機械設計製図Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械設計製図Ⅱ
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:「機械製図」(実教出版),参考書:JISハンドブック「機械要素」(日本規格協会)図書館に所蔵 など
担当教員 半田 祥樹

到達目標

学習目的:各機械要素の製図法と規格を理解し,これを作図演習で修得する。また設計計算から製作図作成までの一連の作業を行うことでデザイン基礎能力を修得するとともにCADによる作図能力を修得する。

到達目標
 1図面の作成方法を学ぶとともに,図面の内容を理解できる。
 2機械製図の規格を理解し,機械部品の製作図を作図できる。
 3各種の機械装置について,主要部を設計し,製作図を作成できる。
◎4CADシステムの基本機能を理解し,利用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安良好な到達レベルの目安(良)標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1機械装置の組立図から,その装置の構造を正しくイメージすることができ,部品図に展開することができる。機械部品の図面の内容が理解でき,その部品の構造を正しくイメージすることができ,自分で再図面化することができる。機械部品の図面の内容が理解でき,その図面から部品の構造を正しくイメージすることができる。示された図面の内容を正しく理解したり,装置の構造をイメージしたりすることができない。
評価項目2機械製図の規格を理解して,これを効率的に参照しながら,規格に従って適切な手順で機械部品の製作図を作図することができる。機械製図の規格を自ら調査・参照することができ,その規格に従って機械部品の製作図を作図することができる。示された機械製図の規格を基に,機械部品の製作図を作図することができる。機械製図の基礎的な規格について,資料を活用して参照することができない。
評価項目3各種機械装置の主要部について,設計手順を自ら考えながら設計し,製作図を効率的に作成できる。自ら適切な資料を調査・参照して,各種機械装置の主要部を設計することができ,製作図を作成できる。指示された基本的な設計手順に従って,各種機械装置の主要部が設計することができ,製作図を作成できる。各種機械装置の主要部が設計できない。
評価項目4CADシステムの機能の詳細が理解できていて,これを活用して,各種機械装置の図面を効率的に作図できる。CADシステムの基本機能が理解できていて,これを応用して,各種機械装置の図面を作図できる。CADシステムの基本機能が理解できていて,機械装置の図面を作図できる。CADシステムの基本機能が理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門
学習の分野:材料・設計と生産

基礎となる学問分野:工学/機械工学/設計工学・機械機能要素・トライボロジー

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「3.基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化、A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「C-1」にも関与する。本科目は大学相当の内容を含む科目で,技術者教育プログラム履修認定に関連する。


授業の概要:機械要素(歯車,プーリ・スプロケット,ばね,溶接継手,管・管継手・バルブ)の製図法や規格を解説したのち,CADによる作図演習を行う。その後,手巻きウィンチの設計計算や設計手順について解説し,実際に設計計算およびCADによる製作図の作成を行う。


授業の進め方・方法:
授業の方法:各機械要素について,板書を中心とした解説の後,CADによる作図演習を行う。その後,手巻きウィンチの設計計算について,板書を中心に計算方法と手順について解説し,各自で設計計算書を作成する。次にこの設計計算書を基に各自,CADによる製作図の作成演習を行う。

成績評価方法:設計計算書における設計手順,計算方法,計算結果の正確さや妥当性と体裁(30%)作図演習作品5枚における製図通則や規格,製図方法の正確さや妥当性と体裁(50%)CADシステムの基本的機能の効率的かつ正しい利用による作図(20%)。成績評価の配分は上記の通りであるが、上記提出物が一部でも未提出の場合は本科目の評価点を不合格とする。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のためには,本科目の履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下であること)が必須である。

履修のアドバイス:機械製図の読み描きを確実に身につけるには,日頃の地道な努力の積み重ねしかない。実際のもの作りを念頭に置いて,実物をイメージしながら作図に取り組むこと。

基礎科目:総合理工入門(1年),総合理工実験実習Ⅰ(1),機械設計製図Ⅰ(2),機械システム工学実験実習Ⅰ(2)

