メカトロニクスⅡ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 メカトロニクスⅡ
科目番号 0101 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 渋谷恒司「メカトロニクスの基礎」(森北出版)
担当教員 西川 弘太郎

到達目標

学習目的:機械の高機能化などを手がける機械技術者として必要となるメカトロニクスや自動化の技術について,基礎から応用までの総合的な知識を修得すること。

到達目標:
1.システムを構成するメカトロニクスの機能と役割を説明できる。
2.センサ,アクチュエータの動作原理と特性を説明できる。
3.機械伝達機構について説明できる。
4.センサの情報処理ならびに電子回路について説明できる。
5.メカトロニクスの制御理論について説明できる。
6.メカトロニクスシステムの具体例について理解し,説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1メカトロニクスの機能と役割を詳細に説明できる。メカトロニクスの機能と役割を概ね説明できる。メカトロニクスの機能と役割を説明できる。左記に達していない。
評価項目2センサ、アクチュエータの動作原理と特性を詳細に説明できる。センサ、アクチュエータの動作原理と特性を概ね説明できる。センサ、アクチュエータの動作原理と特性を説明できる。左記に達していない。
評価項目3機械伝達機構について詳細に説明できる。機械伝達機構について概ね説明できる。機械伝達機構について説明できる。左記に達していない。
評価項目4センサの情報処理ならびに電子回路について詳細に説明できる。センサの情報処理ならびに電子回路について概ね説明できる。センサの情報処理ならびに電子回路について説明できる。左記に達していない。
評価項目5メカトロニクスの制御理論について詳細に説明できる。メカトロニクスの制御理論について概ね説明できる。メカトロニクスの制御理論について説明できる。左記に達していない。
評価項目6メカトロニクスシステムの具体例について理解し,詳細に説明できる。メカトロニクスシステムの具体例について理解し,概ね説明できる。メカトロニクスシステムの具体例について理解し,説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は,機械メーカーで設計開発を担当していた教員(技術士)が,その経験を活かし,メカトロニクスの基礎と具体的な応用例について講義形式で授業を行うものである。

一般・専門の別:専門

学習の分野:エネルギー・計測と制御

基礎となる学問分野:工学/機械工学/機械力学・制御

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

授業の概要:メカトロニクスは機械工学に電子工学や情報工学を融合させた新しい技術分野であり,機械の高機能化に欠かせない技術となっている。この講義では,機械技術者として知っておくべき基礎から応用までの技術を講義する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:本講義では,メカトロニクス概論,アクチュエータ,機械伝達機構,センサ,アナログセンサ情報処理,電子回路素子とその応用,コントローラとその周辺機器,制御工学,ソフトウエア,メカトロニクスシステムの具体例について講義する。

成績評価方法:2回の定期試験の結果を同等に評価する(80%)。また,レポート課題を課し評価する(20%)。なお,定期試験が60点未満の者に対し再試験を行う場合がある。再試験が60点以上の場合は,成績を60点とする。試験の持込可能物品はその都度指示する。
注意点:
履修上の注意:本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:システムを構成する電子部品やそれらを制御する制御機器の基本的な働きを理解しておくことは今や機械技術者の必要不可欠な知識となっている。したがって,積極的に取り組んでほしい。

基礎科目:電気電子回路(2年),総合理工演習(2年)メカトロニクスⅠ(3年)など

関連科目:ロボット工学概論(4年),制御工学(4年)など

受講上のアドバイス:メカトロニクスで使われている機器は実際に使ってみることによって理解が深まる。また,事前に行う予備学習として,実験実習,あるいは趣味のもの作りなどの作業を通してできるだけ実際の機器に触れる機会をもつこと。遅刻とみなす時間は授業時間の1/2までとし,以降は欠課とみなす。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 アナログセンサ情報処理①(信号増幅・演算) 信号増幅・演算処理について説明できる。
2週 アナログセンサ情報処理②(A/D,D/A変換) A/D,D/A変換について説明できる。
3週 アナログセンサ情報処理③(周波数分析) 周波数分析について説明できる。
4週 電子回路素子とその応用①(各電子回路素子) 各電子回路素子について説明できる。
5週 電子回路素子とその応用②(トランジスタ回路,ディジタル回路,安定化電源) トランジスタ回路,ディジタル回路,安定化電源について説明できる。
6週 コントローラとその周辺機器①(コンピュータ,ケーブルおよび端子台) コンピュータ,ケーブルおよび端子台について説明できる。
7週 コントローラとその周辺機器②(アンプとドライバ) アンプとドライバについて説明できる。
8週 (中間試験)
4thQ
9週 中間試験の返却と解答解説
10週 制御工学①(制御の種類,制御理論) 制御の種類,制御理論について説明できる。
11週 制御工学②(システムの応答,安定判別,フィードバック制御) システムの応答,安定判別,フィードバック制御について説明できる。
12週 ソフトウエア①(OSとリアルタイム性,プログラム言語) OSとリアルタイム性,プログラム言語について説明できる。
13週 ソフトウエア②(リアルタイムOSを利用したロボットの制御) リアルタイムOSの重要性について説明できる。
14週 メカトロニクスシステムの具体例(アナログ・デジタルサーボ系,オープンループ系,センサによる計測) アナログ・デジタルサーボ系,オープンループ系,センサによる計測の具体例について説明できる。
15週 (期末試験)
16週 期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。4
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。3
標準規格を機械設計に適用できる。3
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。3
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。3
軸の種類と用途を理解し、適用できる。4
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。3
キーの強度を計算できる。3
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4
滑り軸受の構造と種類を説明できる。4
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。3
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。3
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。3
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。3
歯車列の速度伝達比を計算できる。4
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4
計測制御計測の定義と種類を説明できる。3
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。3
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4
自動制御の定義と種類を説明できる。3
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。3
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。3
伝達関数を説明できる。3
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。3
制御系の過渡特性について説明できる。3
制御系の定常特性について説明できる。3
制御系の周波数特性について説明できる。3
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000