化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学Ⅰ
科目番号 0026 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:文部科学省検定済教科書「化学基礎」(東京書籍) 参考書:ダイナミックワイド 図説化学(東京書籍)
担当教員 廣木 一亮,齊藤奈波 (一般)

到達目標

学習目標:身のまわりのものを物質という視点でとらえ,それらの間で起きる変化が水素原子核や電子などの移動によるものであることを知り,物質の変化量を推定できる素養を身につける。

到達目標
1.物質量(mol)を用いて物質の量を表すことができる。
2.物質の三態,原子の構造や価電子,結合について説明できる。
3.酸と塩基の反応,および酸化還元反応について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1物質の量を物質量(mol)で表し,量的計算に活用できる。物質の量を物質量(mol)で表し,体積や質量との関係を説明できる。物質の量を物質量(mol)で表すことができる。物質の量を物質量(mol)で表すことができない。
評価項目2物質の三態,原子の構造や価電子,結合について具体例を挙げて説明できる。物質の三態,原子の構造や価電子,結合について自分の言葉で説明できる。物質の三態,原子の構造や価電子,結合を理解している。物質の三態,原子の構造や価電子,結合について説明できない。
評価項目3酸と塩基の反応,および酸化還元反応について具体例を挙げて説明でき,物質量との関係を理解している。酸と塩基の反応,および酸化還元反応について具体例を挙げて説明できる。酸と塩基の反応,および酸化還元反応について原理を説明できる。酸と塩基の反応,および酸化還元反応について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般
学習の分野:共通・基礎

基礎となる学問分野:無機化学・物理化学

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。

授業の概要:自然界に存在する様々な物質の構造や,物質間で起きる様々な変化を理解するための基礎的素養を教授する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:一週2単位時間を2時限連続で,原則として各HRで行う。板書中心の講義であるが、適宜化学実験を行い,実験結果をまとめ,考察したレポートの提出を義務付ける。さらに必要に応じて,基礎的な問題に対するレポートや小テストを課す。

成績評価方法:4回の定期試験の得点をそれぞれ同等に評価(70%)し,各定期試験までの小テスト,レポートおよび授業態度をこれに加味(30%)して,その都度評価する。原則として,前期成績は中間成績との,学年成績は全結果の単純平均とする。試験の持ち込み可能物品は電卓のみ。
注意点:
履修上の注意:本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修上のアドバイス:身のまわりで起きる現象を「物質」という視点から考えてみよ。物質の構造のイメージを持てるように学習せよ。常に疑問をもち,分からない事は放置せずに解決するよう努力せよ。暗記のみに頼るな,覚えるだけでなく「理解すること」が何よりも大切なことである。なお事前に行う準備学習は特にない。

基礎科目:中学理科

関連科目:化学II(全系3年),一般化学(先進3),有機化学(先進4),無機化学(先進4),生化学(先進4),物理化学(先進5),現代化学(先進5),先進科学実験実習I(先進2),先進科学実験実習II(先進3),先進科学実験(先進4)

受講上のアドバイス:元素記号,化学式,量の単位など,教員から指示された基礎事項は憶える。記憶に頼って済ませようとせず,きちんと理解して応用力をつけようという努力がまず必要である。再試験は行わない。チャンスはそう多くない事を知って欲しい。レポ-トは提出期限を守り,けじめを身につけること。
遅刻の取扱については,その時限の1/2(ただし化学実験は、安全上の理由により開始10分後)を越えたとき,その時限を欠課とするので注意すること。また遅刻は累積5回で欠課1時限とカウントする。
なお講義への不参加も欠課とカウントする場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス,物質と人間生活 化学と実生活の結びつきを実感する。
2週 物質の成り立ちと周期律 周期表の使い方をマスターする。
3週 物質の成り立ちと周期律 物質の分類を知る。加えて, 物質を構成する原子の構造を理解する。
4週 物質と化学式 状態変化を理解する。イオンについて理解する。
5週 物質と化学式 種々の結合様式について理解する。
6週 物質の量の表し方 物質量の概念を理解する。
7週 物質量の計算 物質量に関わる計算をマスターする。
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 試験返却と解説
10週 化学反応式 化学反応式を正しく立式できるようになる。
11週 化学反応式 化学反応における反応物, 生成物の量的関係を理解する。
12週 酸と塩基 酸と塩基の定義を理解する。
13週 酸と塩基 同上
14週 酸と塩基 中和滴定により未知の酸・塩基濃度を決定する方法論を身につける。
15週 (前期末試験)
16週 試験返却と解説
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス,酸化と還元 酸化還元の定義を身につける。
2週 酸化還元反応 正しく酸化還元反応式を立式できる。
3週 酸化還元反応 金属のイオン化傾向とは何かを理解する。
4週 酸化還元反応 金属のイオン化傾向に基づいて, 金属の反応性を理解する。
5週 化学と電気の関わり 電池の動作原理について理解する。
6週 化学と電気の関わり 電気分解について理解する。
7週 (後期中間試験)
8週 試験返却と解説
4thQ
9週 基礎化学実験① 基本的な実験技術を身につけ, 安全に正しく実験を行えるようになる。自ら行った実験について, 正しい言葉づかいでレポートを作成できる。
10週 基礎化学実験① 同上
11週 基礎化学実験② 同上
12週 基礎化学実験② 同上
13週 基礎化学実験③ 同上
14週 基礎化学実験③ 同上
15週 (学年末試験)
16週 試験返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前1
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3前1
物質が原子からできていることを説明できる。3前2
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3前2
純物質と混合物の区別が説明できる。3前2
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。2前2,前4
水の状態変化が説明できる。2前2,前4
物質の三態とその状態変化を説明できる。2前2,前4
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3前3
同位体について説明できる。3前3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3前3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3前3
価電子の働きについて説明できる。3前3
原子のイオン化について説明できる。3前4,前5
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3前4,前5
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3前3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3前3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3前4,前5
イオン結合について説明できる。3前4,前5
イオン結合性物質の性質を説明できる。3前4,前5
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3前4,前5
共有結合について説明できる。3前5
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3前5
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3前5
金属の性質を説明できる。3前5
原子の相対質量が説明できる。3前6,前7
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3前6,前7
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3前6,前7
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3前6,前7
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3前6,前7
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3前10,前11
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3前10,前11
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3前12
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3前12
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3前12
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3前12
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3前12
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3前12
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前13,前14
中和反応がどのような反応であるか説明できる。3前13,前14
中和滴定の計算ができる。3前13,前14
酸化還元反応について説明できる。3後1,後2,後3,後4
イオン化傾向について説明できる。3後1,後2,後3,後4
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後1,後2,後3,後4
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後5
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3後5
一次電池の種類を説明できる。3後5
二次電池の種類を説明できる。3後5
電気分解反応を説明できる。3後6
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3後6
ファラデーの法則による計算ができる。3後6
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
測定と測定値の取り扱いができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
ガラス器具の取り扱いができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
試薬の調製ができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
代表的な気体発生の実験ができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他課題小テスト合計
総合評価割合70000002010100
基礎的能力70000002010100
専門的能力000000000
分野横断的能力000000000