全系横断演習Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 全系横断演習Ⅱ
科目番号 0067 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 各教員指定の書籍,インターネット,授業で使用した教科書や参考書,友人など,自分の周辺が全て教材である。
担当教員 野中 摂護

到達目標

学習目的:テーマの目的を把握し,準備すべき事柄を認識し,発生した問題点に対し,自分の専門性を活かしながら,かつ他の専門技術とコミュニケーションを取りながら,解決に向けての創意・工夫を行うことによりエンジニアリングデザイン能力やチームワーク力を身につける。

到達目標
◎1.解決すべき課題を把握し,自律的に学習を進めることができる。
◎2.ゴールを意識しながら計画的にものごとを進めることができる。
◎3.他のメンバーとの役割分担を意識しながら創意・工夫ができる。
◎4.最終発表において理解しやすく工夫した発表ができ,的確な討論をすることができる。

ルーブリック

不可
評価項目1・現状と目標を把握し,その乖離の中に課題を見つけ,課題の因果関係や優先度を理解し,そこから主要な原因を見出そうと努力し,解決行動の提案をすることができる。 ・複雑な事象の本質を要約・整理し構造化できる。・現状と目標を把握し,その乖離の中に課題を見つけ,解決のために必要な情報収集・分析・整理のための基本的な方法を理解できる。 ・事象の本質を客観的・論理的にとらえることができ,最良の選択肢を選ぶことができる。・現状と目標を把握し,その乖離の中に課題を見つけ,解決のために必要な情報収集・分析・整理のための基本的な方法を理解できる。 ・事象の本質を客観的・論理的にとらえることができ,ほぼ適当な選択肢を選ぶことができる。左記に達していない。
評価項目2・身内の中で,周囲の状況を改善すべく自身の能力を発揮できる。 ・日常生活の管理ができ,常に良い状態を維持するための努力を怠らない。・自身で主体的な行動の重要性を理解し,行動がとれる。 ・日常生活の管理ができ,責任ある行動がとれる。・自身で主体的な行動の重要性を理解し,ほぼ満足な行動がとれる。 ・日常生活の管理ができ,概ね責任ある行動がとれる。左記に達していない。
評価項目3・集団において,集団の意見を聞き,自分の意見も述べ,目的のために合意形成ができる。 ・社会全体を構成している一員としての意識を持って,行動することができる。 ・チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し,自分の感情の抑制,コントロールをし,他者の意見を尊重し,適切なコミュニケーションを持つとともに,当事者意識をもち協調して共同作業・研究を進めることができる。 ・先に立って行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し,他者に対し適切な協調行動を促し,共同作業・研究を進めることができる。・集団において,集団の意見を聞き,自分の意見を述べ,集団における個々の役割を理解できる。 ・責任感の重要性を理解することができ,基本的な行動がとれる。 ・組織が効果的に機能するためのチームワークに必要な項目を理解している。 ・組織が効果的に機能するためのリーダーの役割を理解している。・集団において,集団の意見を聞き,自分の意見を述べ,集団における個々の役割を概ね理解できる。 ・責任感の重要性を理解することができ,基本的な行動がとれる。 ・組織が効果的に機能するためのチームワークに必要な項目を概ね理解している。 ・組織が効果的に機能するためのリーダーの役割を理解している。左記に達していない。
評価項目4・ICTやICTツール,文章等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。・ICTやICTツール,文章等を情報収集・活用・発信に扱うことができ,ICTの応用・将来性を理解できる。・ICTやICTツール,文章等を情報収集・活用・発信に扱うことができる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 
学習の分野:融合科目・その他

基礎となる学問分野:1,2,3年生で学習した科目

学習教育目標との関連:本科目は「④ 分野横断的な融合力の育成」「⑤ グローバルな視点と社会性の養成」「⑥ 課題探求・解決能力の育成」「⑦ コミュニケーション力・プレゼンテーション力の育成」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:
(先進科学系)
 本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化および情報技術の習得とそれらを応用することができる,A-2:実験・実習や演習をとおして,技術に関する基礎知識の理解を深めるとともに,自主的,継続的に学習する能力を修得できること」であるが,付随的には「C-1」,「D-2」にも関与する。
(機械システム系)
 本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化および情報技術の習得とそれらを応用することができる,A-2:実験・実習や演習をとおして,技術に関する基礎知識の理解を深めるとともに,自主的,継続的に学習する能力を修得できること」であるが,付随的には「C-1」,「D-2」にも関与する。
(電気電子システム系)
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化および情報技術の習得とそれらを応用することができる,A-2:実験・実習をとおして,技術に関する基礎知識の理解を深めるとともに,将来にわたり技術者として活躍していくための継続的研鑽の必要性を理解できること」であるが,付随的には「C-1」,「D-1」にも関与する。
(情報システム系)
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化および情報技術の習得とそれらを応用することができる,A-2:実験・実習をとおして,技術に関する基礎知識の理解を深めるとともに,将来にわたり技術者として活躍していくための継続的研鑽の必要性を理解できること」であるが,付随的には「C-1」,「D-1」にも関与する。

授業の概要:前期は,昨年度の全系横断演習Ⅰ(3年)で培われた問題を発見し解決する能力を生かし,後輩の指導を行いながら課題に取り組む。また,初回授業で行う,各分野で留意すべき情報セキュリティーに関する学習を通じて,各種情報の正しい取り扱いについて理解を深める。後期は,所属する各系の卒業研究(5年)に向けて各自が設定したテーマあるいは教員が提示したテーマに関する学修を行う。
授業の進め方・方法:
授業の方法:前期は,昨年度の全系横断演習Ⅰで行っていたテーマに新たに後輩を加え,現状の課題解決をチームで行うとともに,新たなテーマ目標の設定を行う。後期は,所属する各系の卒業研究(5年)に向けて,各自が設定したテーマあるいは教員が提示したテーマに関する学修を行う。

成績評価方法:
最終報告会およびグループ相互発表での発表を行うこと,ならびに期日までに報告書を提出していることを必須条件として,下記により評価する。
・最終成績は,前期成績50%+後期成績50%により算出する。
・前期成績は,報告書30%+演習等状況40%+発表(最終報告会)30%により算出する。
 後期成績は,報告書30%+演習等状況40%+発表(グループ相互発表)30%により算出する。
注意点:
履修上の注意:本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の5分の1以下)および単位修得が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:
・事前に行う準備学習として,全系横断演習Ⅰで見出された課題を確認し,その解決策について考えておくこと。
・本授業では,課題テーマを自ら作り出し,それを解決する能力や新しいものを創造する能力,そして限られた制約条件下で(チーム全体で協力しながら)課題解決を行うエンジニアリングデザイン能力を養うことを目的としている。

基礎科目:総合理工入門(1年),チャレンジゼミナール基礎(先進2),全系横断演習Ⅰ(3),3学年までに学習してきた科目全般など

関連科目:他系融合科目(5年)など

受講上のアドバイス:他の専門分野のチームメイトと課題を共有する(コミュニケーション能力を向上させる)ことで,自分の専門を意識した学習(自己の専門性の高度化)を行うと同時に,他の専門分野と自分の専門分野の接点を見出し(異分野融合能力の向上),課題解決策を生み出す工夫をしてほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス
・情報セキュリティー教育
教育目的や学習内容,評価方法などについて理解する
インターネット等を利用する上での注意事項について理解する
2週 ・課題テーマの内容について調査・検討,演習計画を策定 分野横断的能力として,汎用的技能,態度・志向性,総合的な学習経験と創造的思考力に関する学習・演習を行う
3週 ・課題テーマの内容について調査・検討,演習計画を策定 同上
4週 ・課題テーマの内容について調査・検討,演習計画を策定 同上
5週 ・課題テーマの内容について調査・検討,演習計画を策定 同上
6週 ・学習および製作・実験など各テーマの実現に向けた作業 同上
7週 (前期中間試験) 同上
8週 ・学習および製作・実験など各テーマの実現に向けた作業 同上
2ndQ
9週 ・学習および製作・実験など各テーマの実現に向けた作業 同上
10週 ・学習および製作・実験など各テーマの実現に向けた作業 同上
11週 ・学習および製作・実験など各テーマの実現に向けた作業 同上
12週 ・学習および製作・実験など各テーマの実現に向けた作業 同上
13週 ・学習および製作・実験など各テーマの実現に向けた作業,最終報告会の準備 同上
14週 ・最終報告会 同上
15週 (前期末試験) 同上
16週 ・成果のまとめ(前期末報告書の作成・提出) 同上
後期
3rdQ
1週 ・ガイダンス 各系の実施内容に関して,教育目的や学習内容、評価方法などについて理解する
2週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習 具体的な内容については,別途,後期ガイダンスで説明される
3週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習 同上
4週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習 同上
5週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習 同上
6週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習 同上
7週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習 同上
8週 (後期中間試験) 同上
4thQ
9週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習 同上
10週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習 同上
11週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習 同上
12週 ・所属系の卒業研究に向けた学修や所属系が与える課題演習,グループ相互発表の準備 同上
13週 ・グループ相互発表 同上
14週 ・後期末報告書の作成 同上
15週 (後期末試験) 同上
16週 ・成果のまとめ(後期末報告書の作成・提出) 同上

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前2
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前2
合意形成のために会話を成立させることができる。3前2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前2
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前2
複数の情報を整理・構造化できる。3前2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前2
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前2
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前2
目標の実現に向けて計画ができる。3前2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前2
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前2
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前2
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前2
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3前2
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3前2
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3前2
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前2
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前2
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前2
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前2
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前2
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前2

評価割合

報告書演習等状況発表等合計
総合評価割合304030100
基礎的能力0000
専門的能力0000
分野横断的能力304030100