機械力学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械力学
科目番号 0151 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:青木 繁「機械力学(増補)」(コロナ社),参考書:山本敏男「機械力学」(朝倉書店)など
担当教員 山本 吉範

到達目標

学習目的: これまでの静的な力学から,振動などの動的力学を学び,機械の運動を理解する。

到達目標:
1.機械力学の基礎を理解できる。
2.振動に関わる物理現象の数式化を理解できる。
3.自由振動と強制振動および減衰振動等の振動特性を理解できる。
4.回転機械の振動のメカニズムと防振について理解できる。

ルーブリック

不可
評価項目1振動現象とそれに関する用語,理論式について図やグラフを用いて説明できる。振動現象とそれに関する用語,理論式について概念的に説明できる。振動現象とそれに関する用語,理論式について説明できる。振動現象とそれに関する用語,理論式について説明できない。
評価項目21 自由度の振動の理論式を導出でき,発生する振動現象と関連させてこれを説明できる。1 自由度の各振動の理論式を導出でき,説明できる。1 自由度の各振動の理論式を導出できる。1 自由度の各振動の理論式を導出できない。
評価項目3機械の振動現象について図やグラフ,理論式を用いて説明でき,応用問題を解くことができる。機械の振動現象について概念的に説明でき,基本的な問題を解くことができる。機械の振動現象について説明でき,基本的な問題を解くことができる。機械の振動現象について説明できず,基本的な問題を解くことができない。
評価項目4回転機械の振動現象や防振について図やグラフ,理論式を用いて説明でき,応用問題を解くことができる。回転機械の振動現象や防振について概念的に説明でき,基本的な問題を解くことができる。回転機械の振動現象や防振について説明でき,基本的な問題を解くことができる。回転機械の振動現象や防振について説明できず,基本的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門      
学習の分野:エネルギー・計測と制御     
基礎となる学問分野: 工学/機械工学/機械力学・制御

学習教育目標との関連: 本科目は総合理工学科学習教育目標「③基礎となる専門性の深化」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連: 本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(B) 専攻分野に関連する知識理解を深化させ,それらを応用することができる」である。

授業の概要:機械および機械部品の振動は機械強度や騒音公害などの問題を含んでおり,機械設計上重要な課題である。ここでは,機械に関する振動を中心に機械の動力学的問題を扱う。
授業の進め方・方法:
授業の方法: 板書を中心に講義を進める。演習を多く取り入れ,物理現象を数式で表現できる力を養う。微分方程式の解法や,力,速度,加速度,モーメントなどNewton力学の理解を深めるように注意をはらいながら授業を進める。

成績評価方法: 定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。小テスト・演習・レポート(30%)。総合評価が60点未満の者に対して,再試験を行うことがあり,定期試験と同等に評価する。各試験は筆記用具,電卓のみ持ち込み可能。遠隔授業を実施する場合は,成績評価方法を変更することがある。
注意点:
履修上の注意: 本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:・事前に行う準備学習として,基礎科目となる基礎線形代数,力学Ⅰ,力学Ⅱ,応用数学Ⅱ,制御工学の内容を復習しておくこと。 ・物理現象の方程式化と線形微分方程式の解法が主であり,数学と物理をしっかり理解しておくことが肝要である。

基礎科目: 基礎線形代数(2年),力学Ⅰ(3),力学Ⅱ(3),応用数学Ⅱ(4),制御工学(4)など

関連科目:振動工学(専2),計算力学(専2),システム制御工学(専2)など


受講上のアドバイス: 本科目で扱うのは回転も含め主に1次元問題であるので,その方程式は線形微分方程式となる。従って,微分方程式の解法が主になるので復習をしておくことが望ましい。また,物理的解釈は工業力学が基礎となるのでこれもしっかり復習しておくことを奨める。課題レポートは提出期限までに必ず提出すること。20分を越える遅刻は1欠課と見なす。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ●  ガイダンス(講義概要の説明),力学の基礎,力学モデル,運動方程式 左記項目を理解し,説明できる。
2週 ●  三角関数,行列,行列式,慣性モーメント,平行軸の定理 左記項目を理解し,説明できる。
3週 ● 1自由度系非減衰自由振動(1) 左記振動系の運動方程式および振動解を理解できる。
4週 ● 1自由度系非減衰自由振動(2) 単振子および物理振子の振動を理解できる。
5週 ● 1自由度系減衰自由振動(1) 過減衰および臨界減衰を理解できる。
6週 ● 1自由度系減衰自由振動(2) 減衰振動を理解できる。
7週 ● 衝撃入力を受ける1自由度系 単位インパルスおよび任意の入力を受ける応答を理解できる。
8週     (後期中間試験)
4thQ
9週 ●  前期中間試験の答案返却および解答解説,1自由度系強制振動(1) 力入力を受ける系を理解できる。
10週 ● 1自由度系強制振動(2) 力入力を受ける系の定常振動および半パワー法を理解できる。
11週 ● 回転体の危険速度,不釣合いによる励振を受ける振動 回転体の危険速度を理解し,説明できる。
12週 ● 回転体の釣合わせ 1面および2面釣り合わせを理解できる。
13週 ●  振動絶縁,基礎絶縁 振動伝達率を理解できる。変位励振を受ける強制振動を理解できる。
14週 ●  減衰のない動吸振器 動吸振器の振舞いを理解できる。
15週 (前期末試験)
16週 ●前期末試験の答案返却および解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価自己 評価課題小 テスト合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000