キャリアマネジメント

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 キャリアマネジメント
科目番号 0100 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 長岡科学技術大学システム安全専攻編著「システム安全入門」(養賢堂)
担当教員 西川 弘太郎

到達目標

【学習目的】
自分と社会との関係において職業がどのような位置づけにあるかを理解する。そして仕事(職業)を通じて社会に貢献することの意義を理解し,働く上での安全に関する知識の重要性を理解する。
【到達目標】
1 自分が就業するイメージをつかみ,「就業すること」においての安全の重要性を理解する。
2 安全の定義を理解し,リスクアセスメントの必要性を理解する。
3 テーマを決め,リスクアセスメントを実施する。

ルーブリック

不可
評価項目1技術者にとってシステム安全という考えが非常に重要であることを理解し,安全の定義が完全に理解できている。 技術者にとってシステム安全という考えが重要であることを理解し,安全の定義が理解できている。安全の定義が理解できている。 安全の定義の理解が不十分である。
評価項目2リスクアセスメントの必要性が理解できており,リスク低減に向けてのリスクアセスメントのポイントを理解し,リスク評価ができる。リスクアセスメントの必要性が理解できており,リスク低減に向けてのリスクアセスメントのポイントが理解できている。リスクアセスメントの必要性が理解できており,リスク低減の意味が理解できている。リスクアセスメントの必要性の理解が不十分であり,リスク低減の意味の理解も不十分である。
評価項目3実際のテーマに対して,複数の危険源の特定し,リスクアセスメントを実施し複数のリスク低減策を提案できる。実際のテーマに対して,少なくとも一つの危険源の特定ができ,リスクアセスメントを実施し複数のリスク低減策を提案できる。実際のテーマに対して,少なくとも一つの危険源の特定ができ,リスクアセスメントを実施し少なくとも一つのリスク低減策を提案できる。実際のテーマに対して,危険源の特定ができるが,リスクアセスメントの実施を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は企業で職務経験を有する教員(技術士)が,その経験を活かし,自分と社会との関係において職業がどのような位置づけにあるかを理解したり,仕事(職業)を通じて社会に貢献することの意義を理解したり,働く上での安全に関する知識の重要性を理解することを目的として,PBL形式で授業を行い,リスクアセスメントを体験するものである。

一般・専門の別:専門
学習の分野:融合科目・その他

基礎となる学問分野:総合領域/総合理工学科

学習教育目標との関連:
本科目は総合理工学科の学習教育目標「④分野横断的な融合力の育成」「⑤ グローバルな視点と社会性の養成」「⑥課題探求・解決能力の育成」「⑦コミュニケーション力・プレゼンテーション力の育成」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は付随的に「(E) 技術者倫理を理解することができる」に関連する。

授業の概要:
1~3年の特別活動で学修した「職業・就業」に関する知識を基に,自分が就業するために何が必要かを考える。就業に際し必要となる安全衛生教育も行い,実際にリスクアセスメントを行なわせる。
授業の進め方・方法:
授業の方法:
系を横断したグループディスカッションを中心に行い,各自の就業意識を確認し,安全がいかに大切かを理解する。まず,安全衛生に関するケーススタディ・ディスカッションを行う。続いて,実際にテーマを設定し,そのテーマに対するリスクアセスメントを実施する。

成績評価方法:
安全衛生の知識に関する試験および系を横断したグループによるリスクアセスメント(70%),リスクアセスメントに関する課題(30%)
なお,期末段階の成績が60点未満の者には,出席状況や授業態度が良好であれば,事前指示を与えたうえで再試験の代わりに課題を課す。課題成績が60点以上の場合は,最終成績を60点とする。
注意点:
履修上の注意
本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,すべての課題提出が必須である。

履修のアドバイス:
基本的にはグループワークを中心に行う。各自自分の意見を述べ,他のメンバーとの意見交換が出来るように与えられたテーマに対して準備をしっかりやること。リスクアセスメントに関する基本的なルールを理解すること。

基礎科目:物理Ⅰ(1年),国語Ⅰ(1年),化学Ⅰ(2年),国語Ⅱ(2年),政治経済(2年),化学Ⅱ(3年),国語Ⅲ(3年)

関連科目:学外実習A, B(4年),卒業研究(5年),特別活動(1~3年)

受講上のアドバイス:
主体性をもってあらゆることに取り組む必要がある。自分で積極的に意見を述べること。必要な資料がすべて与えられるものではなく,必要なものを自ら見つける姿勢が必要である。事前に行う予備学習として,教科書を精読しておくこと。授業開始25分以内であれば遅刻とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
技術者の責任について
過失責任主義から製造物責任への変遷の経緯が理解できる
2週 技術者が関係する法律について(1) 製造物責任,業務上過失致死傷罪の違いが理解できる
3週 技術者が関係する法律について(2) 労働関係における安全を守る法令を理解し,安全の重要さが理解できる
4週 リスクアセスメントの必要性について 安全規格と種類が理解でき,安全の定義と危害発生のプロセスが理解できる
5週 危険源の特定とリスク見積もりについて 与えられたテーマに対して,危険源が特定でき,リスク見積もりができる
6週 リスク評価とリスク低減について 与えられたテーマに対して,リスク評価を行い,安全とみなせるまでのリスク低減が行える
7週 リスクアセスメントの実施に向けて リスクアセスメントを行うために,自分の研究等に関連したテーマを決定できる
8週 (中間試験)
4thQ
9週 中間試験の返却と解説,リスクアセスメント実施 危険源の特定ができる
10週 リスクアセスメント実施 リスク見積もり,リスク評価ができる
11週 リスクアセスメント実施 リスク低減策について考えることができる
12週 レポート作成および発表資料作成 リスクアセスメント結果をまとめることができる
13週 各自行った結果をプレゼンテーションし,相互評価(1/2) 他のメンバーが行った実施例を理解し,リスクアセスメントを評価できる
14週 各自行った結果をプレゼンテーションし,相互評価(2/2) 他のメンバーが行った実施例を理解し,リスクアセスメントを評価できる
15週 (期末試験)プレゼンテーションの評価
16週 期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力201030
専門的能力401050
分野横断的能力101020