機械システム工学実験実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械システム工学実験実習Ⅰ
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 実習テキスト,配布プリント
担当教員 細谷 和範,野中 摂護,西川 弘太郎

到達目標

【学習目的】
機械システム工学として必要な機械・電気・情報の技術を基礎的な実習を通じて総合的に体験させ,ものづくりに必要な分野横断的な融合力のある技術者の育成を目的とする。

【到達目標】
1.各種工作法の技能および基礎技術を習得し,各種工作機械の構造と機能の理解を深め,技術者として望ましい態度や習慣を身に付ける。
2.電気電子に関する各種の計測,試験法等の技術を習得し,専門科目について学習した内容について実験を通して理解する。
3.情報処理に関する基本的な知識や技術を,体験的に修得する。

ルーブリック

不可
各種工作法の技能および基礎技術を習得し,各種工作機械の構造と機能の理解を深め,技術者として望ましい態度や習慣を身に付ける。技術者として必要な素養と,各種工作機械の構造と機能がわかり,応用的な作業ができる。技術者として必要な素養あるいは,各種工作機械の構造と機能がわかり,基本的な作業ができる。技術者として望ましい態度や習慣に関して考えたことがあり,主体性を持って参加することがでる。技術者として望ましい態度や習慣に関して考えたことがなく,主体性を持って参加することができず,実習することができない。
電気電子に関する各種の計測,試験法等の技術を習得し,専門科目について学習した内容について実験を通して理解する。電気系実習へ主体的に参加し,専門科目の講義内容と関連付けることができる。電気系実習を,主体性を持って参加することができる。電気系実習に参加し,実習することができる。電気系実習を,主体性を持って参加することがでず,実習することができない。
情報処理に関する基本的な知識や技術を,体験的に修得する。情報系実習へ主体的に参加し,専門科目の講義内容と関連付けることができる。情報系実習を,主体性を持って参加することができる。情報系実習に参加し,実習することができる。情報系実習を,主体性を持って参加することができず,実習することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【一般・専門の別】
専門

【学習の分野】
実験・実習他

【対象学年】
2年 機械システム系

【授業形態】
実験・実習・その他

【学期】
通年

【基礎となる学問分野】
工学/機械工学,電気電子工学,情報工学

【学習教育目標との関連】
本科目は「③基盤となる専門性の深化」および「⑥課題探求・解決能力の育成」に相当する科目である。

【技術者教育プログラムとの関連】
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」である。

【授業の概要】
本実習では機械系実習,電気/情報系実習に分けて実習を行う。機械系実習ではものづくりの基礎を修得し,電気/情報系実習では電気および情報に関する基礎的な概念について学ぶ。
授業の進め方・方法:
【授業の方法】
クラスを4グループに分け,12テーマの実習を巡回して実施する。以下に示す授業計画は第1グループの例である。得られた結果は報告書にまとめ,提出する。

【成績評価方法】
実習報告書および作品(60%),出席状況および授業態度(なお,授業態度には,服装および実習テキストなどの忘れ物も対象とする)(40%)
注意点:
【履修上の注意】
本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の5分の1以下)および単位修得が必須である。

【履修のアドバイス】
本科目の単位を修得するには,実習テーマすべてにおいて指示された報告書および作品(課題)の提出・受理が必要である。また,習得した技能・技術は3年生以降においても大いに活用する。準備学習として事前にテキストを読んでおくこと。

【基礎科目】
総合理工実験実習(1年)

【関連科目】
機械システム工学実験実習Ⅱ(3年),機械システム工学実験(4)

【受講上のアドバイス】
速やかに実習ができるように事前にテキストを読んでおくこと。また,本実習は機械工作など危険を伴う作業があるため,各指導教員の指示には十分従うこと。欠席した場合は,速やかに実習担当教員に連絡を取り,補習の手続きを行うこと。実習開始5分前には,第1実習工場前に実習服および実習帽を着衣の上,全員集合すること。点呼時に不在の場合,遅刻とする。実習開始時に不在の場合,欠課とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスと実習に関する安全教育〔心構え,報告書のまとめ方〕(共通) 実験実習において注意する事項を理解する。報告書をまとめる事が出来る。

なお全ての週において,以下の目標を設定する。

物理,化学,情報,工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。
実験装置や測定器の操作,及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け,安全に実験できる。
実験データの分析,誤差解析,有効桁数の評価、整理の仕方,考察の論理性に配慮して実践できる。

実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。
実験データを適切なグラフや図,表など用いて表現できる。

実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。
レポートを期限内に提出できるように計画を立て,それを実践できる

代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。

実験・実習の目標と心構えを理解し,実践できる。
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し,実践できる。
レポートの作成の仕方を理解し,実践できる。

加工学実験,機械力学実験,材料学実験,材料力学実験,熱力学実験,流体力学実験,制御工学実験などを行い,実験の準備,実験装置の操作,実験結果の整理と考察ができる。
実験の内容をレポートにまとめることができ,口頭でも説明できる。
2週 計測〔ノギス,マイクロメータ等の計測機器の使用方法〕 ノギス,マイクロメータ等の計測機器の使用方法を理解する。

