計算科学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 計算科学
科目番号 0055 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:Cによる数値計算法入門(森北出版)
担当教員 竹谷 尚,松島 由紀子,畑 良知,房 冠深

到達目標

学習目的:様々な問題を計算機による数値シミュレーションやその他計算手法を適用して解決する方法の基礎を習得する。

到達目標
1.数値シミュレーションの基礎について理解している。
2.数値計算手法の基礎について理解している。
3.プログラミングであるC言語の基礎について理解している。
4.大規模計算や並列計算における課題について理解している。


ルーブリック

不可
評価項目1数値シミュレーションの基礎について他人に説明できるレベルで理解し、問題解決の方法を提案することができる。数値シミュレーションの基礎について十分理解し、問題解決の方法を模索することができる。数値シミュレーションの基礎についてある程度理解しており、問題解決が必要な理由は理解している。数値シミュレーションの基礎について理解しておらず、問題解決が必要な理由も理解していない。
評価項目2数値計算手法の基礎について他人に説明できるレベルで理解している。数値計算手法の基礎について十分理解している。数値計算手法の基礎について基礎を理解している。数値計算手法の基礎について理解していない。
評価項目3C言語の基礎について他人に説明できるレベルで理解している。C言語の基礎について十分理解している。C言語の基礎について基礎を理解している。C言語の基礎について理解していない。
評価項目4大規模計算や並列計算における課題について他人に説明できるレベルで理解している。大規模計算や並列計算における課題について十分理解している。大規模計算や並列計算における課題について基礎を理解している。大規模計算や並列計算における課題について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般 学習の分野:自然科学系共通・基礎

必修・履修・履修選択・選択の別:必履修

基礎となる学問分野:情報科学、情報工学およびその関連分野/計算科学関連

学習教育目標との関連:本科目は「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育目標は「(C)情報技術の修得」である。

授業の概要:様々な問題を計算機による数値シミュレーションやその他計算手法を適用して解決する方法の基礎を習得する。具体的にはプログラミング言語であるC言語を利用して,基本的な数値計算を行い,いくつかの典型的な問題を解決するための手法を理解する。また,大規模なコンピュータシミュレーションに必要不可欠となる並列計算等の基礎についても理解できるようにする。さらに近年,話題となっている人工知能等のトピックスに関しても説明し見識を広める。


授業の進め方・方法:
授業の方法:プレゼンテーションと演習を中心に授業を進める。情報機器を活用して問題を解決するときに必要とされる概念の全般をイメージできるよう授業を進める。90分の内,前半を講義,後半をパソコン演習とする。また,理解が深まるよう演習やレポートを課す。

成績評価方法:4回の定期試験の結果を同等に評価する(60%)。またレポート課題(40%)で評価し,最終的な成績を出す。なお各定期試験の結果が60点未満の人には補習,再試験により理解が確認できれば,点数を変更することがある。ただし,変更した後の評価は60点を超えないものとする。

注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のためには履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス:
・事前に行う準備学習として,基礎科目の内容の復習をしておくこと。
・必要に応じてレポート課題を課すので,必ず提出すること。

基礎科目:(中学校)技術・家庭の「情報に関する技術」

関連科目:専門科目全般(全系2年)

受講上のアドバイス:近年のコンピュータ,ネットワーク,情報化に関連する技術は急速に発達している。技術の発展に遅れないためにも,コンピュータ・ネットワーク系の雑誌や新聞を読むことを薦める。
遅刻は授業時間半分までとし,遅刻2回で欠課1回として取り扱う。


授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目の位置づけ,学習内容,方法に関するガイダンス,演習室利用の説明 科目の位置づけを理解できる。
2週 数値シミュレーションの概念,演習:ログイン方法,パスワードの設定など,パソコン演習に必要な基礎の演習 数値シミュレーションの概要をりかいし、演習環境を使用可能にする
3週 方程式〔2分法〕,演習:2分法のプログラムの作成と実行 2分法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
4週 方程式〔ニュートン法〕,演習:ニュートン法のプログラムの作成と実行 ニュートン法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
5週 連立一次方程式〔行列表示,上三角型連立一次方程式〕,演習:上三角型連立一次方程式のプログラムの作成と実行 連立1次方程式の基礎について理解できる。
6週 連立一次方程式〔ガウスの消去法(1)〕,演習:ガウスの消去法のプログラムの作成と実行 ガウスの消去法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
7週 連立一次方程式〔ガウス・ジョルダン法〕,演習:ガウス・ジョルダン法のプログラムの作成と実行 ガウス・ジョルダン法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
8週 中間テスト
2ndQ
9週 中間テストの答案を返却して解説,演習:パソコン演習の復習 前期中間試験の内容を理解する
10週 連立一次方程式〔解の有無,線形計画法〕,演習:解の有無,線形計画法のプログラムの作成と実行 連立一次方程式の解の有無について理解できる。
11週 連立一次方程式〔LU分解(1)〕,演習:LU分解法のプログラムの作成と実行 LU分解法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
12週 連立一次方程式〔LU分解(2)〕,演習:LU分解法のプログラムの作成と実行 LU分解法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
13週 補間法〔ラグランジェの補間法〕,演習:ラグランジェの補間法のプログラムの作成と実行 ラグランジェの補間法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
14週 補間法〔差商〕,演習:差商のプログラムの作成と実行 補間法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
15週 前期末試験
16週 前期期末試験の返却と解答解説 前期末試験の内容を理解する
後期
3rdQ
1週 曲線のあてはめ〔スプライン関数〕,演習:スプライン関数のプログラムの作成と実行 スプライン関数の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
2週 曲線のあてはめ〔最小2乗法〕,演習:最小2乗法のプログラムの作成と実行 最小2乗法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
3週 数値積分〔台形公式〕,演習:台形公式のプログラムの作成と実行 数値積分の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
4週 数値積分〔シンプソンの公式〕,演習:シンプソンの公式のプログラムの作成と実行 シンプソンの公式の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
5週 数値積分〔ガウス型積分公式〕,演習:ガウス型積分公式のプログラムの作成と実行 ガウス型積分法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
6週 数値積分〔2重積分〕,演習:ガウス型積分公式のプログラムの作成と実行 2重積分の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
7週 微分方程式〔ルンゲ・クッタ法(1)〕,演習:ルンゲ・クッタ法のプログラムの作成と実行 ルンゲ・クッタ法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
8週 中間テスト
4thQ
9週 中間テストの答案を返却して解説,演習:パソコン演習の復習 後期中間試験の内容を理解する
10週 微分方程式〔ルンゲ・クッタ法(2)〕,演習:ルンゲ・クッタ法のプログラムの作成と実行 ルンゲ・クッタ法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
11週 偏微分方程式〔差分近似(1)〕,演習:差分近似法のプログラムの作成と実行 差分近似の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
12週 偏微分方程式〔差分近似(2)〕,演習:差分近似法のプログラムの作成と実行 差分の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
13週 偏微分方程式〔差分近似(3)〕,演習:差分近似法のプログラムの作成と実行 差分の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
14週 後期の復習と確認,演習:後期の復習と確認 後期末の範囲の内容を理解する
15週 後期末試験
16週 後期末試験の答案返却と試験解説 後期末の範囲の内容を理解する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。2
工学基礎情報リテラシー情報リテラシー同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。3
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。3
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。3

評価割合

試験発表相互評価課題その他合計
総合評価割合6000400100
基礎的能力000000
専門的能力6000400100
分野横断的能力000000