電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 0046 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:西巻・森・荒井「電気回路の基礎」(森北出版)  参考書:川島・斎藤「電気基礎・上」(東京電機大学出版)
担当教員 原田 寛治

到達目標

学習目的:
電気回路に関する理論を理解し,回路計算ができること。そして,電気主任技術者第3種試験理論科目を解く能力を身に付けること。

到達目標:
1.直流回路の理論を理解し,諸定理を用いて回路解析が説明できる。
2.交流回路の理論を理解し,諸定理を用いて回路解析が説明できる。
3.三相交流について基礎的事象を説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1抵抗の直並列回路について,分圧・分流の式を用いて各抵抗の電圧・電流を計算できる。抵抗の直並列回路の合成抵抗を求め,各抵抗に流れる電流を計算できる。合成抵抗を求め,抵抗に流れる電流を計算できる。左記に達していない。
評価項目2ブリッジ回路などの最内周ループが 3つの場合の回路内の電流を計算できる。キルヒホッフの法則を理解して,最内周ループが 2つの回路内の電流を計算できる。キルヒホッフの法則を理解でき,回路方程式を立てることができる。左記に達していない。
評価項目3オームの法則,キルヒホッフの法則,重ね合わせの理,鳳-テブナンの定理を自由に使って三相交流回路解析ができる。重ね合わせの理,鳳-テブナンの定理を用いて抵抗に流れる電流を計算でき,抵抗で消費される電力を計算できる。重ね合わせの定理を理解できる。電力の計算方法を理解できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:電気・電子

基礎となる学問分野:工学/工学基礎

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標 「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

授業の概要:電気回路は情報・通信工学,あるいは電気・電子工学の諸分野においてきわめて重要な基礎科目の一つである。ここでは,低学年で習った電気基礎をベースにより高度でかつ基本的な電気回路の解析法や諸定理などについて学習する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:1週2単位時間で開講する(板書を中心の講義)。理解が深まるように適宜演習問題をしながら進めていく。状況に応じてレポートも課す。

成績評価方法:
定期試験の結果を同等に評価する(70%)。
課題を評価する(30%)。理解度が不十分であると感じられる部分は補講を行い,再試を行う場合もある。
再試の結果は上限60点として定期試験結果に入れる。定期試験は筆記用具・電卓以外の持ち込みを禁止する。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のために、本科目履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス:
・事前に行う準備学習として,基礎科目となる電気基礎の内容を復習しておくこと。
・電気・電子分野の専門科目の基礎科目なので,じっくりと取り組むこと。

基礎科目:総合理工基礎(1年),電気電子回路(2),電気基礎(2),総合理工演習(2),電気機器Ⅰ(2),電気電子計測Ⅰ(2)
関連科目:電気回路Ⅱ(4年),電気磁気学Ⅱ(4),発電工学(4),送配電工学(4),電気法規(4)

受講上のアドバイス:授業の開始時に出欠をとり,そのときにいない学生は遅刻とする。
遅刻3回で1欠課とする。
板書される内容を理解しながらノートに取ることを薦める。その日にノートを見返して理解不足の箇所を明確にし,次の授業で質問するように心掛けること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義概要 学習内容の把握
2週 直流回路の基本 直流回路の基本構成の理解
3週 直流回路の分流比 直流回路の分流比の計算の理解
4週 抵抗回路の△-Y変換 抵抗回路の△-Y変換式の理解
5週 直流回路(キルヒホッフの網目方程式) 直流回路におけるキルヒホッフの網目方程式の解法の理解
6週 直流回路(重ね合わせの理) 直流回路における重ね合わせの理の理解
7週 直流回路(鳳・テブナンの定理) 直流回路における鳳・テブナンの定理の理解
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説
10週 交流回路のフェーザー図 交流回路におけるフェーザー図作成の理解
11週 交流回路(R-L、R-C直列回路) 交流回路におけるR-L、R-C直列回路の解法の理解
12週 交流回路(R-L、R-C並列回路) 交流回路におけるR-L、R-C並列回路の解法の理解
13週 交流回路(R-L-C直並列回路) 交流回路におけるR-L-C直並列回路の解法の理解
14週 交流の電力 交流回路における電力算出法
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 交流回路網の解析(キルヒホッフ則) 交流回路網の解析においてキルヒホッフ則による解法の理解
2週 交流回路網の諸定理(重ね合わせの理) 交流回路網における諸定理(重ね合わせの理)による解法の理解
3週 交流回路網の諸定理(鳳・テブナンの定理) 交流回路網における諸定理(鳳・テブナンの定理)による解法の理解
4週 交流回路網の諸定理(ミルマンの定理) 交流回路網における諸定理(ミルマンの定理)による解法の理解
5週 交流回路の周波数特性 交流回路における周波数特性の理解
6週 交流の直列共振回路 交流回路における直列共振回路の理解
7週 交流回路の並列共振と最大電力 交流回路の並列共振と最大電力の理解
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解答解説、三相交流の基礎
10週 三相交流のY-Y接続 三相交流回路におけるY-Y接続の理解
11週 三相交流の△-△接続と△-Y変換 三相交流回路における△-△接続と△-Y変換の理解
12週 三相電力と三相不平衡回路の基礎 三相電力と三相不平衡回路の基礎の理解
13週 三相不平衡回路の計算方法 三相不平衡回路の計算方法による解法の理解
14週 ひずみ波回路の基礎 ひずみ波回路の基礎の理解
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の答案返却と試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000