ロボット創造演習

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 ロボット創造演習
科目番号 0160 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(電気電子システム系) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:これまでに使用した教科書・参考書:担当教員が指示する文献,3年次の実験資料(マイコン,LEGO),インターネット,授業で使用した教科書や参考書,友人など,自分の周辺が全て教材である。
担当教員 細谷 和範

到達目標

学習目的:機械工学の課題に対して,マイコンと汎用的なソフトウェアを活用して問題を解決する能力を身に付ける。

到達目標
1.マイコンや設計ツールを使って機械工学に関する課題を解決するために必要な情報収集・分析・整理して解決策を提案できる。
2.情報を収集・分析し,適正に判断し,情報の加工・作成・整理,発信ができる。
3.得られた情報を理解し,効果的かつ創造的に技術的な課題解決のために活用することができる。
4.チームの一員として,他者の意見を尊重し,適切なコミュニケーションをもって共同作業を進めることができる。

ルーブリック

不可
評価項目1解決すべき課題を見出し,収集した情報を活用して,解決するための行動を複数提案するとともに,状況に応じた最適な解決行動を判断できる。解決すべき課題を自ら見出し,収集した情報を分析・整理して,解決するための行動を提案できる。解決すべき課題を把握し,課題を解決するための具体的な行動をとることを認識している。左に記した内容に達していない。
評価項目2得られた情報を分析,適正に判断・整理し,また自ら加工・作成・発信できるとともに,これらの情報の最も効果的な活用方法を提案,実行できる。得られた情報を活用するとともに,自ら情報の加工・作成・整理・発信ができる。情報収集・分析能力が身に付け,必要な情報を活用することを認識している。左に記した内容に達していない。
評価項目3組織・集団の中での合意形成を率先して進めることができ,問題解決のための具体的な行動を指導的に進めることができる。組織・集団の中で合意形成する手段を身に付けていて,問題解決のための具体的な行動が取れる。組織・集団の中で合意形成する手段を理解できず,問題解決のための具体的な活動が必要であることを認識している。左に記した内容に達していない。
評価項目4チームの中で,適切なコミュニケーションをもって異なる意見を纏めることができ,リーダー的な役割を取りながら共同作業を進めることができる。チームの一員として適切なコミュニケーションを取りながら,共同作業を進めることができる。チームの中でコミュニケーションをとりながら共同作業を進めることの重要性を認識している。左に記した内容に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は,空圧機器メーカーで設計・開発、環境調査会社で情報プログラミングの業務に従事していた教員が,その経験を活かし,ロボットの設計から製作に至るまでの一連の流れについて演習形式で授業を行うものである。

一般・専門の別:専門  
学習の分野:材料・設計と生産
基礎となる学問分野:工学/機械工学
学習教育目標との関連:本科目は「③基盤となる専門性の深化」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は付随的に「(D) 課題解決能力,研究能力,コミュニケーション能力,プレゼンテーション能力を身に付けそれらを発揮することができる 」に関与する。

授業の概要:マイコンで制御される紙製ロボット製作を通じ,与えられた課題を自発的に解決することにより,感動と同時に取り組む姿勢,グループ作業の大切さを知る。本科目では成果品の良し悪しは問わない。設計の改良を繰り返す開発のプロセスを重視する。
授業の進め方・方法:
これまでの学習成果や学内・外で得た知識,技術および情報をもとに物作りを中心とした総合学習を行う。学生は課題解決のために,計画・調査・設計・製作を主体的に行い,その成果を相互評価するために発表会を実施する。本科目は授業時間以外の自発的学習を含む科目であり,半期週2単位時間の時間数に対して2単位が設定されている。したがって,授業時間以外の自己学習が必要である。また,学年の課程修了のためには本科目の履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

授業の方法:授業はPC,プロジェクタ等を用いて行う。CADソフト等による機構設計とArduino言語による制御プログラム作成課題を出すので、各自で取り組み、計算課題ならびに報告書を作成して提出する。報告書提出時に口頭発表を行う。
成績評価方法:成績評価は作品を含む各報告書の評価点を平均した結果とする。
注意点:
事前に行う準備学習として,関連する科目の予復習を必ず行うこと。工作機械や電子回路の取り扱い方を誤ると事故を招く可能性があるため取り組み態度,服装には注意すること。座学での学習内容と本科目の内容との関係を意識して報告書作成を行うこと。報告書等の提出期限は厳守すること。実技を伴う科目であるので遅刻や欠課をしないこと。やむを得ず欠課した場合は速やかに担当教員に連絡を取ること。15分を越える遅刻は欠課とみなす。授業開始25分以内であれば遅刻とし,遅刻3回で1欠課とする。

履修上の注意:本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:機械工学設計ツールや解析ツールを使って設計を行う。またC言語に近いArduino言語により制御プログラムを作成しシステムを構築する。事前準備として,これらの関連する科目や実験の復習を行い,基礎知識を備えておくこと。

