電気電子計測Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子計測Ⅱ
科目番号 0049 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:阿部武雄,村山 実「電気・電子計測(第3版)」(森北出版)
担当教員 中村 直人

到達目標

学習目的:電気電子計測の基礎を理解し,計測に関係する計算ができるようになることが本科目の目的である。

到達目標:
1.直流,交流の電圧,電流,インピーダンスの測定法を理解し,計算できる。
2.交流ブリッジの計算ができる。
3.直流,交流の電力,電力量の測定方法が説明できる。
4.電気量以外の測定(機械,温度,光,磁気量の電気量への変換)について説明できる。
5.ディジタル計器に関連するAD変換,DA変換について理解し,計算できる。
6.ディジタルオシロスコープにおけるの原理および波形観察について理解する。


ルーブリック

不可
評価項目1複雑な回路における電圧,電流,インピーダンスの測定法を理解し,計算できるインピーダンスの測定法を理解し,説明および計算ができる.インピーダンスの測定法を理解し,基本的な測定法の計算ができる.左記に達していない。
評価項目2複雑な交流ブリッジの計算ができる。簡単な交流ブリッジの計算ができる。交流ブリッジの計算見本を見ながら,計算ができる。左記に達していない。
評価項目3直流,交流の電力,電力量の測定方法が説明できる。単相の有効電力,無効電力,皮相電力,力率を説明できる。簡単な交流電力,電力量の計算ができる.左記に達していない。
評価項目4複数の種類のセンサーの仕組みを説明できる.1種類のセンサーについて仕組みを説明できる.磁気量などの測定方法について,見本回路をみながら仕組みを説明できる.左記に達していない。
評価項目5AD変換,DA変換のブロック線図が描ける.AD変換,DA変換の計算ができる。AD変換,DA変換の見本のブロック図を見ながら,変換の説明ができる。左記に達していない。
評価項目6デジタルオシロスコープの仕組みを説明できる.デジタルオシロスコープの使い方が説明でき,周期や電圧が読み取れる.デジタルオシロスコープのブロック図を使いながら説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別・学習の分野:専門:電気・電子

基礎となる学問分野:工学/工学基礎

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科の学習教育目標「③基盤となる専門性の深化」のための科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自然科学の幅広い分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「A-2」にも関与する。

授業の概要:誤差,数値の取り扱いなど計測の基本事項から入り,電気電子計測の基本である指示計器の原理,構造について学ぶ。

授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に授業を行うが,日常生活で経験する電気製品等との関連に注意しながら授業を進める。また,理解が深まるよう演習やレポートを課す。基礎となる電気磁気学,電気回路についても計測原理や応用面の説明を通じて理解を深められるよう配慮する。

成績評価方法:2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。小テストの成績,レポートの成績,演習で評価する(30%)。
成績不振者には再試験を実施することがある。再試験を行う場合は再試験結果を上限60点として定期試験結果に入れる。
注意点:
履修上の注意:本科目は必履修科目であり,学年の課程修了のために、本科目履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。。

履修のアドバイス:事前の準備学習として教科書を一読してほしい。電気回路Ⅰ,電磁気学Ⅰ,デジタル工学などの授業と関連があり,これらの内容で理解できることがほとんどである。教科書で分からない箇所があれば,上述の授業を復習することで理解が深まる。特に交流電気回路の基礎(複素数,フェーザ図,電力計算法)の理解が重要である。

基礎科目:総合理工基礎(1年),電気電子計測Ⅰ(2)

関連科目:電気回路Ⅰ(3年),電気磁気学Ⅰ(3),デジタル工学(3)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,概説 それぞれ以下の内容について理解する
2週 直流回路における電圧,電流測定方法 電位差計,微小電流・電圧測定
3週 交流回路における電圧,電流測定方法 ホール素子,ロゴスキーコイル
4週 直流,交流の電力,電力量の測定方法,抵抗測定方法 単層電力,4端子法
5週 抵抗測定方法,交流ブリッジによるインピーダンス測定 ホイーストンブリッジ,
電圧降下法,ダブルブリッジ法
6週 交流ブリッジによるインピーダンス測定 交流ブリッジ
7週 前期中間試験
8週 前期中間試験の返却と解答解説
2ndQ
9週 磁気量の測定方法 磁針計,サーチコイル
10週 鉄損測定,周波数・位相の測定 エプスタイン法
11週 デジタル計測器におけるAD変換,DA変換 デジタル化法
12週 デジタル計測器におけるAD変換,DA変換 AD,DA変換回路
13週 デジタルオシロスコープの原理 デジタルオシロスコープ
サンプリング定理
14週 デジタルオシロスコープによる計測方法 量子化検討,デジタル電力計
15週 前期末試験
16週 前期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000