電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 西川正朗・下川博文・奥村万規子共著「続電気回路の基礎」(森北出版)
担当教員 八木 秀幸

到達目標

【学習目的】
2端子対回路,伝送回路(分布定数回路),過渡現象,非正弦波交流回路についての回路解析法を習得し,これらの知識を実際にどのように利用するかを理解する。
【到達目標】
1.2端子対回路の種類・特徴を理解し,回路解析できる。
2.分布定数回路の特徴が説明でき,回路解析できる。
3.過渡現象・過渡応答の特徴が説明でき,回路解析できる。
4.非正弦波交流の電力・力率の説明ができ,計算ができる。

ルーブリック

不可
評価項目1複雑な2端子対回路のFパラメータを求め,交流回路における各場所での電流・ 電圧を求めることが出来る 。複雑な2端子対回路のFパラメータを求め,直流回路における各場所での電流・ 電圧を求めることが出来る 。 基本的な2端子対回路のFパラメータを求め,直流回路における各場所での電流 ・電圧を求めることが出来る。左記に達していない。
評価項目2分布定数回路の基礎方程式を解き,送端から見た入力インピーダンスや受端での電圧・電流を求めることが出来る。 伝搬波の位相定数と周波数・伝搬速度・波長の関係を理解し,与えられた条件下で求めることが出来る。 単位長さあたりのインピーダンス・アドミタンスが計算でき,伝搬定数・特性インピーダンスが計算できる。左記に達していない。
評価項目3交流のRL・RC直並列回路の過渡応答に対する微分方程式を解き,時定数と過渡応答の関係を説明できる。 複雑な直流のRL,RC直並列回路の過渡応答に対する微分方程式を立て,解くことが出来る。 基礎的な直流のRL・RC直並列回路の過渡応答に対する微分方程式を立て,解くことが出来る。左記に達していない。
評価項目4複雑なL,R,C直並列回路で非正弦波交流の電圧・電流・電力・力率を求めることが出来る。 基礎的なL,R,C直並列回路で非正弦波交流の電圧・電流・電力を求めることが出来る。 R L, R Cの基本回路で非正弦波交流の電圧,電流の瞬時値を求めることが出来る。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門
学習の分野:電気・電子
必修・必履修・履修選択・選択の別:必修
基礎となる学問分野:工学/電気電子工学

学習・教育目標との関連:
本科目は電気電子工学科学習目標「(2)電気理論,電子・通信,情報・制御,電力・機器・設計に関する専門技術分野の
知識を修得し,電気現象の解析や電気・電子機器の設計・製作に応用できる能力を身につける。」に相当する科目であ
る。

技術者教育プログラムとの関連:
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自
然科学の幅広い分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「A-2」にも関与する。

授業の概要:
電気回路Ⅰで学んだことをもとに,2端子対回路,伝送回路(分布定数回路),過渡現象,非正弦波交流回路の解析
について学び,それらがどのような状況で必要になるかが理解し,その状況において知識を利用できるような講義を
行う。
授業の進め方・方法:
授業の方法:1週2単位時間で開講する(板書を中心の講義)。理解が深まるように適宜演習問題をしながら進めていく。状況に応じてレポートも課す。
成績評価方法:4回の定期試験の結果を同等に評価する(70%)。小テスト,レポート結果を評価する(30%)。理解度が不十分であると感じられる部分は補講を行い,再試を行う場合もある。再試の結果は上限60点として定期試験結果に入れる。定期試験は筆記用具・電卓以外の持ち込みを禁止する。
注意点:
履修上の注意:課程修了のため履修が必須である。また本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。1単位あたり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必修となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:電気回路Ⅰの教科書「電気回路の基礎」を復習し,理解しておくこと。電気電子基礎Ⅰ,Ⅱの理解を確実にしておくこと。

基礎科目:総合理工基礎(1年),電気電子回路(2),電気基礎(2),総合理工演習(2),電気機器Ⅰ(2),電気電子計測Ⅰ(2),電気回路Ⅰ(3)

関連科目:パワーエレクトロニクス(4年),電気電子機器設計(5),高電圧工学(5)送配電工学(5),電気電
子材料(5),電気電子応用と環境(5),卒業研究(5)

受講上のアドバイス:授業の開始時に出欠をとり,そのときにいない学生は遅刻とする。遅刻3回で1欠課とする。
板書される内容を理解しながらノートに取ることを薦める。演習問題は必ず自分で解き理解不足の箇所を明確にし,次の授業で質問するように心掛けること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,2端子対回路の種類 2端子回路5種類理解
2週 2端子対回路のマトリクス表示・接続 Z,Y,Fマトリクス計算
3週 入出力インピーダンス Fマトリクスで入出力インピ―ダンス計算
4週 等価回路 電流・電圧増幅度,T型回路,π型回路計算
5週 等価回路変換 T型⇔π型変換計算,対称回路・変圧器のFパラメータ
6週 Z,Y,Fマトリクスの物理的意味 複雑な直並列回路計算
7週 等価電源の定理 鳳テブナンの定理との関係
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 前期中間試験返却解説,分布定数回路 伝送線路法的色理解
10週 伝搬定数・特性インピーダンス Z0,γ,α,β,伝搬速度計算
11週 分布定数回路の基礎方程式 分布定数のFパラメータ計算
12週 進行波,反射波,反射係数 反射,透過の理解
13週 無損失線路上の伝搬 反射電圧電流,透過電流電圧の計算
14週 定在波 定在波比,反射係数の計算
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 定常状態と過渡状態 過渡現象の方程式化理解
2週 直流R-L回路の過渡現象 DC_RL回路の過渡状態の計算
3週 直流R-C回路の過渡現象 DC_RC回路の過渡状態の計算
4週 直流R-L-C直列回路の過渡現象 DC_RLC回路の過渡状態の計算
5週 ラプラス変換を用いた解法 ラプラス変換を用いた計算
6週 交流R-L回路の過渡現象 AC_RL回路の過渡状態の計算
7週 交流R-C回路の過渡現象 AC_RC回路の過渡状態の計算
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 後期中間試験返却と解説,非正弦波交流について フーリエ級数で表記
10週 実効値,波高率,波形率等 実効値,波高率,波形率の計算
11週 非正弦波交流の電流電圧 RL,RC回路の電流電圧瞬時値計算
12週 非正弦波交流の電力 RL,RC回路の無効電力・消費電力計算
13週 非正弦波交流の力率 RL,RC回路の力率計算
14週 非正弦波交流の瞬時電圧電流,電力,力率 RLC回路での計算
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000