到達目標
学習目的:電子回路の基本的な動作原理を理解し,電子回路の解析・設計能力を修得することを目的とする。
到達目標
1. ダイオード,トランジスタの基本動作を理解し,等価回路等を説明できる。
2. 増幅回路の基礎を理解し,設計および動作量等の計算ができる。
3. 演算増幅器の基本動作を理解し,増幅回路等を説明できる。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | ダイオード,トランジスタの基本動作を理解し,等価回路等を自由に使いこなせる。 | ダイオード,トランジスタの基本動作を理解し,等価回路等を説明できる。 | ダイオード,トランジスタの基本動作を理解し,等価回路等を大まかに説明することができる。 | ダイオード,トランジスタの基本動作や等価回路を説明できない。 |
評価項目2 | 増幅回路の基礎を理解し,最適な設計および各周波数帯での動作量等が計算できる。 | 増幅回路の基礎を理解し,基本的な設計および動作量等の計算ができる。 | 増幅回路の基礎を理解し,簡単な回路の設計および動作量等の計算ができる。 | 増幅回路の設計および動作量等の計算ができない。 |
評価項目3 | 演算増幅器の基本動作を理解し,各種の増幅回路を説明できる。 | 演算増幅器の基本動作を理解し,基本的な増幅回路を説明できる。 | 演算増幅器の基本動作を理解し,簡単な増幅回路を説明できる。 | 演算増幅器の基本動作や増幅回路が説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:電気・電子
必修・履修・履修選択・選択の別:必履修
基礎となる学問分野:工学/電気電子工学/電子デバイス・電子機器
学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科の学習目標「③基盤となる専門性の深化」のための科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「電気・電子」,「情報・制御」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。
授業の概要:多くの電子機器や電化製品は,電子回路を用いることにより実現されている。本講義では,ダイオードやトランジスタなどを用いた基本電子回路などを扱い,電子回路に関する基礎的な内容を学習する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:電子回路理論の重要項目を整理して板書することにより授業を進める。理解が深まるように例題説明を随所に盛り込むとともに,演習により電子回路理論を自由に使いこなせるようにしていく。
成績評価方法:4回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。試験には教科書・ノートの持込を許可しない。演習,課題レポートなど(30%)。
成績不振者には再試験を課し,定期試験結果に加味して成績を総合評価する(最大60点)。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のために履修が必須である。
履修のアドバイス:電子回路は回路理論の知識理解だけでなく,演習により回路解析能力を養うことも重要であり,受講者は自主的・積極的に課題に取り組むことも必要である。
基礎科目:総合理工基礎(1年),総合理工演習(2)電気基礎(2),電気電子回路(2),電気回路I(3)など
関連科目:電気電子システム工学実験(4年),電子回路Ⅱ(4)など
受講上のアドバイス:電子回路は幅広い分野を扱うので,毎回の授業は1つの単元をなしている。
前もって教科書を読んで予習し,宿題は自分で解いて不明点を質問し,毎回の授業を着実に理解していくこと。
各時限の開始時刻に遅刻(20分以内),欠課を確認する。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
講義の概要,半導体の性質 |
半導体について説明できる。
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2週 |
pn接合ダイオードとその特性 |
pn接合およびダイオードの特徴を説明できる。
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3週 |
ダイオードの等価回路,ダイオード回路 |
ダイオードの回路の解析ができる。
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4週 |
トランジスタとその特性 |
バイポーラトランジスタとその特性を説明できる。
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5週 |
トランジスタの静特性とh定数,静特性グラフによる解析 |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。
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6週 |
電気回路理論,条件に応じた回路の簡単化 |
電子回路の解析に利用される電気回路理論や簡単化を説明できる。
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7週 |
まとめ |
半導体,ダイオード,バイポーラトランジスタの重要点を説明できる。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験の返却と解答解説,バイアス電圧と動作点,直流負荷線 |
トランジスタ増幅器のバイアスについて説明できる。
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10週 |
増幅作用と動作量,トランジスタの静特性とh定数,簡易等価回路 |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。
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11週 |
簡易等価回路による回路解析,動作量の計算 |
バイポーラトランジスタの等価回路とそれを用いた解析を説明できる。
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12週 |
トランジスタの接地方式と特徴 |
トランジスタの接地方式と特徴を説明できる。
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13週 |
トランジスタのバイアス回路(二電源方式,固定バイアス回路) |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。
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14週 |
自己バイアス回路,電流帰還バイアス回路 |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。
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15週 |
(前期末試験) |
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16週 |
前期末試験の返却と解答解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
直流負荷線と交流負荷線,最適設計 |
増幅回路の設計法の基礎事項を説明できる。
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2週 |
CR結合増幅回路の解析,動作量の計算 |
利得、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
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3週 |
多段増幅回路,CR結合増幅回路の等価回路と周波数特性(ボード線図) |
利得、周波数帯域等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
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4週 |
低周波領域および高周波領域の特性解析 |
利得、周波数帯域等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
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5週 |
増幅回路の動作点および周波数による分類,まとめ |
各種増幅回路の特徴や応用を説明できる。
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6週 |
FETの基本原理,FETの接地方式,等価回路 |
FETの特徴と等価回路を説明できる。
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7週 |
FETの静特性とバイアスおよび動作解析 |
FETの静特性とバイアスおよび動作解析を説明できる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の返却と解答解説,算増幅器の回路構成と特徴 |
演算増幅器の特性を説明できる。
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10週 |
理想演算増幅器の特徴,反転増幅回路,非反転増幅回路の解析 |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。
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11週 |
差増幅回路動,積分回路,微分回路の解析 |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。
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12週 |
加算回路,比較回路 |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。
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13週 |
対数変換回路,指数変換回路,アナログ乗算回路 |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。
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14週 |
まとめ |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。
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15週 |
(後期末試験) |
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16週 |
後期末試験の返却と解答解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子回路 | ダイオードの特徴を説明できる。 | 4 | |
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。 | 4 | |
FETの特徴と等価回路を説明できる。 | 4 | |
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。 | 4 | |
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。 | 4 | |
演算増幅器の特性を説明できる。 | 4 | |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | 課題 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |