到達目標
学習目的
照明工学で照明用の光と物理的な光の違いを理解し,照明設計に関する基礎的を習得する。電熱工学で基礎を理解し,実際の電気炉の種類特徴を習得する。環境では,化石燃料エネルギー・自然エネルギーの現状を理解し,環境に優しいエネルギーの在り方を考える力を取得する。
到達目標
1.照明工学では物理的な光と照明用の光の違いを説明でき,各種光源の特徴と照明設計の仕方が説明できる。
2.電熱工学では電熱設計習得し,各種電気炉の特徴が説明できる。
3.日本のエネルギー環境を理解し,これからのエネルギーの在り方についての意見をもつ。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | 照明用の光の性質が説明でき,与えられた条件での照明設計が定量的にできる。 | 照明用の光の性質が説明でき,各種光源に対する照度計算ができる。 | 照明用の光の性質が説明でき,点光源に対する照度計算ができる。 | 照明用の光の性質が説明できない。 |
評価項目2 | 実用化されている電気炉がどの種類の電気・熱エネルギー変換を利用しているかを説明でき,それらの炉の特徴(利点と課題)を説明できる。 | 実用化されている電気炉がどの種類の電気・熱エネルギー変換を利用しているかを説明できる。 | 電気・熱エネルギー変換の種類と特徴が説明できる。 | 電気・熱エネルギー変換の種類と特徴が説明できない。 |
評価項目3 | 日本と世界のエネルギー消費の現状が説明でき,かつ日本の再生エネルギーの現状と可能性を定量的に説明し,将来展望を述べることができる。 | 日本と世界のエネルギー消費の現状が説明でき,かつ日本の再生エネルギーの現状と可能性を定量的に説明できる。 | 日本と世界のエネルギー消費の現状が説明できる。 | 日本と世界のエネルギー消費の現状が説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
※実務との関係:この科目は企業で電気応用(主として照明・電熱)に関する研究開発を行った経験を有する教員がその経験を活かし、学生に電気応用に関する基礎的な知識・能力を理解させ、かつエネルギー消費量についても考察する能力を身に着けさせることにより、学生が社会に出たとき企業活動にスムーズに参加できるようにすることを目的として、基本的に講義形式の授業を行うものである。
一般・専門の別:専門
学習の分野:電気・電子
基礎となる学問分野:工学/電気電子工学
学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「電気・電子」,「情報・制御」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「B-1」および「G-2」にも関与する。
授業の概要:
前半は,照明工学と電熱工学を学ぶ。照明工学では,光の性質,光源の種類,照明設計の基本を解説する。電熱工学では,電熱の発生の基礎を説明し,その応用を説明する。後半は,電動機応用ついて学ぶとともに,日本・世界のエネルギー環境についてデータを基に学生同士でディスカス(班単位に分かれる)を進めるような授業形態をとる。そして,これからのエネルギーの在り方を考えてもらう。
授業の進め方・方法:
授業の方法:後期16週,1週2単位時間(90分)で後期に開講する。前半は教科書に沿った講義を行う。講義内容の理解を深めるため,その内容が実際にどのように使用されるか,どのような場面で必要かを実際の経験をもとにした事例を踏まえながら講義を行う。後半はエネルギー環境データをもとに授業を行う。実際にデータをどのように分析していくか,それらをもとに企画をどのように立てるかなど,実際に社会に出て必要な考え方を習得させる。
成績評価方法:
前期の照明と電熱に関しては,授業の進捗に合わせて課題を課す。その結果を30%、定期試験の結果を70%とする。試験は1回行う。後期については,エネルギー環境に関しては,各家庭のエネルギー調査結果に基づくレポートを提出してもらい、それを100点満点で評価する。総合成績は,試験・課題の結果とレポート結果の平均とする。定期試験結果で理解不足であると感じられる学生に関しては,その部分の補講を行い,再試を行う場合もある。再試結果は上限60点とし定期試験結果に入れる。試験は教科書・筆記用具・電卓以外は持ち込み禁止とする。
注意点:
履修上の注意:
本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。
履修のアドバイス:
本科目は,非常に多岐の分野のわたるため,授業のみではカバーしきれないところをレポートにすることがある。しっかり調べること。
事前に行う学習準備:教科書に沿った授業を行うので,あらかじめ教科書に目を通しておくこと。
基礎科目:電気磁気学Ⅰ・Ⅱ(3,4),電気回路Ⅰ・Ⅱ(3,4)
関連科目:高電圧工学(5年),電気電子材料(5),卒業研究(5)
受講上のアドバイス:
板書される内容を理解しながらノートに取ること。この科目は過去習った専門知識が総合的に必要であり,授業内容を過去習った専門知識と整合をとるように努力すること。出席をとり各時間ごとに始まりから20分までを遅刻とする。それ以上遅れると欠課とみなす。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス,発光現象 |
黒体放射に関する4つの法則の理解
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2週 |
照明光の定義と特徴 |
視感度,順応,測色量、測光量の理解
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3週 |
光源の特徴 |
放電応用(放電灯,LED)などの特徴の理解
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4週 |
照明設計 |
配光制御、逐点法、光束法の理解
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5週 |
電熱工学の基礎 |
熱量と温度,潜熱、熱伝導、過渡現象の理解
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6週 |
電熱の発生,電気炉の種類 |
抵抗加熱,赤外線加熱,電磁波加熱,アーク加熱(電気加工含む)の理解,各種電気炉の理解
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7週 |
前期中間試験 |
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8週 |
前期中間試験の返却と解説 |
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4thQ |
9週 |
環境に関する世界の動き |
地中規模の環境を理解し,カーボンニュートラルの重要性を理解する
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10週 |
世界と日本のエネルギー消費量の現状 |
世界と日本のエネルギー消費量の現状を理解する
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11週 |
日本の1次エネルギー消費量の現状 |
日本の1次エネルギー消費量の現状を理解する
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12週 |
日本の2次エネルギー消費量の現状 |
日本の2次エネルギー消費量の現状を理解する
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13週 |
日本の自然エネルギー(再生可能エネルギー)の割合と特徴、その獲得法 |
日本の自然エネルギー(再生可能エネルギー)の状況を理解する
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14週 |
今後のエネルギーの在り方 |
今後のエネルギーの在り方について意見を持つ
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15週 |
レポート作成 |
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16週 |
レポートの返却と解答解説,電動機応用 |
電動機応用について理解する
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 3 | |
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。 | 3 | |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 3 | |
直流機の原理と構造を説明できる。 | 3 | |
誘導機の原理と構造を説明できる。 | 3 | |
同期機の原理と構造を説明できる。 | 3 | |
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。 | 3 | |
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。 | 3 | |
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。 | 3 | |
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。 | 3 | |
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。 | 3 | |
電力システムの経済的運用について説明できる。 | 3 | |
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。 | 3 | |
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。 | 3 | |
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。 | 3 | |
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。 | 3 | |
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 課題 | 小テスト | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 35 | 0 | 0 | 65 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 0 | 20 |
専門的能力 | 35 | 0 | 0 | 45 | 0 | 0 | 80 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |