の定義と種類を説明できる。2
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。2
制御系の過渡特性について説明できる。2
制御系の定常特性について説明できる。2
制御系の周波数特性について説明できる。2
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。2
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。2
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。2
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。2
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題・小テストその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000