基礎科目:総合理工基礎(1年),情報リテラシー(1年),CAD入門(2年),機械設計製図Ⅰ(2),機械設計製図Ⅱ(3)
関連科目:機械設計法Ⅰ(3),材料力学Ⅰ(3),ロボット工学概論(4),ロボット工学(4),機械設計法Ⅲ(4),材料力学Ⅱ(4),ロボティックスデザイン(5),卒業研究(5)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,課題内容とスケジュール説明,配属 教育目的や学習内容、評価方法などについて理解する.
2週 アームロボットの基本的な知識の習得
授業外の課題:リンクモデルの力学計算
基本的な関数を用いた順運動学と逆運動学によるリンク位置の求め方と自動運転の定義と種類の理解ができるようになる.
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できるようになる.
3週 力学シミュレーターの基本的な使用法の習得
授業外の課題:リンクモデルの力学計算
演習課題を通じて,アームロボットのリンク設計とロボットプログラミングについて説明できるようになる.
4週 力学シミュレーターの基本的な使用法の習得
授業外の課題:リンクモデルの力学計算
シミュレーションデータの収集とエネルギー効率等の計算ができるようになる.
5週 Arduinoマイコンの基本的な使用法の習得と製作するロボットの構想の立案
授業外の課題:ロボット製作のための情報収集
マイコンプログラミングについて,基本的な制御プログラムが書けるようになる.
6週 Arduinoマイコンの基本的な使用法の習得と製作するロボットの構想の立案
授業外の課題:ロボット製作のための情報収集
マイコンプログラミングにより,センサとアクチュエーターを用いた簡単なシステムが構築できるようになる.
7週 ロボットの基本設計
授業外の課題:中間報告書の作成
構想をまとめ,設計図を作成できる.
CAD等を用いて図面を作成でき,日誌を用いて進捗報告ができるようになる.
8週 中間試験(実施せず報告書による評価を行う)
4thQ
9週 CAD図面等を基にした部品の加工
授業外の課題:製作工程表の作成
設計図に基づき,部品の加工ができる.
図面作成ができるようになる.
10週 CAD図面等を基にした部品の加工
授業外の課題:設計の妥当性確認
設計図に基づき,部品の加工ができる.
図面作成ができるようになる.
11週 ロボット製作と制御プログラミング
授業外の課題:設計の妥当性確認
加工部品とマイコン機器を接続し,制御プログラムを作成できるようになる.
12週 ロボット製作と制御プログラミング
授業外の課題:設計の妥当性確認
加工部品とマイコン機器を接続し,動作させた結果から課題点を抽出できるようになる.
13週 動作実験および考察
授業外の課題:プレゼンテーションの準備
自律制御(自動動作)させた結果について,材料,加工,制御,データ解析等,多面的に考察できるようになる.
14週 プレゼンテーション〔コンセプトから成果物に至る過程の説明〕 ICTツールやスライドを使って取り組みの表現ができる.
15週 期末試験(実施せず,作品とスライド,報告書で評価)
16週 競技会

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。4後1
製図用具を正しく使うことができる。4後1
線の種類と用途を説明できる。4後1
物体の投影図を正確にかくことができる。4後1
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。4後1
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。4後1,後9
部品のスケッチ図を書くことができる。4後1,後6,後7
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。4後9,後10
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。4後9,後10
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。4後9,後10
機械設計標準規格の意義を説明できる。4後9
標準規格を機械設計に適用できる。4後3,後10
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4後3,後13
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4後7,後9,後10
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4後7,後9,後10
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4後7,後9,後10
軸の種類と用途を理解し、適用できる。4後10
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4後10
キーの強度を計算できる。4後10
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4後10
滑り軸受の構造と種類を説明できる。4後3
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。4後7
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4後4,後7
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4後4,後7
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4後4,後7
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4後4,後7
歯車列の速度伝達比を計算できる。4後4,後7
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4後2
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。4後2
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。4後1,後2
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。4
力学許容応力と安全率を説明できる。4後7
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4後3
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4後3
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4後13
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4後7
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4後7
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4後7
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4後4,後7
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4後4,後7
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4後7
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4後4,後7
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4後7
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4後7
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4後4
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4
情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。4後3,後5
定数と変数を説明できる。4後3,後5
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。4後3,後5
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。4後11
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。4後11
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。4後4,後11,後12
条件判断プログラムを作成できる。4後5,後6,後11,後12
繰り返し処理プログラムを作成できる。4後5,後6,後11,後12
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。4後2,後11,後12
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4後1
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4後1,後7
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4後1
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4後1
自動制御の定義と種類を説明できる。4後1
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4後1,後5
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4後1,後5
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4後1
伝達関数を説明できる。4後1,後5
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4後11
制御系の過渡特性について説明できる。4後1,後11
制御系の定常特性について説明できる。4後1,後11
制御系の周波数特性について説明できる。4後1,後11
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4

評価割合

演習課題と中間報告書発表相互評価授業態度作品と最終報告書その他合計
総合評価割合30201010300100
基礎的能力0000000
専門的能力30201010300100
分野横断的能力0000000