材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 0053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:伊藤勝悦「やさしく学べる材料力学 第3版」(森北出版)
担当教員 塩田 祐久

到達目標

学習目的:材料力学の基本的な考え方を理解することで,デザイン基礎能力を修得する。また,部材の応力や変形を数式によって理解することにより必要十分な部材寸法を決定できる能力を修得する。

到達目標:
1.応力とひずみに関する基本的な事項を理解する。
2.引張と圧縮を受ける材料に生じる応力とひずみを計算できる。
3.曲げモーメントとせん断力について計算し,図示できる。
4.はりの曲げ応力とその分布について理解し,計算できる。

ルーブリック

不可
評価項目1応力とひずみに関する基本的な事項を正確に理解し,使うことができる応力とひずみに関する基本的な事項を説明できる応力とひずみに関する基本的な事項の大部分をわかっている左記に達していない。
評価項目2引張と圧縮を受ける材料に生じる応力とひずみをいろいろな場合について正確に計算できる引張と圧縮を受ける材料に生じる応力とひずみを計算できる引張と圧縮を受ける材料に生じる応力とひずみの大部分を計算できる左記に達していない。
評価項目3いろいろなはりについて曲げモーメントとせん断力を計算し,図示できる。曲げモーメントとせん断力を計算し,図示できる。基本的なはりの曲げモーメントとせん断力を計算できる。左記に達していない。
評価項目4いろいろなはりの曲げ応力とその分布について理解し,計算できるはりの曲げ応力とその分布について理解し,計算できるはりの曲げ応力とその分布について計算できる左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門  学習の分野:材料・設計と生産

基礎となる学問分野:工学/機械工学/材料力学

学習教育目標との関連:本科目は「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

授業の概要:外力を受ける部材の変形,部材内部に生じる応力およびそれらの相互関係を数式を使って理解させる。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に,基礎科目との関連に注意しながら授業を進める。また,理解が深まるよう学習の進度に合わせて演習指導を行い,適宜レポートを課す。

成績評価方法:4回の定期試験の結果を同等に評価する(70%)。小テスト,レポートなど(30%)。試験はノートの持込を許可しない。再試験を行うことがある。
注意点:
履修上の注意:本科目は必履修科目であり,学年の課程修了のために履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス:
・事前に行う準備学習として,数学の微分積分や物理の力学に関する基本的な箇所を復習しておくこと。
・前週の内容を復習し,例題等を解いておくこと。

基礎科目:基礎数学(1年),基礎数学演習(1),微分積分Ⅰ(2),基礎線形代数(2),物理Ⅰ(1),物理Ⅱ(2),
材料学(2),力学Ⅰ(3)

関連科目:材料力学Ⅱ(4年),機械設計法Ⅰ(3),Ⅱ(4),応用機械設計(5),卒業研究(5),材料強度学(専2)

受講上のアドバイス:必要に応じて復習しながら授業を進めるが,予習・復習と,講義に関連する演習問題を自ら解く積極性が大切である。授業時間を15分過ぎて入室した場合,欠課として扱う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,材料力学の全体像 ・荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。
2週 応力とひずみの定義 ・応力とひずみの定義を説明できる。
3週 種々の応力とひずみの計算 ・応力とひずみを説明できる。
4週 実際の部材における計算例 ・応力とひずみを実際の部材への適用できる。応力とひずみを説明できる。
5週 応力ひずみ線図,弾性係数 ・フックの法則を理解し,弾性係数を説明できる。
6週 許容応力と安全率 ・許容応力と安全率を説明できる。
7週 種々の棒の変形量 ・10週~14週で扱う例題における計算の基礎
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 前期中間験の答案返却と試験解説
10週 ・不静定の問題(両端固定棒) ・組合せ棒などの不静定問題について,応力を計算できる。
11週 ・自重による応力と変形量 ・引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。自重が作用する棒の応力や変形量を計算できる。
12週 ・トラスの応力と変位 ・引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。トラス(棒部材)の応力や変形量を計算できる。
13週 ・熱応力 ・線膨張係数の意味を理解し,熱応力を計算できる。
14週 ・不静定の問題(モーメントのつり合いを考慮する問題) ・不静定問題(左欄の場合)について,応力や変形量を計算できる。
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の答案返却と試験解説
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(後期分) ・はりの定義や種類を説明できる。はりの定義や種類,はりに加わる荷重の種類を説明できる。
2週 はりと曲げの基礎事項(支え方,荷重,求めるべき量の定義と意味) ・はりの基礎事項を説明できる。はりの定義や種類,はりに加わる荷重の種類を説明できる。(3週から7週で扱うはり)
3週 せん断力と曲げモーメントの求め方と線図の作成の基本,片持ちはりと集中荷重の扱い方 ・はりに作用する力のつりあい,せん断力および曲げモーメントを計算できる。片持ちはりと集中荷重の場合について計算し,図示できる。
4週 分布荷重の扱い方 ・はりに作用する力のつりあい,せん断力および曲げモーメントを計算できる。各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。片持ちはりと分布荷重の場合について計算し,図示できる。
5週 両端支持はりの扱い方,集中荷重との組み合わせ ・はりに作用する力のつりあい,せん断力および曲げモーメントを計算できる。各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。両端支持はりと集中荷重の場合について計算し,図示できる。
6週 分布荷重の扱い方 ・はりに作用する力のつりあい,せん断力および曲げモーメントを計算できる。各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。両端支持はりと分布荷重の場合について計算し,図示できる。
7週 重ね合わせによる解法 ・はりに作用する力のつりあい,せん断力および曲げモーメントを計算できる。各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。これまでのはりに重ね合わせを適用して計算し,図示できる。
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と試験解説
10週 図心と断面一次モーメント 各種断面の図心,断面二次モーメントおよび断面係数を理解し,曲げの問題に適用できる。各種断面の図心を計算し,曲げの問題に適用できる。
11週 断面二次モーメント 各種断面の図心,断面二次モーメントおよび断面係数を理解し,曲げの問題に適用できる。断面二次モーメントを計算し,曲げの問題に適用できる。
12週 曲げ応力の式,断面係数 各種断面の図心,断面二次モーメントおよび断面係数を理解し,曲げの問題に適用できる。曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。曲げ応力の定義と断面係数を理解している。
13週 はりの曲げ応力の計算 曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。簡単なはりに生じる曲げ応力を計算できる。
14週 はりの設計への適用 曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し,曲げの問題に適用できる。これまでに出てきた曲げ応力に影響を及ぼす因子を説明できる。
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の答案返却と試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3前1
応力とひずみを説明できる。3前2,前3,前4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3前5
許容応力と安全率を説明できる。3前6
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。3
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。3
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。3
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。3
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。3
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。3
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。3
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。3

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000