物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0024 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 三浦他「物理基礎」東京書籍/岡山県高等学校理科協議会物理分科会編「物理学習実験書(上・下)」/「レッツトライノート 物理基礎シリーズ 数学編,力学編」東京書籍
担当教員 井上 浩行,寺元 貴幸,谷口 圭輔,半田 祥樹

到達目標

学習目的:
物理学(力学)の基本知識を修得し,自然現象を系統的・論理的に考えていく能力及び物理的な見方,考え方の基礎を身に付ける。

到達目標
1. 物体の運動を系統的・論理的に捉え,物理現象として説明できる。
2. 運動の法則について基礎知識を修得し,様々な力学系についてモデルを構築して説明できる。
3. 力学的エネルギー保存則について基礎知識を修得し,さまざまな物理量の計算に応用できる。

ルーブリック

不可
評価項目12次元の放物運動を解析できる標準的な加速度運動を解析できる類型的な加速度運動を解析できる類型的な加速度運動を解析できない
評価項目2比較的複雑な力学系でモデルを構築し運動方程式を立式して解析できる物体に加わる力が一定の標準的な力学系でモデルを構築し運動方程式を立式して解析できる物体に加わる力が一定の類型的な力学系でモデルを構築できる物体に加わる力が一定の類型的な力学系でモデルを構築できない
評価項目3力学的エネルギーについて詳細に説明でき,解析ができる力学的エネルギーを説明でき,解析できる力学的エネルギーを解析できる力学的エネルギーを解析できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般 学習の分野:自然科学系 共通・基礎

基礎となる学問分野:数物系科学/物理/物理一般

学習教育目標との関連:本科目は「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。

授業の概要:物体にはたらく力と運動の関係を学ぶ。物理学は自然科学や工学における最も基礎的な分野である。したがって,その内容を十分に理解しておくことが,専門の授業のみならず,卒業後,技術者として創造的な仕事をするために重要である。
授業の進め方・方法:
授業の方法:
・自学自習を前提とし,授業では教科書の説明や物理概念の説明は行わない。
・教師は,毎授業時に事前の学習範囲を指示する。また,LMS上に事前学習資料を提示する。
・授業では個人学習した内容を深めるため,演示実験,演習,ディベートを中心に協同学習を行う。
・授業毎に各自の学習進捗をポートフォリオに記録し,学習成果を可視化する。学習の自己管理能力の育成に重点を置いた授業を行う。
・半期ごとに3回程度の物理実験を行う。

成績評価方法:
・定期試験(60%)+課題(40%)(実験レポート,ワークノート,課題プリントなど)として各期成績を算出する。
・学年末成績は,4期成績の単純平均とする。原則として再試験は行わない。
注意点:
履修上の注意:本科目は1学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須の科目である。

履修のアドバイス:
・事前に行う準備学習として,中学校までの数学をしっかり復習しておくこと。
・基礎概念の理解と応用に主眼をおいて自学自習を行うこと。数式計算,2次方程式,三角関数などの基礎数学をしっかり身に付けることも重要である。
・授業に積極的に参加し,協同学習の中で個人学習による理解の不足を学生間で補うこと。
・演習や課題は,悩みながら自分の手で問題を解くことが重要である。

基礎科目:中学校までの数学,基礎数学(1年),基礎数学演習(1)

関連科目:物理Ⅱ(2年),力学Ⅰ(3),力学Ⅱ(3)

受講上のアドバイス:
・遅刻は授業開始後20分まで,以後は欠席扱いとする。3回の遅刻は1時間の欠席として扱うので注意すること。
・欠課数は成績評価には関わらない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス/物理に必要な基礎知識 学習の進め方のガイダンス。
2週 有効数字/単位の変換/数式計算/グラフ [報告書作成(物理実験)] 有効数字を考慮して,データを集計することができる。
3週 運動の実験 [実験(物理実験)] [物体の運動(力学)] 測定機器などの取り扱い方を理解し,基本的な操作を行うことができる。
実験に基づき,物体の運動を説明できる。
4週 速度,加速度 [物体の運動(力学)] 速度と加速度の概念を説明できる。物体の変位,速度,加速度を相互に計算することができる。
5週 速度,加速度 [物体の運動(力学)] 等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。
6週 平面運動/ベクトル/三角関数/落体の運動 [物体の運動(力学)] [落体の運動(力学)] 平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。落下する物体の座標,速度,時間に関する計算ができる。
7週 等加速度運動の実験 [実験(物理実験)] [物体の運動(力学)] 実験に基づき,等加速度直線運動を説明できる。
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 前期中間試験の答案返却と試験解説/力 [いろいろな力(力学)] 試験内容の見直しと理解
力の定義を説明できる。
10週 力のつり合い [いろいろな力(力学)] 力の合成と分解をすることができる。質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。
11週 力の具体的な例 [いろいろな力(力学)] 重力,抗力,張力,圧力などについて説明できる。
12週 弾性力 [いろいろな力(力学)] フックの法則を用いて,弾性力の大きさを求めることができる。
13週 静止摩擦・動摩擦/斜面上の物体にはたらく力 [摩擦力(力学)] 静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。最大摩擦力,動摩擦力に関する計算ができる。
14週 摩擦力の実験  [実験(物理実験)] [摩擦力(力学)] 実験に基づき,最大摩擦力と垂直抗力の関係について説明できる。
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の答案返却と試験解説 試験内容の見直しと理解。
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス/慣性の法則 [運動の法則(力学)] 慣性の法則について説明できる。
2週 運動の法則 [運動の法則(力学)] 運動の法則について説明できる。
3週 運動の法則の実験 [実験(物理実験)] [運動の法則(力学)] 実験に基づき,作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。
4週 運動の法則 [運動の法則(力学)] 運動の法則について説明できる。
5週 運動方程式 [運動の法則(力学)] 運動方程式を用いた計算ができる。
6週 いろいろな運動(斜面,摩擦) [運動の法則(力学)] 摩擦力の働く場合について,運動方程式を用いた計算ができる。
7週 いろいろな運動(2物体)[運動の法則(力学)] 2体問題について,運動方程式を用いた計算ができる。
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と試験解説 試験内容の見直しと理解。
10週 仕事 [力学的エネルギー(力学)] 仕事と仕事率に関する計算ができる。
11週 位置エネルギー [力学的エネルギー(力学)] 重力,弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。
12週 運動エネルギー [力学的エネルギー(力学)] 物体の運動エネルギーに関する計算ができる。
13週 力学的エネルギー保存則 [力学的エネルギー(力学)] 力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。
14週 力学的エネルギー保存の実験 [実験(物理実験)] [力学的エネルギー(力学)] 実験に基づき,力学的エネルギー保存則を説明できる。
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の答案返却と試験解説 試験内容の見直しと理解。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。1前4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。1前4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。1前5
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。1前6
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。1
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。1前5
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。1前7
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。1前7
物体に作用する力を図示することができる。1前10
力の合成と分解をすることができる。1前10
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。1前11
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。1前12
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。1前14
慣性の法則について説明できる。1後2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。1後2
運動方程式を用いた計算ができる。1後6
運動の法則について説明できる。1後6
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。1前15
最大摩擦力に関する計算ができる。1前15
動摩擦力に関する計算ができる。1前15
仕事と仕事率に関する計算ができる。1後10
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。1後12
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。1後11
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。1後11
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。1後13
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。1
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。1
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。1
安全を確保して、実験を行うことができる。1
実験報告書を決められた形式で作成できる。1後14
有効数字を考慮して、データを集計することができる。1後14
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。1後14

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力60000400100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000