微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 0058 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:斎藤 他著 新 微分積分Ⅱ(大日本図書)及び問題集
担当教員 山中 聡

到達目標

学習目的:工学の基礎的な問題を解決するために必要な数学の知識,計算技術を級数,2変数関数の微分,積分を学ぶことにより習得する。

到達目標:
1.いろいろな関数をべき級数に展開できる。
2.偏微分の概念を理解し,基本的な2変数関数の極値や曲面の接平面の方程式を求めることができる。
3.重積分の概念を理解し,基本的な立体の体積を求めることができる。

ルーブリック

不可
評価項目1関数をテーラー展開することができる。基本的な関数の1次 近似,2次近似を求めることができる。 基本的な関数のマク ローリン展開ができる。基本的な関数の1次近似,2次近似を求めることができる。基本的な関数の1次近似,2次近似を求めることが十分に出来ない。
評価項目2偏微分を用いて関数の極値を求める ことができる。更 に条件付き極値, 包絡線を求めるこ とができる。基本的な関数の極値を求めることができる。 包絡線を求めることが出来る。基本的な関数の極値を求めることができる。基本的な関数の極値を求めることが十分にできない。
評価項目3重積分の計算がで きる。積分順序を 交換することがで きる。累次積分法を理解し,基本的な関数の重積分をそれによって求 めることができる。基本的な関数の重積分を,累次積分法によって求めることができる。累次積分法によって重積分を計算することが十分にできない。
評価項目4ヤコビアンを用いた変数変換によっ て重積分を計算す ることができる。極座標変換によって与えられた重積分を計算することでき,極座標変換の意味を理解できる。極座標変換によって与えられた重積分を計算することできる。極座標変換による重積分の計算が不十分である。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般 学習の分野:自然科学系共通・基礎

基礎となる学問分野:数物系科学/数学/基礎解析学

学習教育目標との関連:
本科目は「②確かな基礎科学の知識修得」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自然科学の幅広い分 野の知識を修得し,説明できること」である。本科目は大学担当の内容を含む科目で、技術者教育プログラムの履修認定に関係する。

授業の概要:
級数の概念と関数のべき級数展開を理解することからはじめる。次に2年生で学んだ1変数関数の微分・積分を発展させ,2変数関数の微分 (偏微分),及び2変数関数の積分(重積分)について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業の方法:
板書を中心に授業を進め出来るだけ厳密性に偏ることなく直観的な内容の理解を重視する。また,その理解をより深めるために演習の時間を多くするよう配慮する。

成績評価方法:
4回の定期試験(同等に評価し60%)とその他の試験,演習,レポート,授業への取り組み方など(40%)の合計で評価する。成績等によっては,再試験を行う(レポート課題を課すこともある)。
注意点:
履修上の注意:
学年の課程修了のために、本科目履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス:
事前に行う準備学習として,2年生までの数学(特に 微分,積分)を復習しておくこと。

基礎科目:基礎数学(1年),基礎数学演習(1),微分積分Ⅰ(2),基礎線形代数(2)

関連科目:応用数学Ⅰ,Ⅱ(4年)

受講上のアドバイス:
講義内容をよく理解し,自分で問題を解くことが重要である。自力で解法を見出すことを大切にしてほしい。遅刻について,授業に大幅に遅れた場合は欠課として扱う,また遅刻の回数 が多い場合は,警告を行った後,欠課扱いとすることもある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス,多項式による近似(1) 関数の1次近似式や2次近似式を求めることができる。
2週 多項式による近似(2) 関数のn次近似式を求めることができる。また、関数の極値の判定を行うことができる。
3週 数列の極限 不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。
4週 級数 級数の収束・発散を判定することができる。
5週 べき級数とマクローリン展開 関数をマクローリン展開することができる。
6週 オイラーの公式 オイラーの公式を用いた複素数の計算を行うことができる。
7週 2変数関数 簡単な2変数関数のグラフを描くことができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説、偏導関数 2変数関数の偏導関数を求めることができる。
10週 全微分と接平面 接平面の方程式を求めることができる。
11週 合成関数の微分法 合成関数の微分法を用いて、偏導関数を求めることができる。
12週 高次偏導関数 高次偏導関数を求めることができる。
13週 極大・極小 2変数関数の極大値・極小値を求めることができる。
14週 演習
15週 前期末試験
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス,陰関数の微分法 陰関数の微分法を用いて、(偏)導関数を求めることができる。
2週 条件付き極値問題 条件付きの極値を求めることができる。
3週 包絡線 包絡線の方程式を求めることができる。
4週 2重積分の定義 2重積分の定義を理解し、立体の体積を2重積分を用いて表すことができる。
5週 2重積分の計算(1) 累次積分を計算することができる。
6週 2重積分の計算(2) 積分順序を変更などを用いて立体の体積を計算することができる。
7週 演習
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期末試験の返却と解説、極座標による重積分 極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。
10週 変数変換と重積分 一般の変数変換を用いて、2重積分を計算することができる。
11週 広義積分 広義積分を計算することができる。
12週 2重積分のいろいろな応用(1) 曲面の面積を求めることができる。
13週 2重積分のいろいろな応用(2) 図形の重心を求めることができる。
14週 演習
15週 後期末試験
16週 後期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3前3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3前4
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3前7
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3前9,前10,前11
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3前12
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3前13
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3後4,後5
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3後9
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3後6
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3前1,前2
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3前5
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前6

評価割合

試験その他合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100
専門的能力000
分野横断的能力000