ロボット制御

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 ロボット制御
科目番号 0164 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(機械システム系) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:中野,美多共著「制御基礎理論- 古典から現代まで -」(コロナ社)
担当教員 井上 浩行

到達目標

学習目的:現代制御理論の基本的手法である状態フィードバック制御の考え方を理解するとともに,制御系を設計する能力を修得する。

到達目標
1.状態方程式と出力方程式を用いて制御系を表現できる。
2.可制御性と可観測性を判別できる。
3.安定判別法を用いて安定・不安定を判別できる。
4.状態フィードバック制御の概念を説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1導出した数式に基づき,状態方程式と出力方程式を用いて制御系を表現できる。状態方程式と出力方程式を用いて制御系を表現できる。状態方程式と出力方程式を理解している。左記に達していない。
評価項目2可制御性と可観測性を理解し,判別できる。可制御性と可観測性を判別できる。可制御性または可観測性を判別できる。左記に達していない。
評価項目3複数の安定判別法を用いて安定・不安定を判別できる。2種類の安定判別法を用いて安定・不安定を判別できる。安定判別法を用いて安定・不安定を判別できる。左記に達していない。
評価項目4状態フィードバック制御系を設計できる。状態フィードバック制御の概念を説明できる。状態フィードバック制御の目的を理解している。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:情報と計測・制御

基礎となる学問分野:工学/機械工学/機械力学・制御

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「③基盤となる専門性の深化」に相当する。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

授業の概要:システム制御理論は,微分方程式でシステムを記述する工学の多くの分野において,状態方程式をもとにシステムの安定論,構造分析,制御系設計論などを統一的に論ずる学問といえる。本講義では、このうち設計論に重点をおき,古典制御理論と対比しながら理解し,システム制御理論の位置付けや工学問題に対する導入の手法を修得する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に授業を進め,現代制御理論は行列演算が基礎となるため,まず線形代数を復習した後,動的システムの状態方程式に基づく制御法について詳しく解説する。また,応用力を養うために課題を課し,理解度を確かめるために小テストを実施する。

成績評価方法:2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。試験には,自筆ノートの持込を許可する。課題と小テスト(30%)。また,成績が60点未満の学生に対して再試験を行うことがあり,定期試験と再試験の平均点を試験分として再計算し,成績が60点を超えれば60点とする。
注意点:
履修上の注意:本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:現代制御理論は行列演算を多用するため,しっかり復習しておくこと。数学モデル(動的システムを表す微分方程式)さえ求まれば,制御系設計法は一本道であるので,ある面では古典制御よりわかりやすいといえる。

基礎科目:制御工学(4年)など

関連科目:センサ工学(5年),制御機器特論(専1),など

受講上のアドバイス:演習問題を通して理解を深めるが,毎回の予習・復習が大切である。遅刻とみなす時間は授業時間の1/2までとし,以降は欠課とみなす。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,現代制御とは ブロック線図を用いて制御系を表現できる。
2週 状態方程式と出力方程式 状態方程式と出力方程式を用いて制御系を表現できる。
3週 伝達関数 状態方程式と出力方程式から伝達関数を表現できる。
伝達関数を説明できる。
4週 安定性と安定判別法 安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。
5週 可制御性と可観測性 システムの可制御性と可観測性を判別できる。
6週 可制御正準形式 可制御正準系にシステムを変換できる。
7週 可観測正準形式 可観測正準系にシステムを変換できる。
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説,状態フィードバック制御 制御系の過渡特性について説明できる。
状態フィードバック制御系を設計できる。
10週 直列補償器による安定化 直列補償器を設計できる。
11週 オブザーバによる安定化 オブザーバを設計できる。
12週 内部モデル原理 自動制御の定義と種類を説明できる。
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。
13週 制御の形(P制御) 制御系の定常特性について説明できる。
14週 制御の形(PI制御) PI制御系を設計できる。
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4前1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4前2
伝達関数を説明できる。4
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4
制御系の過渡特性について説明できる。4
制御系の定常特性について説明できる。4
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4

評価割合

試験発表相互評価課題ポートフォリオその他合計
総合評価割合700020010100
基礎的能力0000000
専門的能力700020010100
分野横断的能力0000000