技術者倫理

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0128 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:理系のための科学技術者倫理(丸善出版)  参考書:特になし
担当教員 神谷 健

到達目標

学習目的:この授業は技術者倫理を事例分析を交え検討することによって,科学技術が社会および自然に及ぼす影響への理解力を高め,技術者として社会に対する責任を自覚する能力を涵養することを目標としている。

到達目標
1  技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し,それを説明できる。
2  説明責任,内部告発,製造物責任,リスクマネージメントなど,社会における技術者の役割と責任を理解し,それを説明できる。
◎3 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を意識し、技術者が社会に負っている責任を踏まえた基本的な行動がとれる。

◎印がついているものは、分野横断的能力の到達目標です。

ルーブリック

不可
評価項目1技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し,その詳細を発展的に説明できる。技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し,その重要事項を詳細かつ基本的に説明できる。技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し,その基本事項を説明できる。左記に達していない。
評価項目2説明責任等,社会における技術者の役割と責任を理解し,詳細かつ発展的に説明できる。説明責任等,社会における技術者の役割と責任を理解し,その重要事項を詳細かつ基本的に説明できる。説明責任等,社会における技術者の役割と責任を理解し,その基本事項を説明できる。左記に達していない。
評価項目3技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を意識し、技術者が社会に負っている責任を深く踏まえた行動がとれる。技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を意識し、技術者が社会に負っている責任を踏まえた基本的な行動が安定的にとれる。技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を意識し、技術者が社会に負っている責任を踏まえた基本的な行動が基本的にとれる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:一般
学習の分野:人文・社会
基礎となる学問分野:哲学/倫理学
学習教育目標との関連:本科目は学習教育目標「①教養豊かな実践的人間力の養成」「④分野横断的な融合力の育成」「⑤グローバルな視点と社会性の養成」「⑥課題探求・解決能力の育成」「⑦コミュニケーション力・プレゼンテーション力の育成」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(E)技術者倫理を理解することができる」である。
授業の概要:科学技術の急速な進歩によって,これまでの人類が想像しえなかったような未曾有の倫理的諸問題に,現代のわれわれは直面している。この講義では,技術者倫理を体系的に概説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:技術者倫理の教科書を使用して授業を進めていく。事例を多く取り上げることによって,話が抽象的にならないように工夫する。
成績評価方法:学期末の授業内課題100%。上記の達成目標の達成度を判定する。原則として,再試験による成績再評価は実施しない。授業時間外の学習の成果については授業時間内で教授した内容と同様にその内容の理解を課題の内容によって授業時間内の学習の成果と一体的に評価する。
注意点:
履修上の注意:本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。
履修のアドバイス:ニュースなど倫理や公共社会に関わる情報に日頃から触れ、問題関心を日常的に養うこと。授業について質問がある者は、授業時間中・授業時間外を問わず、積極的に質問し、わかるまで粘り強く続けること。予習(事前の準備学習)・復習として、その時点までの講義内容と疑問点の整理をしておくこと。
基礎科目:倫理(全系1年)
関連科目:工学倫理(専1),現代哲学(専2)
受講上のアドバイス:本科目は環境教育ならびに原子力コア人材育成関連科目である。
各授業開始時に出席を確認し、その時点で不在の者は少しの遅れで到着しても遅刻とする。授業に30分以上遅れてやってきた学生は欠課とするが,何回かの遅刻を1欠課とするという措置はとらない。遅れてきた学生は到着時に自分から申し出ること(申し出ない場合は欠課扱いとする)。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の概要についての理解
2週 技術者倫理を学ぶ理由(授業時間外の学習:授業中の指示に基づく資料等の学習〈以下同様〉) 到達目標1
3週 現代社会における技術者 到達目標1
4週 費用便益分析 到達目標2と3
5週 人工物の政治性・道徳性/環境倫理 到達目標2と3
6週 ヒューマンエラー 到達目標2と3
7週 ロボット倫理 到達目標2と3
8週 製造物責任 到達目標2と3
2ndQ
9週 雇用者の責任 到達目標2と3
10週 ステークホルダー 到達目標2と3
11週 公益通報者保護法 到達目標2と3
12週 知的財産権 到達目標2と3
13週 技術革新 到達目標2と3
14週 まとめ 到達目標1と2と3
15週 (前期末試験)
16週 答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力000070070
専門的能力0000000
分野横断的能力000030030