流体工学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 流体工学
科目番号 0086 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 児島忠倫ほか「エース 流体の力学」(朝倉書店)
担当教員 加藤 学

到達目標

学習目的:静止流体力学・動水力学の基礎事項を理解し,これらを応用して関連した問題を解析するための基礎能力を修得する。

到達目標:
1.相似則•次元解析に関する基礎事項および各種無次元数を理解する。
2.管内の流れに関する基礎事項および問題解析能力を身につける。
3.物体周りの流れに関する基礎事項および問題解析能力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1相似則・次元解析に関する事項を説明することができる.相似則・次元解析に関する演習問題を解くことができる.相似則・次元解析に関する演習問題を概ね解くことができる.左記に達していない.
評価項目2管内の層流に関する事項を説明することができる. 管内の乱流に関する事項を説明することができる. 管内の諸損失に関する事項を説明することができる.管内の層流に関する演習問題を解くことができる. 管内の乱流に関する演習問題を解くことができる. 管内の諸損失に関する演習問題を解くことができる.管内の層流に関する演習問題を概ね解くことができる. 管内の乱流に関する演習問題を概ね解くことができる. 管内の諸損失に関する演習問題を概ね解くことができる.左記に達していない.
評価項目3物体まわりの境界層に関する事項を説明することができる. 物体に作用する流体力に関する事項を説明することができる. 円柱まわりの流れ場と流体力に事項を説明することができる.物体まわりの境界層に関する演習問題を解くことができる. 物体に作用する流体力に関する演習問題を解くことができる. 円柱まわりの流れ場と流体力に関する演習問題を解くことができる.物体まわりの境界層に関する演習問題を概ね解くことができる. 物体に作用する流体力に関する演習問題を概ね解くことができる. 円柱まわりの流れ場と流体力に関する演習問題を概ね解くことができる.左記に達していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門
学習の分野:エネルギー・計測と制御

基礎となる学問分野:工学/機械工学/流体工学

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「③ 基礎となる専門知識の深化」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化、A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

授業の概要:流体工学は,水その他の流体を対象に主として実験的手法により解析する水力学と理論的手法によって解明する流体力学を一つの体系にまとめたものである。できる限り数式を多用せずに現象の物理的意味を明確にすることに重点を置いて解説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に教科書に沿って授業を進め,できるだけ具体的に解説を行う。また毎回,課題を出して授業時間外での追加学習を求める。(学習教科書に載ってない項目は,課題問題を提示する。)

成績評価方法:2回の定期試験の結果を同等に評価する(70%)。試験には教科書・ノートの持込を許可しない。授業時間外の学習成果(小テストを実施)(30%)。
注意点:
履修上の注意:本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:
・事前に行う準備学習として,基礎科目の内容を復習して関連性を意識すること。
・可能な限り身近な例を挙げて解説するので,あまり細かい数式の導出にとらわれすぎず,物理的意味を深く理解するように心掛ける方が良い。

基礎科目:基礎数学(1年),微分積分Ⅰ(2),微分積分Ⅱ(3),物理Ⅰ(1),物理Ⅱ(2),力学Ⅲ(3)等
関連科目:熱力学(4年),伝熱工学(5),エネルギー変換工学(5),流体力学(専2)等

受講上のアドバイス:予習・復習を十分にするとともに演習問題にも積極的に取り組むこと。授業時間外に復習や課題への取組を必ず行い,小テストへの準備をすること。1単位時間の半分を遅刻した場合には欠課とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 後期ガイダンス,管路系における流れと諸損失1
「管路系の損失に関する課題」
層流と乱流の違いを説明できる。
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を説明できる。
2週 管路系における流れと諸損失2
「管路系の損失に関する課題」
ダルシー・ワイズバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。
修正ベルヌーイの式に関する演習問題を解くことができる.
3週 相似則と次元解析〔単位と次元〕 流体工学における単位と次元について説明ができる.
4週 相似則と次元解析〔相似則〕
「相似則に関する課題」
相似則に関する演習問題を解くことができる。
5週 相似則と次元解析〔次元解析〕
「次元解析に関する課題」
バッキンガムのπ定理に関する演習問題を解くことができる。
6週 管内の流れ〔管内の層流1〕
「管内に層流に関する課題」
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる①。
ハーゲン•ポアズイユの法則を説明できる。
7週 管内の流れ〔管内の層流2〕 クエット流れの速度分布の式が導出できる。
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 後期中間試験の返却と解答解説
管内の流れ〔円管内の乱流1〕
「管内に乱流に関する課題」
円管内の乱流の定義を説明できる。
10週 管内の流れ〔円管内の乱流2〕
「管内に乱流に関する課題」
レイノルズ応力について説明できる。
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる②。
11週 管内の流れ〔円管内の乱流3〕 乱流に関する演習問題を解くことができる.
12週 境界層と物体まわりの流れ
〔境界層の概念〕
「境界層に関する課題」
境界層に関する定義を説明できる。
境界層,はく離,後流など,流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。
13週 境界層と物体まわりの流れ
〔物体に働く流体力〕
「物体に働く流体力に関する課題」
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明ができる。
抗力係数を用いて抗力を計算できる。
14週 境界層と物体まわりの流れ
〔円柱まわりの流れ〕
「物体に働く流体力に関する課題」
揚力係数を用いて揚力を計算できる。
物体に作用する抗力,揚力に関する演習問題を解くことができる.
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4
物体に作用する浮力を計算できる。4
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。3
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。3
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。3
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。3
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000