送配電工学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 送配電工学
科目番号 0112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:道上勉著「送配・配電 改訂版」(電気学会),参考書:田辺茂著「よくわかる送配電工学」(電気書院)
授業で使う資料はTeamsで配布する
担当教員 桶 真一郎

到達目標

学習目的:送配電システムを理解し,送電線や配電系統の定常時および故障時の挙動を考えることができる能力を修得すると共に,電力システムの保護思想を理解する。

到達目標:
1.電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。
2.交流および直流送電方式について,それぞれの特徴を説明でき,電力についての基礎的な計算ができる。
3.電力品質の定義およびその維持に必要な手段について説明できる。
4.電力システムの各種障害について定量的に説明できる。
5.自己の取り組みについて,客観的に評価できる。

ルーブリック

不可
評価項目1電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。電力システムの構成およびその構成要素について基本的な事項を説明できる。電力システムの構成およびその構成要素についてとくに基本的な事項を説明できる。左記に達していない。
評価項目2交流および直流送電方式について,それぞれの特徴を説明でき,電力についての基礎的な計算ができる。交流および直流送電方式について,それぞれの特徴について基本的な事項を説明でき,電力についての基礎的な計算ができる。交流および直流送電方式について,それぞれの特徴についてとくに基本的な事項を説明でき,電力についてのとくに基礎的な計算ができる。左記に達していない。
評価項目3電力品質の定義およびその維持に必要な手段について説明できる。電力品質の定義およびその維持に必要な手段について基本的な事項を説明できる。電力品質の定義およびその維持に必要な手段についてとくに基本的な事項を説明できる。左記に達していない。
評価項目4電力システムの各種障害について定量的に説明できる。電力システムの各種障害について説明できる。電力システムの各種障害について基本的な事項を説明できる。左記に達していない。
評価項目5自己の取り組みについて,客観的に評価できる。自己の取り組みについて,ほぼ客観的に評価できる。自己の取り組みについて,すこし客観的に評価できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門・電気・電子

基礎となる学問分野 :工学/電気電子工学/電力工学・電力変換・電気機器

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「2.確かな基礎科学の知識習得」および「3.基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は(B)専攻分野に関連する知識理解を深化させ,それらを応用することができる」である。

授業の概要:電力系統は人類が作ったもっとも複雑で巨大なシステムの1つである。今や我々の生活に一瞬たりとも欠かせなくなった電気を需要家まで安全に届けるための基礎理論と構成機器,制御・保護方式を学習し,送配電システムを構成している基本思想について考察する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:教科書を用いて授業を進める。適宜,小テストやレポートを課す。

成績評価方法:定期試験:70%,レポート・小テスト等:25%,自己評価:5%とする。授業時間外の学習成果の評価は小テストおよびレポートで行う。成績が60点未満の者には,出席状況や授業態度が良好であれば,事前指示を与えた上で再試験を実施する。再試験の結果は,成績の上限を60点として,定期試験の結果と読み替える。
注意点:
履修上の注意:本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

基礎科目:電気機器Ⅰ,Ⅱ(2,3年),電気磁気学Ⅰ,Ⅱ(3,4),電気回路Ⅰ,Ⅱ(3,4)

関連科目:高電圧工学(4年),発電工学(4),電気法規(4),電気電子機器設計(4)

受講上のアドバイス:本科目は「原子力人材育成関連科目」である。授業冒頭の出席確認時に不在の場合,遅刻とする。授業開始から単位時間の半分を超過して入室した場合は欠席とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,電力系統の構成 【授業】電力系統の構成について説明できる。
【授業時間外】電力系統の構成についての問題が解ける。
2週 送配電線路の電気的特性 (1) 線路定数 【授業】送配電線路の線路定数について説明できる。
【授業時間外】送配電線路の線路定数についての問題が解ける。
3週 送配電線路の電気的特性 (2) 送電特性と等価回路 【授業】送配電線路の送電特性と等価回路について説明できる。
【授業時間外】送配電線路の送電特性と等価回路についての問題が解ける。
4週 送配電線路の電気的特性 (3) 電圧降下・送電容量 【授業】送配電線路の電圧降下と送電容量について説明できる。
【授業時間外】送配電線路の電圧降下と送電容量についての問題が解ける。
5週 送配電線路の電気的特性 (4) 安定度・電力損失 【授業】送配電線路の安定度と電力損失について説明できる。
【授業時間外】送配電線路の安定度と電力損失についての問題が解ける。
6週 架空送電線路 【授業】架空送電線路の構成と直流送電について説明できる。
【授業時間外】架空送電線路の構成と直流送電についての問題が解ける。
7週 地中送電線路 【授業】地中送電線路の構成と電力ケーブルについて説明できる。
【授業時間外】地中送電線路の構成と電力ケーブルについての問題が解ける。
8週 配電線路 【授業】配電線路の構成と電気方式について説明できる。
【授業時間外】配電線路の構成と電気方式についての問題が解ける。
2ndQ
9週 前期中間試験 【授業】ここまでの内容を理解し,説明や計算ができる。
【授業時間外】試験に備えて十分な準備ができる。
10週 前期中間試験の返却と理解度の確認
【授業】試験の内容を理解し説明や計算ができる。
【授業時間外】試験の内容や欠課を踏まえて復習ができる。
11週 短絡・地絡故障計算 (1) 単位法とパーセント法 【授業】単位法とパーセント法について説明できる。
【授業時間外】単位法とパーセント法についての問題が解ける。
12週 短絡・地絡故障計算 (2) 簡易法を用いた故障計算 【授業】簡易法を用いた故障計算について説明できる。
【授業時間外】簡易法を用いた故障計算の問題が解ける。
13週 短絡・地絡故障計算 (3) 対称座標法による故障計算 【授業】対称座標法について説明でき,簡単な計算ができる。
【授業時間外】対称座標法についての問題が解ける。
14週 中性点接地方式,誘導障害,異常電圧とその防止地策,絶縁協調 【授業】中性点接地の目的,各種接地方法,誘導障害,異常電圧とその防止地策,および絶縁協調について説明できる。
【授業時間外】中性点接地の目的,各種接地方法,誘導障害,異常電圧とその防止地策,および絶縁協調についての問題が解ける。
15週 (前期末試験) 【授業】ここまでの内容を理解し,説明や計算ができる。
【授業時間外】試験に備えて十分な準備ができる。
16週 前期末試験の返却と理解度の確認 【授業】試験の内容を理解し説明や計算ができる。
【授業時間外】試験の内容や欠課を踏まえて復習ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
直流機の原理と構造を説明できる。3
誘導機の原理と構造を説明できる。3
同期機の原理と構造を説明できる。3
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。3
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価自己評価小テスト・レポートその他合計
総合評価割合70005250100
基礎的能力0005005
専門的能力7000025095
分野横断的能力0000000