化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学Ⅱ
科目番号 0026 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:文部科学省検定済教科書「化学」(東京書籍) 参考書:ダイナミックワイド 図説化学(東京書籍)
担当教員 廣木 一亮,守友 博紀

到達目標

学習目標:物質の三態や物質に働く力,有機物の構造と反応,溶液の性質を理解し,現在,直面している深刻な環境問題等に人として適切な対応が取れるような物質観を養う。

到達目標
1.イオン結合・共有結合・金属結合がどんなものか説明できる。
2.気体の状態方程式がどんなものか説明でき,その計算ができる。
3.コロイドの運動学的性質(ブラウン運動など)を説明できる。
4.有機化合物の構造と官能基,化合物の合成法について説明できる。
5.目的応じて器具・試薬を使って実験し,レポートを作成できる。

ルーブリック

不可
評価項目1イオン結合・共有結合・金属結合について,結合の原理を理解し,具体例を挙げて説明できる。イオン結合・共有結合・金属結合について,具体例を挙げて説明できる。イオン結合・共有結合・金属結合について,簡単に説明できる。イオン結合・共有結合・金属結合について説明できない。
評価項目2気体の状態方程式を導出でき,記述される現象について説明し,またその計算ができる。気体の状態方程式で記述される現象について説明でき,またその計算ができる。気体の状態方程式で記述される現象について簡単に説明ができる。気体の状態方程式の計算ができない。
評価項目3コロイドの運動学的性質について、身の回りの現象と結び付けて具体的に説明ができる。コロイドの運動学的性質について、具体的に説明ができる。コロイドの運動学的性質について、その例を挙げることができる。コロイドの運動学的性質について、説明ができない。
評価項目4有機化合物の結合・構造・官能基および代表的な化合物の合成法について具体例を挙げて説明できる。有機化合物の構造と官能基,代表的な化合物の合成法について具体例を挙げて説明できる。有機化合物の構造と官能基,代表的な化合物の合成法について説明できる。有機化合物の構造と官能基,代表的な化合物の合成法について説明できない。
評価項目5目的に応じた器具・試薬を自ら選択でき、適切な実験を行うことができる。加えて、レポートを自分の言葉で論理的に書くことができる。指示通りに器具・試薬を用いて実験を行うことができる。加えて、レポートを自分の言葉で論理的に書くことができる。指示通りに器具・試薬を用いて実験を行うことができる。加えて、レポートを指示されたとおりに書くことができる。実験やレポートを指示されたとおりに実施し、仕上げることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般

必修・必履修・履修選択・選択の別:必修

基礎となる学問分野:無機化学・物理化学・有機化学

学科学習目標との関連:本科目は総合理工学科学習・教育目標「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」である。

授業の概要:化学Ⅰに引き続いて,様々な化学的現象を理解するための基礎的素養を教授する。化学結合,生命と密接に関係する有機化合物,さらに気体や溶液の性質等を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業方法:一週2単位時間を2時限連続で,原則として各HRで行う。板書中心の講義であるが、適宜化学実験を行い,実験結果をまとめ,考察したレポートの提出を義務付ける。さらに必要に応じて,基礎的な問題に対するレポートや小テストを課す。

成績評価方法:4回の定期試験の得点をそれぞれ同等に評価(70%)し,各定期試験までの小テスト,レポートおよび授業態度をこれに加味(30%)して,その都度評価する。原則として,前期成績は中間成績との,学年成績は全結果の単純平均とする。試験の持ち込み可能物品は電卓のみ。
注意点:
履修上の注意:本科目は必修科目のため,3学年課程修了には履修(欠課時数は年間の出席日数の1/3以下)が必須である。

履修上のアドバイス:身のまわりで起きる現象を「物質」という視点から考えてみよ。物質の構造のイメージを持てるように学習せよ。常に疑問をもち,分からない事は放置せずに解決するよう努力せよ。暗記のみに頼るな,覚えるだけでなく「理解すること」が何よりも大切なことである。

基礎科目:化学I(全系2年)

関連科目:化学I(全系2年),一般化学(先進2),有機化学I(先進4),有機化学II(先進5),無機化学(先進4),生化学(先進4),化学実験(先進4),物理化学(先進5)

受講上のアドバイス:本科目は環境エネルギー人材育成関連科目である。
元素記号,化学式,量の単位など,教員から指示された基礎事項は憶える。記憶に頼って済ませようとせず,きちんと理解して応用力をつけようという努力がまず必要である。再試験は行わない。チャンスはそう多くない事を知って欲しい。
レポ-トは提出期限を守り,けじめを身につけること。
遅刻の取扱については,その時限の1/2(ただし化学実験は、安全上の理由により開始10分後)を越えたとき,その時限を欠課とするので注意すること。また遅刻は累積5回で欠課1時限とカウントする。
なお講義への不参加も欠課とカウントする場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス,物質量と化学反応
2週 物質量と化学反応
3週 物質量と化学反応
4週 物質の状態〔物質の三態変化〕
5週 物質の状態〔気体と溶液の性質〕
6週 物質の状態〔気体と溶液の性質〕
7週 物質の状態〔固体の構造〕
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却と解説
10週 化学反応とエネルギー〔熱および光と化学反応の関係〕
11週 化学反応とエネルギー〔熱および光と化学反応の関係〕
12週 化学反応とエネルギー〔熱および光と化学反応の関係〕
13週 化学反応の速さ〔反応速度と化学平衡〕
14週 化学反応の速さ〔反応速度と化学平衡〕
15週 前期末試験
16週 試験返却と解説
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス,有機化合物の特徴と分類
2週 脂肪族炭化水素〔飽和炭化水素〕
3週 脂肪族炭化水素〔不飽和炭化水素〕
4週 官能基と酸素を含む有機化合物〔アルコールとエーテル〕
5週 官能基と酸素を含む有機化合物〔アルコールとエーテル〕
6週 官能基と酸素を含む有機化合物〔カルボン酸とエステル〕
7週 官能基と酸素を含む有機化合物〔カルボン酸とエステル〕
8週 芳香族化合物〔芳香族炭化水素〕
4thQ
9週 後期中間試験
10週 試験返却と解説
11週 芳香族化合物〔酸素・窒素を含む芳香族化合物〕
12週 化学実験①
13週 化学実験②
14週 化学実験③
15週 学年末試験
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3
物質の三態とその状態変化を説明できる。3
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
分析化学強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。3
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。3
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。3
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。3
混合気体の分圧の計算ができる。3
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。3
束一的性質を説明できる。3
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。3
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。3
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。3
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。3
化学工学SI単位への単位換算ができる。3
物質の流れと物質収支についての計算ができる。3
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他課題小テスト合計
総合評価割合7000003000100
基礎的能力7000003000100
専門的能力000000000
分野横断的能力000000000