関連科目:機械システム工学実験実習Ⅱ(3年),機械設計法Ⅰ(3),機械システム工学実験(4),機械設計法Ⅱ(4),応用機械設計(5)など

受講上のアドバイス:機械製図は作図することによって身に付く。事前に行う予備学習として、作図演習を中心とした復習を十分すること。また、成績評価方法に記述された提出物が一部でも未提出の場合は学年成績が不合格となるので注意すること。
なお,遅刻については,各時間の半分を経過するまでは遅刻として扱うが,それ以降は欠課として扱う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス,ねじ〔ねじの基本,ねじ製図,ボルト・ナット・小ねじ・止めねじ,座金〕 機械要素としてのねじの概要と、ねじ製図について理解する。
2週 歯車〔歯車の基礎,歯車製図,平歯車,はすば歯車とやまば歯車,かさ歯車,ウォームギア〕 機械要素としての歯車の概要と、歯車製図について理解する。
3週 プーリ・スプロケット〔Vベルト伝動,歯付きベルト伝動〕,ばね製図 機械要素としての巻き掛け伝動の概要と、関連要素の製図について理解する。
4週 CADによる作図演習〔平歯車1〕 CADによる平歯車の製図法を理解する。
5週 CADによる作図演習〔平歯車2〕 CADによる平歯車の製図法を理解する。
6週 CADによる作図演習〔平歯車3〕 CADによる平歯車の製図法を理解する。
7週 CADによる作図演習〔かさ歯車1〕 CADによるかさ歯車の製図法を理解する。
8週 CADによる作図演習〔かさ歯車2〕 CADによるかさ歯車の製図法を理解する。
2ndQ
9週 CADによる作図演習〔かさ歯車3〕 CADによるかさ歯車の製図法を理解する。
10週 溶接継手〔溶接継手の種類,溶接部の記号表示〕,管・管継手・バルブ 機械要素としての溶接継手、管・管継手・バルブの概要とこれらの製図について理解する。
11週 CADによる作図演習〔溶接加工部を含む軸受1〕 CADによる溶接継手の製図法を理解する。
12週 CADによる作図演習〔溶接加工部を含む軸受2〕 CADによる溶接継手の製図法を理解する。
13週 CADによる作図演習〔バルブの部品図1〕 CADによるバルブの製図法を理解する。
14週 CADによる作図演習〔バルブの部品図2〕 CADによるバルブの製図法を理解する。
15週 前期末試験(本科目では定期試験は実施しない)
16週 CADによる作図演習〔バルブの部品図3〕 CADによるバルブの製図法を理解する。
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス,手巻きウインチの設計計算〔機構の決定,ワイヤーロープ・巻胴・歯車の設計〕 手巻きウインチの要素であるワイヤーロープ・巻胴などの設計手順や方法を理解する。
2週 手巻きウインチの設計計算〔歯車,軸の設計〕 歯車や軸の設計手順や方法の概要を理解する。
3週 手巻きウインチの設計計算〔軸受,ハンドル,ブレーキ各部の設計〕 軸受や手巻きウインチの要素であるブレーキ等の設計手順や方法を理解する。
4週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図1〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
5週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図2〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
6週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図3〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
7週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図4〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
8週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図5〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
4thQ
9週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図6〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
10週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図7〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
11週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図8〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
12週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図9〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
13週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図10〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
14週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図11〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
15週 学年末試験(本科目では定期試験は実施しない) 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。
16週 CADによる作図演習〔手巻きウィンチの組立図12〕 手巻きウインチのCAD製図を通して、これに含まれる各種機械要素のCADによる製図法を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。3
製図用具を正しく使うことができる。3
線の種類と用途を説明できる。3
物体の投影図を正確にかくことができる。3
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。3
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。3
部品のスケッチ図を書くことができる。3
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。3
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。3
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。3

評価割合

試験発表相互評価課題【図面】課題【設計計算書】その他合計
総合評価割合00070300100
基礎的能力0000000
専門的能力0005030080
分野横断的能力000200020