なお全ての週の到達目標に加え以下の目標を設定する。

計測の定義と種類を説明できる。
測定誤差の原因と種類,精度と不確かさを説明できる。
国際単位系の構成を理解し,SI単位およびSI接頭語を説明できる。

ノギスの各部の名称,構造,目盛りの読み方,使い方を理解し,計測できる。
マイクロメータの各部の名称,構造,目盛りの読み方,使い方を理解し,計測できる。
ダイヤルゲージ,ハイトゲージ,デプスゲージなどの使い方を理解し,計測できる。
3週 旋盤〔操作の基本と基礎,プラグとリングの製作〕 旋盤によるプラグとリングの製作を通して,操作の基本と基礎を理解する。

なお全ての週の到達目標に加え以下の目標を設定する。

切削加工の原理,切削工具,工作機械の運動を説明できる。
バイトの種類と各部の名称,旋盤の種類と構造を説明できる。
ドリルの種類と各部の名称,ボール盤の種類と構造を説明できる。
切削工具材料の条件と種類を説明できる。
切削速度,送り量,切込みなどの切削条件を選定できる。
切削のしくみと切りくずの形態,切削による熱の発生,構成刃先を説明できる。

旋盤主要部の構造と機能を説明できる。
旋盤の基本操作を習得し,外丸削り,端面削り,段付削り,ねじ切り,テ―パ削り,穴あけ,中ぐりなどの作業ができる。
4週 旋盤〔プラグとリングの製作〕(荒・仕上げ削り,公差,穴あけ,中ぐり 旋盤によるプラグとリングの製作を通して,荒・仕上げ削り,公差,穴あけ,中ぐりを理解する。

なお全ての週の到達目標に加え以下の目標を設定する。

切削加工の原理,切削工具,工作機械の運動を説明できる。
バイトの種類と各部の名称,旋盤の種類と構造を説明できる。
ドリルの種類と各部の名称,ボール盤の種類と構造を説明できる。
切削工具材料の条件と種類を説明できる。
切削速度,送り量,切込みなどの切削条件を選定できる。
切削のしくみと切りくずの形態,切削による熱の発生,構成刃先を説明できる。

旋盤主要部の構造と機能を説明できる。
旋盤の基本操作を習得し,外丸削り,端面削り,段付削り,ねじ切り,テ―パ削り,穴あけ,中ぐりなどの作業ができる。
5週 旋盤〔プラグとリングの製作〕(荒・仕上げ削り,公差,穴あけ,中ぐり) 上記と同じ。
6週 旋盤〔プラグとリングの製作〕(荒・仕上げ削り,公差,穴あけ,中ぐり) 上記と同じ。
7週 旋盤〔プラグとリングの製作〕(荒・仕上げ削り,公差,穴あけ,中ぐり) 上記と同じ。
8週 報告書の整理(中間試験週) これまでの内容を説明できる。
2ndQ
9週 特殊機械〔特殊機械の基本と基礎〕 特殊機械の基本と基礎を理解する。

なお全ての週の到達目標に加え以下の目標を設定する。

フライスの種類と各部の名称,フライス盤の種類と構造を説明できる。
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。
フライス盤の基本操作を習得し,平面削りや側面削りなどの作業ができる。
10週 特殊機械〔シャルピー試験片製作〕(横フライス,平面研削盤) シャルピー試験片製作を通して,横フライス,平面研削盤の基本と基礎を理解する。
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。
フライス盤の基本操作を習得し,平面削りや側面削りなどの作業ができる。


なお全ての週の到達目標に加え以下の目標を設定する。

フライスの種類と各部の名称,フライス盤の種類と構造を説明できる。
11週 特殊機械〔シャルピー試験片製作〕(横フライス,平面研削盤) 上記と同じ。
12週 仕上げ〔めねじとおねじの製作〕(穴あけ,タップ立て,ダイス等) めねじとおねじの政策を通して,穴あけ,タップ立て,ダイス等の基本と基礎を理解する。

なお全ての週の到達目標に加え以下の目標を設定する。

けがき工具を用いてけがき線を描くことができる。
やすりを用いて平面仕上げができる。
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。
13週 仕上げ〔めねじとおねじの製作〕(穴あけ,タップ立て,ダイス等) 上記と同じ。
14週 仕上げ〔めねじとおねじの製作〕(穴あけ,タップ立て,ダイス等) 上記と同じ。
15週 報告書の整理 これまでの内容を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。2前3,前4,前5,前6,前7
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。2前3,前4,前5,前6,前7
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。2前9,前10,前11
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。2前3,前4,前5,前6,前7
切削工具材料の条件と種類を説明できる。2前3,前4,前5,前6,前7
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。2前3,前4,前5,前6,前7
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。2前3,前4,前5,前6,前7
計測制御計測の定義と種類を説明できる。2前2
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。2前2
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。2前2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
自動制御の定義と種類を説明できる。2
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。2
制御系の過渡特性について説明できる。2
制御系の定常特性について説明できる。2
制御系の周波数特性について説明できる。2
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3前2
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3前2
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3前2
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3前12,前13,前14
やすりを用いて平面仕上げができる。3前12,前13,前14
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3前12,前13,前14
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3前3,前4,前5,前6,前7
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3前3,前4,前5,前6,前7
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3前9,前10,前11
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3前9,前10,前11
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度作品・報告書小テスト合計
総合評価割合00040600100
基礎的能力0000000
専門的能力00040600100
分野横断的能力0000000